望星丸
望星丸(ぼうせいまる[2])は、東海大学海洋学部が、海洋実習および観測に用いる海洋調査研修船である[1]。本項目では、1993年に就航した3代目を取り扱う。
開国博Y150で横浜港に寄港中の本船 | |
基本情報 | |
---|---|
船種 | 海洋調査船 |
船籍 | 日本 |
所有者 | 東海大学 |
運用者 | 東海大学 |
建造所 | 三保造船所 |
母港 | 清水港 |
航行区域 | 遠洋国際 |
船級 | JG(第一種船) |
信号符字 | JGAW |
IMO番号 | 9057989 |
MMSI番号 | 431587000 |
経歴 | |
竣工 | 1993年10月[1] |
現況 | 就航中 |
要目 | |
総トン数 |
1,777 トン 2,174 トン(国際) |
全長 | 87.98 m |
幅 | 12.80 m |
深さ | 8.10 m |
満載喫水 | 4.80 m |
機関方式 | ディーゼル |
主機関 | ヤンマーディーゼル 4サイクル過給器付 2基 |
推進器 | 4翼可変ピッチプロペラ(直径3m) 1基 |
出力 | 5,000 PS |
航海速力 |
16.0ノット(両舷機運転) 14.0ノット(片舷機運転) |
航続距離 | 7,500海里(両舷機運転) |
搭載人員 | 教員・調査員17名、実習・研修学生120名、練習学生20名 |
乗組員 | 33名 |
概要
編集東海大学は海洋調査船として、また東海大学丸(1962年就航)の代船として就航した東海大学丸二世(1968年就航・建学25周年記念事業)、そして望星丸 (初代)(1971年就航・建学30周年記念事業、漁業取締船東光丸 (2代) を購入し再艤装)の代船として就航した望星丸二世(1978年就航)の2隻を運用していたが、これらの後継船として1993年に三保造船所で建造されたのが本船(建学50周年記念事業)である。
船舶安全法施行規則に基づく第一種船であり、旅客船として遠洋国際航海を行う資格を有する。本船は海洋調査船として各種調査研究に従事するほか、海洋実習船として海洋学部の教育活動の場となっており、必修科目である「海洋実習」のほか、各専攻に合わせた「専門航海実習」が本船で開講されており、年間3,500名を超える学生が乗船する。
運航は委託せずに自前で行っており、船員は全て東海大学が雇用した船舶職員である[3]。
設計
編集船体は上部からコンパス甲板、航海船橋甲板、短艇甲板、上甲板、第二甲板、下甲板の5層構造で、8つの水密区画に分割されており、また機関室と主発電機室は分離されている。水密扉は操舵室から遠隔操作が可能で、損傷時復原性を考慮した設計となっている。加えて、冬季北方海域の航海を想定して日本海事協会のID級耐氷構造を有する。
機関構成は2機1軸で、遠洋航海のための巡航能力と、研究調査のための微速航行能力を両立するため、主機および減速機、可変ピッチプロペラの操作により、高速巡航(両舷運転・高速ギア)、経済巡航(片舷運転・高速ギア)、超微速連続航行(片舷運転・低速ギア)の各モードでの運航が可能である。船内居室の快適性の向上と研究機器への影響を避けるため、主機関、減速機、主発電機は弾性支持となっており、船内の騒音・振動および水中放射雑音を低減している。
設備
編集搭載した各種観測機器により、大気、海水、波浪などの基本的な海洋観測、海底音響探査、海洋水産資源調査などを行う。観測機器の運用のため、船尾の作業甲板には各種ウィンチ、Aフレームクレーン、中折れクレーンなどが装備されている。採取した試料の分析のため、船内にはウェットラボ・ドライラボが設置されており、ワークステーションを使用した情報処理まで船上で一貫した作業が可能である。
画像
編集-
東海大学の海洋調査船・研修船望星丸を象の鼻防波堤から 20120716に横浜港で撮影
-
東海大学の海洋調査船・研修船望星丸、大さん橋・くじらの背中から 20120716に横浜港で撮影
-
東海大学の海洋調査船・研修船望星丸の神棚 20120716に横浜港での一般公開にて撮影
脚注
編集- ^ a b “海洋調査研修船 望星丸”. 東海大学 (2011年6月13日). 2011年6月13日閲覧。
- ^ 東海大学学園史資料センター編『東海大学学園史資料センター写真展』パンフレット 11頁 発行日2008年10月28日
- ^ 「望星丸」を支えた2人が引退 / 東海大学新聞
参考文献
編集- キャプテン孫七航海記 本田節子(著) 東海大学出版会 ISBN 978-4486012573