朱簡
略伝
編集すでに刊行されていた『集古印譜』は版が重なって劣悪になっていたため、朱簡は陳継儒に付き従い、各地の収蔵家のところを訪ね歩いて古印の原鈐を悉く観て研究した。その結実が『印品』として出版されたが、ここではじめて秦漢以前の古璽を見極めたことは特筆される。のちの著書では篆刻理論を論じ識見が高い。
篆刻は、戦国時代から元朝までの体裁を自家薬籠中の物として、技巧的でない情趣溢れる作風であった。後の巴慰祖に影響を与えている。周亮工や董洵は朱簡を絶賛している。
著書
編集参考文献
編集- 沙孟海 『篆刻の歴史と発展』中野遵・北川博邦共訳 東京堂出版、昭和63年、ISBN 4490201443。
- 銭君匋・葉潞淵『篆刻の歴史と鑑賞』高畑常信訳 秋山書店(秋山叢書)、昭和57年。