村西 良太(むらにし りょうた、1997年6月6日 - )は、兵庫県淡路市出身のプロ野球選手投手)。右投左打。オリックス・バファローズ所属。

村西 良太
オリックス・バファローズ #22
2021年6月10日 京セラドーム大阪
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 兵庫県淡路市
生年月日 (1997-06-06) 1997年6月6日(27歳)
身長
体重
174 cm
76 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 投手
プロ入り 2019年 ドラフト3位
初出場 2020年6月25日
年俸 1400万円(2024年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴

プロ入り前

小学校3年生より野球を始めた[2]。当初は足の速さを活かして、中堅手であったが、小学校4年からは遊撃手を務めていた[2]淡路市立津名中学校時代はクラブチームのアイランドホークスへ所属していたが、主なポジションは外野であった[2]

高校は兵庫県立津名高等学校へ進学し、1年秋からベンチ入りを果たしていたものの、控え投手として高校野球を終える[3]。最高成績は2年秋の兵庫県大会3位[4]。近畿大会では和歌山県1位の箕島と対戦し、3回よりリリーフ登板し、失点0の好投を見せた[5]。甲子園出場経験はなし[4]

大学は近畿大学監督の田中秀昌の強いラブコールにより同大学へ進学[6]。3年秋には10試合に登板し関西学生リーグの制覇に貢献した[7]。大学時代は10球団から調査書が届いていた[8]

2019年のドラフト会議オリックス・バファローズから3位指名を受け、11月15日に契約金5500万円・年俸1000万円(いずれも金額は推定)で仮契約を結んだ[9]。背番号は22。担当スカウトは内匠政博[10]

オリックス時代

2020年は新型コロナウイルスの影響で120試合制の短縮シーズンとなり、開幕も6月に延期されたものの、開幕ローテーション入りを果たした[11]。6月25日の千葉ロッテマリーンズ戦でプロ初登板初先発となったが、初回に満塁本塁打を打たれるなど、3回5失点で敗戦投手となった[12]。翌26日に出場選手登録を抹消され[13]、8月9日に中継ぎとして一軍再昇格[14]。同16日の福岡ソフトバンクホークス戦でプロ初のリリーフ登板を果たすも[15]、8月28日に再び登録抹消となり[16]、その後10月1日に右肘の手術(鏡視下右肘頭骨棘切除術・骨接合術)を受け[17]、残りのシーズンはリハビリに費やした。ルーキーイヤーは4試合(1先発)の登板で0勝1敗・防御率9.00という成績に終わり、オフに130万円減となる推定年俸870万円で契約を更改した[18]

2021年は5月4日に一軍へ昇格し[19]、同日の埼玉西武ライオンズ戦でプロ初ホールドを記録[20]。さらに5月18日のロッテ戦でプロ初セーブ[21]、6月3日の阪神タイガース戦ではプロ初勝利を挙げた[22]。東京五輪による中断期間に伴って7月15日に登録を抹消されると[23]、後半戦の開幕を二軍で迎え、その後2度一軍へ昇格したものの[24][25]、後半戦の一軍登板は1試合(9月29日のロッテ戦[26])のみにとどまった。この年は18試合のリリーフ登板で1勝0敗5ホールド1セーブ・防御率3.75を記録し、12月6日の契約更改交渉では球団からアップ提示を受けるも保留[27]。同15日に行われた2度目の契約更改交渉にて前回と同額(430万円増)となる推定年俸1300万円でサインをした[28]

2022年は中継ぎとして開幕を一軍で迎え[29]、10試合の登板で1勝1敗4ホールド・防御率2.16を記録していたが、4月27日に新型コロナウイルス陽性判定を受け、離脱を余儀なくされた[30]。離脱後は二軍で調子が上がらなかったものの、平井正史育成コーチのアドバイスで腕の位置を下げると[31]、8月3日に一軍再昇格[32]。9月23日に出場選手登録を抹消されて[33]以降の一軍登板は無く、この年は22試合の登板で1勝1敗8ホールド・防御率4.44という成績であったが、再昇格後は16イニングで21奪三振と奪三振率の向上に手応えを得たシーズンでもあった[31]。オフに400万円増となる推定年俸1700万円で契約を更改した[34]

2023年は前年よりさらに腕の角度を下げ、アンダースローに転向[35]。4月8日の北海道日本ハムファイターズ戦でシーズン初登板、プロ入り2度目の先発登板となったが[36]、4回途中4失点で敗戦投手となった[37]。翌9日に出場選手登録を抹消され[38]、同30日にリリーフとして再登録されるも[39]、登板機会が無いまま、5月3日に登録抹消[40]。その後は再登録[41][42][43]と登録抹消を3度繰り返し[44][45][46]、この年は7試合(1先発)の登板で0勝1敗、防御率6.17という成績にとどまった。ただ、二軍では22試合(14先発)に登板して6勝5敗、防御率1.73の好成績[47]ウエスタン・リーグの最優秀防御率を獲得した[48]

