曲渕ダム
曲渕ダム(まがりぶちダム)は、福岡市早良区、二級河川・室見川水系八丁川に建設された市町村営水道用ダムである[2]。
曲渕ダム | |
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所在地 | 福岡県福岡市早良区大字曲渕[1] |
位置 | |
河川 | 室見川水系八丁川[2] |
ダム湖 | 曲渕水源地 |
ダム諸元 | |
ダム型式 | 重力式コンクリートダム |
堤高 | 45[2] m |
堤頂長 | 308 m |
堤体積 | 160.6 m3 |
流域面積 | 11.4 km2 |
湛水面積 | 19 ha |
総貯水容量 | 2,608,000 m3 |
有効貯水容量 | 2,368,000 m3 |
利用目的 | 上水道 |
事業主体 | 福岡市 |
電気事業者 | - |
発電所名 (認可出力) | - |
施工業者 | ダム事業者直営[2] |
着手年 / 竣工年 | 1916年 / 1923年 |
備考 | 1931年-1934年[1]、1989年-1992年[2]に2度嵩上げ |
概要
編集高さ45mの堤体は粗石混じりコンクリートであり[3]、表面は御影石の布積みである。ダム下流は、「曲渕ダムパーク」として整備・公開されている[2]。
歴史
編集大正期の福岡市において、人口の増加や生活の近代化が進み、公衆衛生の向上、各種工業の勃興や船舶用給水などの産業発展のために、水に対する需要が増し、上水道創設が課題となっていた[3]。そのため、1923年に曲淵ダムが竣工し、当時の福岡市の人口14.3万人のうち、3.5万人へ給水を開始した[4]。竣工当時は神戸・長崎以外では初めて高さ30mを超えた水道専用ダムであり[5]、福岡市最初の水道専用ダム及び福岡市水道創設の水源でもあった[3]。
1931年から1934年までには、拡張工事が行われ、曲渕ダムの有効貯水量はほぼ倍増した。また、その際に行われた漏水防止工事は、全国初のセメントガンによるセメント吹き付け施工であった[1]。
曲渕ダムは1985年に厚生省の「近代水道百選」に選ばれ、2009年に「福岡市有形文化財(建造物)」に指定され[3]、2018年には「土木学会選奨土木遺産」に選ばれた[5]。