東海国立大学機構

岐阜大学と名古屋大学を設置する法人

国立大学法人東海国立大学機構(とうかいこくりつだいがくきこう)は、名古屋大学岐阜大学を設置している、日本国立大学法人

国立大学法人東海国立大学機構
正式名称 国立大学法人東海国立大学機構
英語名称 Tokai National Higher Education and Research System
略称 THERS
組織形態 国立大学法人
所在地 日本の旗 日本
464-8601
愛知県名古屋市千種区不老町1番
名古屋大学東山キャンパス内)
北緯35度9分9秒 東経136度58分7秒 / 北緯35.15250度 東経136.96861度 / 35.15250; 136.96861
法人番号 3180005006071 ウィキデータを編集
資本金 政府出資金 111,280,491,641円
(2020年度決算)[1]
人数 東海国立大学機構 283人
岐阜大学 2,371人
名古屋大学 4,861人
(2021年5月1日時点)[2]
機構長[注釈 1] 松尾清一
設立年月日

2020年(令和2年)4月1日

法人格としては2004年(平成16年)4月1日 ※前身の国立大学法人名古屋大学として[注釈 2]
前身 国立大学法人名古屋大学
国立大学法人岐阜大学
所管 文部科学省
所属学校 名古屋大学
岐阜大学
ウェブサイト 国立大学法人東海国立大学機構
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概要

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国立大学法人法の改正を盛り込んだ学校教育法等の一部を改正する法律(令和元年法律第11号)により、「国立大学法人岐阜大学」と「国立大学法人名古屋大学」を統合して2020年(令和2年)4月に設立された。現在この機構が岐阜大学と名古屋大学を設置している(国立大学法人法改正前は、1法人が1大学しか運営できなかった)[5]

18歳人口の減少、国からの運営費交付金削減を背景に、国立大学法人を統合して効率化することで、財源を研究・教育に重点配分することをめざしている。大学の国際競争力向上と地域創生貢献の両立を掲げ、具体的には名古屋大学と岐阜大学が強みを持つ4分野(糖鎖航空宇宙工学、医療情報、農学)に力を入れる。このほか新組織「アカデミック・セントラル」を発足させ、学部1-2年生のみならず大学院生まで含めて教養教育を充実させる[5]

初代の機構長は、第14代名古屋大学総長松尾清一が就任している[注釈 3]

沿革

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  • 2004年(平成16年)4月:国立大学法人法により国立大学法人名古屋大学国立大学法人岐阜大学設立。名古屋大学と岐阜大学はそれぞれの法人の設置する国立大学となる。
  • 2018年(平成30年)
    • 3月:国立大学法人名古屋大学が指定国立大学法人に指定される。
    • 12月25日:国立大学法人名古屋大学と国立大学法人岐阜大学が、法人を統合することについて、合意書を締結[7][8]
  • 2019年(令和元年)5月17日国会において「学校教育法等の一部を改正する法律」が成立。2020年度(平成22年度)にも「国立大学法人東海国立大学機構」を新設し、傘下にそれぞれの大学が入ることで、経営の効率化と研究・教育分野の強化を目指すことが発表された[9][10]
  • 2020年(令和2年)4月1日国立大学法人東海国立大学機構が発足[11][注釈 2]。「国立大学法人名古屋大学」が指定国立大学法人であったため、機構が発足すると名古屋大学は自動的に指定国立大学に指定された[14]
  • 2024年(令和6年)12月12日:スタートアップへの出資・支援を行う第1号ファンド「東海研究開発1号投資事業有限責任組合」立ち上げを発表[15]

設置している大学

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組織

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法人の関係者

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国立大学法人名古屋大学 学長

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法人の学長は、大学の総長が兼ねていた。

  • 初代: 平野眞一(2004年4月1日 - 2009年3月31日、名古屋大学第12代総長)
  • 第2代:濵口道成 (2009年4月1日 - 2015年3月31日、名古屋大学第13代総長)
  • 第3代:松尾清一(2015年4月1日- 2020年3月31日、名古屋大学第14代総長)