2024年は6月27日に出場選手登録され[49]、30日のロッテ戦で5番手としてシーズン初登板。1回を投げ、被本塁打1、与四球2、1失点の内容で、この1登板だけで7月11日に登録を抹消された[50]。その後は再昇格の機会なくシーズンを終え、二軍では19試合に登板(13先発)、5勝5敗、防御率3.65の成績だった[51]。10月3日、球団から戦力外通告を受け、育成契約を打診されていることが報じられた[52][53]

選手としての特徴

中学校1年からプロ3年目まではサイドスロー[2]。2022年の秋季キャンプで中嶋監督の勧めを受け、アンダースローに転向した[35]。しかし、転向2年目の2024年、二軍でも結果を残せていなかったことからシーズン終盤にはサイドスローに戻した[53]

サイドスローでのストレートの最速は152km/h[54]スライダーカーブスプリットを投じる[55]

詳細情報

年度別投手成績





















































W
H
I
P
2020 オリックス 4 1 0 0 0 0 1 0 0 .000 39 8.0 6 2 10 0 0 5 0 0 8 8 9.00 2.00
2021 18 0 0 0 0 1 0 1 5 1.000 62 12.0 15 1 9 0 2 7 0 0 7 5 3.75 2.00
2022 22 0 0 0 0 1 1 0 8 .500 113 24.1 23 4 17 3 1 27 1 0 13 12 4.44 1.64
2023 7 1 0 0 0 0 1 0 0 .000 52 11.2 11 1 5 0 1 6 0 0 8 8 6.17 1.37
通算:4年 51 2 0 0 0 2 3 1 13 .400 266 56.0 55 8 41 3 4 45 1 0 36 33 5.30 1.71
  • 2023年度シーズン終了時

年度別守備成績



投手












2020 オリックス 4 0 1 0 0 1.000
2021 18 0 3 0 0 1.000
2022 22 0 5 0 0 1.000
2023 7 1 3 0 0 1.000
通算 51 1 12 0 0 1.000
  • 2023年度シーズン終了時

記録

初記録

背番号

  • 22(2020年 - )

登場曲

  • 「淡路サンセットライン」Shurkn Pap(2020年 - )

