松永道路
広島県福山市から尾道市に至る国道2号のバイパス
松永道路(まつながどうろ)は、広島県の福山市神村町から尾道市高須町に至る延長 7.1キロメートル (km) の国道2号バイパスである[1]。国道2号の交通渋滞の緩和、交通安全の確保を目的として建設された。松永バイパスとも呼ばれる[注釈 1]。
一般国道 | |
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松永道路 国道2号バイパス | |
路線延長 | 7.1 km |
制定年 | 1972年 |
開通年 | 1987年 - 1990年 |
起点 | 広島県福山市神村町 |
終点 | 広島県尾道市高須町 |
接続する 主な道路 (記法) |
E2 山陽自動車道 E76 西瀬戸自動車道 |
■テンプレート(■ノート ■使い方) ■PJ道路 |
概要
編集福山市松永地区、尾道市東部内の国道2号現道の混雑緩和及び山陽自動車道と西瀬戸自動車道の連絡強化を目的としており、福山市今津町から尾道市高須町(福山西JCT - 西瀬戸尾道IC)間3.9 km は尾道福山自動車道に指定され、また神村町から今津町(神村ランプ - 福山西JCT)間3.2 km は地域高規格道路倉敷福山道路に指定されている[1]。高速道路ナンバリングによる路線番号は、福山西JCT - 西瀬戸尾道IC間で西瀬戸自動車道(瀬戸内しまなみ海道)、今治小松自動車道とともに「E76」が割り振られている。
路線データ
編集福山市神村町 - 福山市今津町 (2.5 km)
福山市今津町 - 尾道市高須町 (4.6 km)
- 規格 : 第1種第3級(自動車専用道路)
- 設計速度 : 80 km/h
- 道路幅員
- 土工部 : 22.0 m
- 車線幅員 : 3.5 m
- 車線数 : 4車線
- 最高速度 : 60 km/h
歴史
編集1970年(昭和45年)に建設省(現在の国土交通省)が立案し、1972年(昭和47年)に事業決定[5][6]。路線の途中には羽原、松永(当時)、西藤の3ランプと、山陽自動車道に連絡する福山西JCTを設けるという計画で進められたものの、沿線住民の反対で難航し、立案から用地買収までに時間を要した[5]。用地買収は1977年(昭和52年)に高須地区(尾道市)から始まり、今津地区(福山市)、松永地区(福山市)と進み、反対が強かった西藤地区(尾道市)は1979年(昭和54年)になってから[5]。立ち退き民家33戸、地権者500人超[5]。
年表
編集- 1975年(昭和50年)2月18日 : 都市計画決定。
- 1978年度(昭和53年度) : 工事着手[5][6]。
- 1987年(昭和62年)6月27日 : 西藤IC - 高須IC(2.6 km)を暫定2車線供用。
- 1990年(平成2年)12月15日 : 神村ランプ - 西藤IC (4.5 km)を暫定2車線供用。これにより全線開通。
- 1991年(平成3年)3月20日 : 福山西IC供用開始。
- 1999年(平成11年)3月13日 : 福山西JCT - 高須IC (3.9 km)の4車線化および立体化された連結施設である西瀬戸尾道ICが完成。
- 2003年(平成15年)3月27日 : 今津ランプ - 福山西JCT (0.7 km)を4車線化。
- 2012年(平成24年) : 国の財政難などにより一時中断していた神村ランプ - 今津ランプ (2.5 km)の4車線化工事が再開[7]。
- 2014年(平成26年)
- 2016年(平成28年)
- 2017年(平成29年)
路線状況
編集道路施設
編集- 今津PA(上り線 岡山方面)
トンネル
編集- 神村トンネル(430 m)
- 平トンネル(247 m)
- 松本トンネル(303 m)
- 高西トンネル(362 m)
- 高須トンネル(321 m)
主な橋梁
編集交通量
編集平日24時間交通量(台)[注釈 4]
- 福山市神村町才ノ峠 : 41,422
- 福山市今津町長波 : 48,471
地理
編集通過する自治体
編集ランプおよびインターチェンジ
編集- 上側が起点側、下側が終点側。左側が上り側、右側が下り側。
- 福山市今津町 - 尾道市高須町が、自動車専用道路。
- 路線名の特記がないものは市道。
施設名 | 接続路線名 | 大阪から (km) |
所在地 | |
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国道2号(赤坂バイパス) 岡山・倉敷方面 | ||||
神村ランプ | 県道54号福山尾道線 | 国道2号(現道) | 239.4 | 福山市 |
羽原ランプ | 県道157号松永新市線 | 240.4 | ||
今津ランプ | 県道48号府中松永線 | 241.9 | ||
今津PA(上り線のみ) | - | 242.1 | ||
福山西JCT | E2 山陽自動車道 福山西IC | 242.8 | ||