国立大学法人岐阜大学 学長

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法人の学長は、大学の学長が兼ねていた。

  • 初代:黒木登志夫(2004年4月1日 - 2008年3月31日、岐阜大学第10代学長)
  • 2代:森秀樹(2008年4月1日 - 2014年3月31日、岐阜大学第11代学長)
  • 3代:森脇久隆(2014年4月1日 - 2020年3月31日、岐阜大学第12代学長)

国立大学法人東海国立大学機構 機構長

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  • 初代:松尾清一(2020年4月1日 - 、2022年3月31日までは名古屋大学第14代総長)

その他

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  • 森脇久隆(初代大学統括理事兼副機構長、岐阜大学第12代学長)
  • 杉山直(第2代大学統括理事兼副機構長、名古屋大学第15代総長)
  • 吉田和弘(第2代大学統括理事兼副機構長、岐阜大学第13代学長)

職員

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  • 大学教員[4]
  • 附属学校教員[4]
  • 事務職員[4]
  • 技術職員[4]
  • その他必要な職員[4]

脚注

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注釈

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  1. ^ 複数の国立大学を設置する国立大学法人の長の法律上の職名は理事長であるが[3]、機構の組織運営通則では機構長と規定している[4]
  2. ^ a b 「国立大学法人岐阜大学」が解散し、「国立大学法人名古屋大学」が「国立大学法人東海国立大学機構」に改称され、「国立大学法人岐阜大学」の一切の権利及び義務を承継し、岐阜大学は同機構の設置する大学とする形で行われた[12][13]
  3. ^ 2020年4月1日の機構長就任から2年間は、名古屋大学総長との兼任[6]

出典

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  1. ^ “資本金の額” (PDF). 令和2年度 事業報告書. 国立大学法人東海国立大学機構. (2021年6月). p. 27. オリジナルの2022年2月15日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220215085705/https://www.thers.ac.jp/disclosure/upload/20210908_03.pdf 2022年2月17日閲覧。 
  2. ^ “データで見る大学概要” (PDF). 東海国立大学機構 環境報告書2021. 国立大学法人東海国立大学機構. (2021年8月). p. 14. オリジナルの2021年9月22日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210922235516/https://www.thers.ac.jp/disclosure/upload/20210922_kankyo.pdf 2022年2月17日閲覧。 
  3. ^ 国立大学法人法第10条第1項
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w 「国立大学法人東海国立大学機構組織運営通則」名古屋大学
  5. ^ a b 【教育の森】国立初・名古屋大と岐阜大 運営法人統合/研究と地域創生 相乗効果狙い毎日新聞』朝刊2020年6月8日(教育面)2020年6月16日閲覧
  6. ^ 松尾清一機構長の略歴(2022年8月12日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  7. ^ 東海国立大学機構設立に向けた基本合意について”. 名古屋大学. 2018年12月26日閲覧。
  8. ^ 東海国立大学機構設立に向けた基本合意について”. 岐阜大学. 2018年12月26日閲覧。
  9. ^ 国立大学法人東海国立大学機構設立について(学校教育法等の一部を改正する法律の成立を受けて)”. 名古屋大学. 2019年5月18日閲覧。
  10. ^ 国立大学法人東海国立大学機構設立について(学校教育法等の一部を改正する法律の成立を受けて)”. 岐阜大学. 2019年5月18日閲覧。
  11. ^ 「東海国立大学機構発足 岐阜大と名大、県境越え初の統合」岐阜新聞Web(2020年4月2日)2020年6月14日閲覧
  12. ^ 学校教育法等の一部を改正する法律(令和元年5月24日法律第11号)附則第3条及び第6条
  13. ^ 国立大学法人東海国立大学機構の情報|国税庁法人番号公表サイト”. 国税庁. 2020年7月1日閲覧。
  14. ^ 国立大学法人法第34条の9および学校教育法等の一部を改正する法律(令和元年5月24日法律第11号)附則第7条
  15. ^ 東海国立大学機構 1号ファンド立ち上げ 30前後の新興に出資」『日刊工業新聞』2024年12月13日(科学技術・大学面)
  16. ^ a b c d e f g h i j 「東海国立大学機構事務組織規程」名古屋大学

関連項目

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外部リンク

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