脚注

注釈

出典

  1. ^ オリックス - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ. 2023年11月29日閲覧。
  2. ^ a b c d “子どもの頃はエースじゃなかった オリックス3位・村西投手に聞く”. 神戸新聞NEXT (神戸新聞). (2020年1月30日). https://www.kobe-np.co.jp/news/awaji/202001/0013072972.shtml 2020年2月22日閲覧。 
  3. ^ “【関西学生のキーマン】剛腕でいざ連覇 近大・村西良太投手”. スポーツニッポン (スポーツニッポン). (2019年4月2日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/yomimono/kansaiuniv/kiji/20190402s00001406196000c.html 2020年2月22日閲覧。 
  4. ^ a b “淡路市出身、近大・村西 オリックスから3巡目指名”. ラジオ関西. (2019年10月18日). https://jocr.jp/raditopi/2019/10/18/4149/ 2020年2月29日閲覧。 
  5. ^ “エースになれなかった中・高時代 転機となったサイドスロー 近畿大の152キロ右腕・村西良太”. 高校野球ドットコム. (2019年9月29日). https://www.hb-nippon.com/interview/1935-intvw2019/7770-20190926no1031 2020年2月28日閲覧。 
  6. ^ オリックス3位指名 近大エース村西良太、田中秀昌監督と二人三脚の4years.”. 4years. (2019年10月30日). 2021年6月27日閲覧。
  7. ^ “阪神OBが大学生指導 プロ注目の奈良学園大・菅田、下柳氏助言に「分かりやすかった」”. スポーツニッポン (スポーツニッポン). (2019年2月8日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2019/02/08/kiji/20190208s00001089273000c.html 2020年2月22日閲覧。 
  8. ^ “今秋ドラフト候補の立命大・坂本が6安打完封、自己最速に並ぶ148キロ計測”. スポーツニッポン (スポーツニッポン). (2019年10月6日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2019/10/06/kiji/20191006s00001089318000c.html 2020年2月22日閲覧。 
  9. ^ オリックス3位村西が仮契約「開幕1軍を目指して」”. 日刊スポーツ (2019年11月26日). 2021年6月27日閲覧。
  10. ^ オリックス、ドラフト3位・村西良太が仮契約!「持ち味はストレート」”. リアルライブ (2019年11月26日). 2021年6月27日閲覧。
  11. ^ オリックス・ドラ3村西 球団21年ぶり!新人開幕ローテ入り決定的”. Sponichi Annex (2020年6月9日). 2022年1月10日閲覧。
  12. ^ オリックス村西プロの洗礼「悔しいという思いしか」”. 日刊スポーツ (2020年6月25日). 2021年6月27日閲覧。
  13. ^ 広島松山ら登録 小窪ら抹消/26日公示”. 日刊スポーツ (2020年6月26日). 2022年1月10日閲覧。
  14. ^ 【セパ公示】(9日)中日がロドリゲス、オリックスが村西良太とアルバースを登録”. スポーツ報知 (2020年8月9日). 2022年1月10日閲覧。
  15. ^ 2020年8月16日 【公式戦】 試合結果 (福岡ソフトバンクvsオリックス)”. 日本野球機構. 2022年1月10日閲覧。
  16. ^ オリックス・西野が一軍昇格!手術明けで出遅れもファームで打率.355 28日のプロ野球公示”. BASEBALL KING (2020年8月28日). 2022年1月10日閲覧。
  17. ^ オリックスのドラ3・村西が右肘手術 一軍4試合に登板、ここ1カ月二軍登板なし”. BASEBALL KING (2020年10月1日). 2021年6月27日閲覧。
  18. ^ オリックス・村西 “悪夢のデビュー戦”で130万円減 先発での雪辱に意欲「いい思いできるように」”. スポニチ Sponichi Annex (2020年12月2日). 2021年6月27日閲覧。
  19. ^ 【パ・リーグ公示】5月4日 西武・小川が登録、増田が抹消”. サンスポ (2021年5月4日). 2022年1月10日閲覧。
  20. ^ 2021年5月4日 【公式戦】 試合結果 (埼玉西武vsオリックス)”. 日本野球機構. 2022年1月10日閲覧。
  21. ^ オリックス村西良太プロ初セーブ 後輩阪神佐藤輝明に「負けないように」”. 日刊スポーツ (2021年5月18日). 2022年1月10日閲覧。
  22. ^ オリックス村西プロ初勝利 近大の後輩・輝に先輩の意地見せた「記念球は親に贈るか、自分で保管」”. Sponichi Annex (2021年6月4日). 2022年1月10日閲覧。
  23. ^ 【15日の公示】五輪期間中断に伴い、全選手の登録を抹消”. Sponichi Annex (2021年7月15日). 2022年1月10日閲覧。
  24. ^ 阪神佐藤輝明、ロッテ佐々木朗希ら登録、楽天和田恋が抹消/23日公示”. 日刊スポーツ (2021年9月23日). 2022年1月10日閲覧。
  25. ^ 【パ・リーグ公示】10月8日 オリックス・村西が登録、日本ハム・今川は抹消”. サンスポ (2021年10月8日). 2022年1月10日閲覧。
  26. ^ 2021年9月29日 【公式戦】 試合結果 (千葉ロッテvsオリックス)”. 日本野球機構. 2022年1月10日閲覧。
