曲渕ダム(まがりぶちダム)は、福岡市早良区二級河川室見川水系八丁川に建設された市町村営水道用ダムである[2]

曲渕ダム
所在地 福岡県福岡市早良区大字曲渕[1]
位置
曲渕ダムの位置(日本内)
曲渕ダム
北緯33度29分52.4秒 東経130度18分27.7秒 / 北緯33.497889度 東経130.307694度 / 33.497889; 130.307694
河川 室見川水系八丁川[2]
ダム湖 曲渕水源地
ダム諸元
ダム型式 重力式コンクリートダム
堤高 45[2] m
堤頂長 308 m
堤体積 160.6 m3
流域面積 11.4 km2
湛水面積 19 ha
総貯水容量 2,608,000 m3
有効貯水容量 2,368,000 m3
利用目的 上水道
事業主体 福岡市
電気事業者
発電所名
(認可出力)
施工業者 ダム事業者直営[2]
着手年 / 竣工年 1916年1923年
備考 1931年-1934年[1]、1989年-1992年[2]に2度嵩上げ
テンプレートを表示
天端

概要

編集

高さ45mの堤体は粗石混じりコンクリートであり[3]、表面は御影石の布積みである。ダム下流は、「曲渕ダムパーク」として整備・公開されている[2]

歴史

編集

大正期の福岡市において、人口の増加や生活の近代化が進み、公衆衛生の向上、各種工業の勃興や船舶用給水などの産業発展のために、水に対する需要が増し、上水道創設が課題となっていた[3]。そのため、1923年に曲淵ダムが竣工し、当時の福岡市の人口14.3万人のうち、3.5万人へ給水を開始した[4]。竣工当時は神戸長崎以外では初めて高さ30mを超えた水道専用ダムであり[5]、福岡市最初の水道専用ダム及び福岡市水道創設の水源でもあった[3]

1931年から1934年までには、拡張工事が行われ、曲渕ダムの有効貯水量はほぼ倍増した。また、その際に行われた漏水防止工事は、全国初のセメントガンによるセメント吹き付け施工であった[1]

曲渕ダムは1985年厚生省の「近代水道百選」に選ばれ、2009年に「福岡市有形文化財(建造物)」に指定され[3]2018年には「土木学会選奨土木遺産」に選ばれた[5]

脚注

編集
  1. ^ a b c 文化財情報検索 - 曲渕ダム”. 福岡市の文化財. 2018年11月18日閲覧。
  2. ^ a b c d e f 曲渕ダム(再)”. ダム便覧. 2018年11月18日閲覧。
  3. ^ a b c d 九州の近代土木遺産 - 曲渕ダム”. 公益社団法人土木学会西部支部. 2018年11月18日閲覧。
  4. ^ ダムの書誌あれこれ(11)~福岡都市圏のダム(曲淵・牛頸・猪野・鳴淵)~ - 曲淵ダム”. ダム便覧. 2018年11月18日閲覧。
  5. ^ a b 土木学会選奨土木遺産 - 曲渕ダム”. 土木学会. 2018年11月18日閲覧。

関連項目

編集

外部リンク

編集