本能 (曲)
「本能」(ほんのう)は、日本のシンガーソングライター・椎名林檎による楽曲。1999年10月27日に東芝EMI(当時)より発売された4枚目のシングルの表題曲として発表された。
「本能」 | |||||||||||||||||||||||||
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椎名林檎 の シングル | |||||||||||||||||||||||||
初出アルバム『勝訴ストリップ』 | |||||||||||||||||||||||||
B面 |
あおぞら 輪廻ハイライト | ||||||||||||||||||||||||
リリース | |||||||||||||||||||||||||
規格 | シングル | ||||||||||||||||||||||||
録音 | カメスタ、スタジオテラ | ||||||||||||||||||||||||
ジャンル | オルタナティブ・ロック、J-POP | ||||||||||||||||||||||||
時間 | |||||||||||||||||||||||||
レーベル | 東芝EMI/イーストワールド | ||||||||||||||||||||||||
作詞・作曲 | 椎名林檎 | ||||||||||||||||||||||||
プロデュース | 井上宇仁 | ||||||||||||||||||||||||
ゴールドディスク | |||||||||||||||||||||||||
チャート最高順位 | |||||||||||||||||||||||||
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椎名林檎 シングル 年表 | |||||||||||||||||||||||||
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概要
編集前作『ここでキスして。』より約10ヶ月ぶりとなるシングル。出荷ベースでミリオンセラーとなり、2014年12月時点で自身最大のヒット曲である。ナース姿のコスプレでガラスを叩き割るミュージック・ビデオとジャケットも話題となった。
当初は同年4月に発表予定だった『ギブス』を発売する予定だったが、椎名自身「(既にツアー「先攻エクスタシー」で披露されていたこともあり)新鮮味もなくなる」と感じ、ワンクッション置くという意味合いで本楽曲を発売する運びとなったとのこと。また、この楽曲は1999年9月5日に行われたライブイベント「Sweet Love Shower '99」で初披露された。そして、発売延期となった『ギブス』は、2000年1月26日に発売された。
日本テレビ系『FUN』のエンディングテーマ曲として起用されたほか[1]、シングルのカップリング曲は2曲とも「サントリー ザ・カクテルバー」のCMソングとして使用されたため、シングル収録曲全曲にタイアップがついた。
ミュージック・ビデオ
編集ミュージック・ビデオ及びディスクジャケットは、これまでにも椎名の作品のアートワークなどを担当していたアートディレクターの木村豊が製作。病院を舞台にしたセットでナースのコスプレ姿の椎名がガラスを叩き割るといった内容で大きな話題となった。ベッドの上で女性の患者と絡み合うシーンもあるが、本人は深い意味は無いと語っている[注釈 1][2]。
撮影に使われたガラスは映画撮影用の割れやすい特殊ガラスで、わざわざハリウッドから空輸されたために、ガラス代よりも輸送費がかさんでしまったという[注釈 2]。そこまでして用意したにもかかわらず、想定した物より硬かったせいで、実際の撮影では握り拳でガラスを割るシーンで指などに切り傷を負ってしまい、ワセリンで止血しながら撮影を続けた。
ミュージック・ビデオの最後にカメラが引き撮影スタジオ全体が見えるようになって仕掛けがばらされるが、それはその出来事を不満に思った椎名が提案したもの[4]。ガラス割りのシーンの撮影はレコーディングの時から決まっており、白衣や医者、看護師にスパイシーで宇宙っぽいというイメージを持っていたことも重なり、撮影自体はノリノリだったという[5]。
収録曲
編集- 本能
- 日本テレビ系『FUN』エンディングテーマ曲。
- イントロのヴォコーダーで加工されている英語詞は、コンサートなどで披露する際は「幸福論(悦楽編)」同様、拡声器を使用する。ベストアルバム「ニュートンの林檎 〜初めてのベスト盤〜」ではミックスが変更され、加工されていない。
- 2006年に行われた東京事変のライブツアー「“DOMESTIC!”Just can't help it.」で披露した際は、間奏のピアノソロをメンバーの伊澤一葉自身の楽曲から引用した[注釈 3]。
- コンサートでは2008年の「椎名林檎 (生)林檎博'08 〜10周年記念祭〜」以来長らく披露されていなかったが、2018年の「(生)林檎博'18 -不惑の余裕-」の1曲目として約10年ぶりに演奏された。その際楽曲の前半にはRHYMESTERのMummy-Dが登場し、オリジナルのラップを披露した。
- 恋愛の歌のように見えるが、テーマは『脱モラトリアム後に大人が割り切らなくちゃいけないこと』。「人間の本能とは『嫉妬や自己愛や自己顕示欲の繰り返し』」と言う一方で、「この曲を作った時は何にも考えていなかった」[2]。
- あおぞら
- 輪廻ハイライト
詳細
全作詞・作曲: 椎名林檎 全編曲: 亀田誠治。 | ||
# | タイトル | 時間 |
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1. | 「本能」 | |
2. | 「あおぞら」 | |
3. | 「輪廻ハイライト」 | |
合計時間: |
参加メンバー
編集- 本能
- 酸欠ギター:名越"ラムネ"由貴夫 遅刻王
- 悩殺ベース:亀田"ハレンチ"誠治 師匠
- 悪意ピアノ:斎藤"シヴォレー?"有太 元番長
- 男気ドラム:村石"ケンソー"雅行 先輩
- 惨劇シンセサイザー:中山"オケヒット"信彦 副委員長
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 雑誌『WHAT's IN?』1999年11月号 p21
- ^ a b 電脳RAT. UNGA!. (1999年10月25日)
- ^ Quick Japan編集部+松田義人「第二章 椎名林檎大辞典」『前略 椎名林檎様』、太田出版、2001年2月、83-84頁、2014年11月3日閲覧。
- ^ フジテレビ系列の音楽番組「魁!音楽番付〜JET〜」(2009年6月24日放送回)での発言。
- ^ “【2000年1月】本能/椎名林檎 ガラス割りで“歌舞伎町の女王”広く浸透”. スポニチ Sponichi Annex (株式会社スポーツニッポン新聞社). (2012年1月30日) 2022年8月5日閲覧。
- ^ Quick Japan編集部+松田義人「第一章 友人たちの語る「椎名林檎」以前」『前略 椎名林檎様』、太田出版、2001年2月、40-46頁、2014年11月3日閲覧。