東西四大学合唱連盟
東西四大学合唱連盟(とうざいよんだいがくがっしょうれんめい)とは、東京と関西を所在地とした4つの大学の男声合唱団で構成される連盟。通称は「四連(よんれん)または「東西四連」。
加盟団体
編集概要
編集催される演奏会は「東西四大学合唱演奏会」という名称であり、1年ごとに東京と関西を持ち回りで行われる。第1回は1952年(昭和27年)9月の京都・大阪公演に始まり、2019年(令和元年)6月にはすみだトリフォニーホールにて第68回演奏会が開催されている[1]。2020年(令和2年)はCOVID-19のため中止となった。第52回の模様はNHK-FMにて放送された[2]。
長い演奏会の歴史の中で、関学の『ギルガメシュ叙事詩(青島広志作曲)』『アイヌのウポポ(清水脩作曲)』、慶應の『コダーイ合唱曲集』『水のいのち(髙田三郎作曲)』、同志社の『ドイツ民謡集(福永陽一郎編)』『月光とピエロ(清水脩作曲)』、早稲田の『繩文(荻久保和明作曲)』『レクイエム(三木稔作曲)』など、歴史的に語り継がれている名演奏が数多く生まれている。
さまざまな指揮者が舞台にあがっているが、オーケストラの世界でも幅広く第一線で活躍した(している)指揮者としては飯守泰次郎、石丸寛、井上道義、宇宿允人、小林研一郎、堀俊輔、松尾葉子、松岡究、三石精一、山田一雄、山田和樹、渡辺暁雄、黒岩英臣らを挙げることができる。多田武彦、新実徳英や荻久保和明はここで自作自演を行っている。また、木下保、福永陽一郎、畑中良輔、北村協一のように、毎年のごとく出演していた者もいる。その他にも、磯部俶、林雄一郎、渡邊學而、長井斉、浅井敬壹、石井歓、川村輝夫、濱田徳昭、日下部吉彦、小泉ひろし、手塚幸紀、エルヴィン・ボルン、田中一嘉、関屋晋、三林輝夫、富岡健、樋本英一、佐々木修、北川博夫、宇野功芳、本山秀毅、皆川達夫、栗山文昭、松原千振、広瀬康夫、鈴木成夫、佐藤正浩、須賀敬一、藤井宏樹、高嶋昌二、太田務、仁階堂孝、清水雅彦、山田敦、吉川貴洋、伊東恵司、中村雅夫、小久保大輔、髙谷光信、田尻真高、辻博之、松井慶太、山脇卓也、清水敬一、雨森文也など[1]の著名な音楽家がステージに上っている。
「東西四大学合唱演奏会」の重要性について、福永陽一郎は1981年(昭和56年)に開催された第30回記念演奏会のパンフレットに以下の文を寄稿している。
(前略)
それぞれの合唱団が、その時点の実力を発揮すべく、案としても演奏成果としても、練りに練ったものが出されるようになり、「四連」の曲目は、その時点の日本の合唱界の、技術的にも内容的にも最高の基準になるものと見られるようになった。「四連」30年のはじめの半分のうちに、4大学とも、合唱コンクールに出場しなくなった。その結果、コンクールに出なくなることが、大学合唱団として一段上のレベルに見られるという現象もおこった。そして、「四連」は全日本合唱コンクールの大学の部より、うんとハイレベルの競争の場になった感を呈した。
(中略)
「四連」を構成する4大学の合唱団それぞれの、合唱音楽に対する意識の高さの保持こそ、日本の合唱界が誇ってしかるべきものであり、そのための“場”としての「四連」はいまや、かけがえのない存在となっているのである。 — 福永陽一郎、第30回記念演奏会(1981年) パンフレット
それぞれの団体のOB合唱団による「東西四大学OB合唱連盟」も存在し、クローバークラブ(同志社)、慶應義塾ワグネル・ソサィエティーOB合唱団(慶應)、新月会(関西学院)、稲門グリークラブ(早稲田)によって、東京と関西を持ち回りで演奏会が行われているが、こちらは隔年での開催となっている。2019年(令和元年)7月には第22回東西四大学OB合唱連盟演奏会がフェスティバルホールで開催された[3]。
脚注
編集- ^ a b “演奏ライブラリー 四連”. 慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団. 2020年2月2日閲覧。
- ^ 『NHK年鑑2004』p.296
- ^ “第22回 東西四大学OB合唱連盟演奏会”. 慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団. 2020年2月2日閲覧。
外部リンク
編集- 慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団 演奏ライブラリー(四連) - 第1回からのプログラムを収録。