西藤IC | 県道54号福山尾道線 | 243.8 | 尾道市 | |
高須IC | E76 西瀬戸自動車道(瀬戸内しまなみ海道) 西瀬戸尾道IC | 246.5 | ||
甲山方面 | 国道2号(尾道バイパス) 尾道市街方面 | |||
国道2号(尾道バイパス)広島・三原方面 |
当該道路の位置関係
編集脚注
編集注釈
編集- ^ 神村ランプ付近東方のセブン-イレブンは福山松永バイパス入口店[2]、福山大学ホームページのアクセスマップ[3]や、『松永バイパス建設地内埋蔵文化財発掘調査報告』[4]で松永バイパスの表記が見られる。
- ^ 2016年7月4日から11月28日の切り替えまでは尾道方面から神村ランプで流出する場合も、一旦羽原ランプで強制的に流出させられていた。
- ^ 2016年9月12日から11月28日の切り替えまでは今津ランプから福山方面へ流入する場合も一旦羽原ランプで強制的に流出し、神村ランプ流出の分岐地点で、羽原ランプからの車とともに本線に合流する形となっていた。
- ^ 2005年(平成17年)度の『道路交通センサス』によるデータ。
出典
編集- ^ a b “一般国道2号 松永道路” (PDF). 国土交通省 中国地方整備局 福山河川国道事務所. p. 2 (2017年3月). 2017年7月24日閲覧。
- ^ “店舗のご案内”. 株式会社 セブン-イレブン・ジャパン. 2017年7月24日閲覧。
- ^ “福山大学 アクセスマップ”. 福山大学 (2015年). 2015年6月7日閲覧。
- ^ “CiNii 図書 - 松永バイパス建設地内埋蔵文化財発掘調査報告”. 国立情報学研究所. 2015年6月7日閲覧。
- ^ a b c d e 井上尚三 1982, pp. 194–196.
- ^ a b c “国道2号松永道路が全線4車線化 26日開通、事業化から45年”. 株式会社 山陽新聞社 (2017年3月16日). 2017年3月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年3月20日閲覧。
- ^ “国道2号松永道路を4車線化”. 株式会社 中国新聞社 (2012年5月22日). 2012年7月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月24日閲覧。
- ^ “松永道路の最後のトンネルが貫通します!! 〜平トンネル貫通のお知らせ〜” (PDF). 国土交通省 中国地方整備局 福山河川国道事務所 (2014年9月5日). 2014年11月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月24日閲覧。
- ^ “松永道路で最後のトンネル貫通”. 株式会社 中国新聞社 (2014年9月12日). 2014年9月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年9月17日閲覧。
- ^ a b “橋が1つにつながります!! 〜神村高架橋の工事現場を公開します〜” (PDF). 国土交通省 中国地方整備局 福山河川国道事務所 (2014年10月21日). 2014年11月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月24日閲覧。
- ^ a b “松永道路で最後の橋が連結”. 株式会社 中国新聞社 (2014年10月29日). 2014年11月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年11月16日閲覧。
- ^ “一般国道2号 松永道路(岡山市方面)神村出口 通行形態変更のお知らせ” (PDF). 国土交通省 中国地方整備局 福山河川国道事務所 (2016年6月16日). 2017年7月24日閲覧。
- ^ “一般国道2号 松永道路(岡山市方面)羽原出入口 通行形態変更のお知らせ” (PDF). 国土交通省 中国地方整備局 福山河川国道事務所 (2016年8月30日). 2017年7月24日閲覧。
- ^ “一般国道2号 松永道路 上り線(岡山市方面)の通行形態が変わります” (PDF). 国土交通省 中国地方整備局 福山河川国道事務所 (2016年11月15日). 2017年7月24日閲覧。
- ^ “一般国道2号 松永道路 上り線(岡山市方面)の2車線が通行できます!” (PDF). 国土交通省 中国地方整備局 福山河川国道事務所 (2017年2月20日). 2017年5月2日閲覧。
- ^ “一般国道2号 松永道路が平成29年3月26日(日)に全線4車線で完成します!” (PDF). 国土交通省 中国地方整備局 福山河川国道事務所 (2017年2月3日). 2017年2月4日閲覧。
参考文献
編集- 井上尚三『まつなが』中国新聞社、1982年。