  27. ^ オリックス・村西が保留第1号「もう一度話し合いたい」”. サンスポ (2021年12月6日). 2022年1月10日閲覧。
  28. ^ オリックス村西2度目交渉でサイン「納得できた」前回と同額430万円増”. 日刊スポーツ (2021年12月15日). 2021年12月19日閲覧。
  29. ^ 【一覧】パ・リーグ開幕1軍登録選手”. 日刊スポーツ (2022年3月24日). 2023年2月1日閲覧。
  30. ^ オリックス 杉本&村西がコロナ陽性 「特例2022」適用で出場選手登録外れる”. Sponichi Annex (2022年4月28日). 2023年2月1日閲覧。
  31. ^ a b オリックスが来田、村西ら4選手と契約更改 来田「来季はレギュラーを」”. DAZN News (2022年11月25日). 2023年2月1日閲覧。
  32. ^ ロッテ佐々木朗希、巨人戸郷翔征、大城卓三ら登録 ソフトバンク大関友久ら抹消/3日公示”. 日刊スポーツ (2022年8月3日). 2023年2月1日閲覧。
  33. ^ 日本ハム五十幡亮汰が登録、オリックス山岡泰輔ら抹消 中日福留が引退特例登録/23日公示”. 日刊スポーツ (2022年9月23日). 2023年2月1日閲覧。
  34. ^ 2023年度契約更改 オリックス:プロ野球”. サンスポ. 2023年2月1日閲覧。
  35. ^ a b オリ・村西 下手投げに変身 きっかけは中嶋監督の提案 4年目覚醒へ山田久志のように”. スポニチ Sponichi Annex. 2023年5月20日閲覧。
  36. ^ 「決断しなければ今はない」崖っぷちからフォーム改造 2度目の先発に挑むオリックス・村西良太”. BASEBALL KING (2023年4月8日). 2023年11月7日閲覧。
  37. ^ 【オリックス】中嶋監督 怒りの「壁ドン」も…天敵の前に6年越しの12連敗”. 東スポ (2023年4月8日). 2023年11月7日閲覧。
  38. ^ 【9日の公示】ヤクルト ピーターズ投手を抹消”. Sponichi Annex (2023年4月9日). 2023年11月7日閲覧。
  39. ^ 【30日の公示】オリックス・山岡、西武・与座登録 ともにこの日先発”. Sponichi Annex (2023年4月30日). 2023年11月7日閲覧。
  40. ^ 【3日の公示】ソフトバンクが海野、リチャードを抹消”. Sponichi Annex (2023年5月3日). 2023年11月7日閲覧。
  41. ^ 楽天田中将大ら抹消 巨人重信慎之介、日本ハム・ハンソンら登録/13日公示”. 日刊スポーツ (2023年5月13日). 2023年11月7日閲覧。
  42. ^ 巨人浅野翔吾、楽天島内宏明ら登録 巨人増田大輝、DeNA入江大生ら抹消/11日公示”. 日刊スポーツ (2023年8月11日). 2023年11月7日閲覧。
  43. ^ 広島大瀬良大地、栗林良吏、床田寛樹、菊池涼介、坂倉将吾、日本ハム上沢直之ら抹消/2日公示”. 日刊スポーツ (2023年10月2日). 2023年11月7日閲覧。
  44. ^ オリックス竹安大知、ソフトバンク嘉弥真新也ら抹消 楽天辰己涼介ら登録/21日公示”. 日刊スポーツ (2023年5月21日). 2023年11月7日閲覧。
  45. ^ 西武渡部健人、オリックス小木田敦也ら登録 ヤクルト内山壮真、西武呉念庭ら抹消/17日公示”. 日刊スポーツ (2023年8月17日). 2023年11月7日閲覧。
  46. ^ ロッテ・ペルドモ、オリックス曽谷龍平ら抹消 ロッテ東妻勇輔が登録/10日公示”. 日刊スポーツ (2023年10月10日). 2023年11月7日閲覧。
  47. ^ 投げ方変えて別人に…断トツ数値「22.9」 来季ブレーク候補、魔球操る2軍最強右腕”. Full-Count (2023年11月1日). 2023年11月7日閲覧。
  48. ^ 【ファーム情報】ウエスタン全日程終了 ソフトB・リチャードが本塁打&打点の2冠 オリ育成の佐藤最多勝”. Sponichi Annex (2023年10月1日). 2023年11月7日閲覧。
  49. ^ 【オリックス】東晃平と広岡大志が抹消 代わって故障明けの宮城大弥、福田周平と村西良太が登録」『日刊スポーツ』2024年6月27日。2024年10月3日閲覧。
  50. ^ 【オリックス】村西良太の登録を抹消 先頭打者HR&連続四球でわずか1登板にとどまる」『日テレNEWS NNN』2024年7月11日。2024年10月3日閲覧。
  51. ^ 2024年度 オリックス・バファローズ 個人投手成績(ウエスタン・リーグ)”. NPB.jp. 日本野球機構. 2024年10月3日閲覧。
  52. ^ 【オリックス】村西良太、前佑囲斗ら8選手に戦力外通告 支配下組には育成契約を打診か」『スポーツ報知』2024年10月3日。2024年10月3日閲覧。
  53. ^ a b 【オリックス】8選手が戦力外 村西良太「5年も見てもらって…」、宜保翔「ゆっくり考えようかな」」『スポーツ報知』2024年10月4日。2024年10月25日閲覧。
  54. ^ “オリ3位指名の近大・村西、淡路島出身の先輩・近本に続く!「1年目から頑張りたい」”. スポーツニッポン (スポーツニッポン). (2019年10月17日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2019/10/17/kiji/20191017s00001728292000c.html 2020年2月22日閲覧。 
  55. ^ “Max152キロ右腕の近大・村西 リーグ戦初先発し5回1安打1失点で初勝利”. スポーツニッポン (スポーツニッポン). (2019年4月7日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2019/04/07/kiji/20190407s00001089349000c.html 2020年2月22日閲覧。 

関連項目

外部リンク