月神(げっしん、つきがみ。英語: lunar deity[1][2])は、を神格化した

ヴェルサイユアルテミス像

概要

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太陽神が権力や支配者と結び付けられるのに対し、月神は寿命や性、庶民と結び付けられる[3]。また、日本神話にツクヨミ保食神を殺し、その死体から穀物が生じた、という神話があるように、月と農耕が結び付けられる場合もあり、類似するハイヌウェレ型神話は他の民族にも見られる[3]

宗教と神話における月

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セレーネーエンデュミオーン
 
ヘカテーマクシミリアン・ピルナー/画、1901年)

太陽が一日周期で軌道を持つのに対し、月は一ヶ月周期の軌道を持っている。そのため、多くの文化で女性の月経周期と暗に関連付けられ、多くの語族では「月」と「月経」という語句が結び付けられている[4]ギリシア神話ポイベーアルテミスセレーネーや、中国神話嫦娥のように、有名な神話の多くは月神を女神としている。

他方、男性の月神としては、メソポタミア神話シンや、北欧神話マーニ日本神話ツクヨミなどが挙げられる。これらの文化は一般に、太陽神を女神としている[注 1]ギリシアエジプトの文明では、月神信仰が一般的に行なわれていた。例えば、テーベで信仰されたイビスコンスはどちらも月神である。エジプト神話のトートもまた月神とされるが、イビスやコンスよりも複雑な特徴を持っている[5]原初の印欧系宗教における月神は、男神であった[6]

ギリシア神話のアルテミスのように、元来は月神としての性質を持ち合わせなかった神で、古代末期にセレーネーと習合されるようになったものもいる。ローマ神話ディアーナルーナもそれに類似する関係性である。男神では、ギリシア神話のヘルメーストートなど、エジプト神話の男神と同一視される場合があった。また、ギリシアでは、スパルタの英雄・メネラーオスにも、月神の性質が見られる。

ヒンドゥー教チャンドラという語句は「月」を意味しており、カルバ・チョート英語版[注 2]や、日食・月食の際など、多くの宗教祭儀において重要な役割を持っていた。

月は中世から近現代に到るまで、Madonna Orienteの崇拝など、ウィッチクラフトにおいても信仰される。

それらの信仰は芸術や文学に顕著に表され、また、占星術や神学にも特徴を残している。

主な世界の月神

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脚注

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注釈

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  1. ^ メソポタミア神話のシャマシュ、北欧神話のソール、日本神話のアマテラスなど。
  2. ^ インド北部で既婚女性が夫の長生きを願って断食を行うヒンドゥー教の儀式。

出典

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  1. ^ lunar deityの意味 - 英和辞典 Weblio辞書
  2. ^ 世界大百科事典,コトバンク
  3. ^ a b 月神(げっしん)とは”. コトバンク. 2017年10月27日閲覧。
  4. ^ Harding, Esther M., 'Woman's Mysteries: Ancient and Modern', London: Rider, 1971, p. 24.
  5. ^ Boylan, Patrick (1922). Thoth, the Hermes of Egypt: a study of some aspects of theological thought in ancient Egypt. Oxford University Press. p. 75 
  6. ^ Dexter, Miriam Robbins. Proto-Indo-European Sun Maidens and Gods of the Moon. Mankind Quarterly 25:1 & 2 (Fall/Winter, 1984), pp. 137–144.

関連項目

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