星の子チョビン

1974年に放送された日本のテレビアニメ

星の子チョビン』(ほしのこチョビン)は、1974年4月5日から9月27日までTBS系列局で放送されていたテレビアニメである。渡辺企画(渡辺プロダクションのグループ会社)とTBSの共同製作。全26話。放送時間は毎週金曜 19:30 - 20:00 (日本標準時)。

星の子チョビン
アニメ
原作 石森章太郎
監督 りん・たろう(演出)
脚本 雪室俊一、浪江志摩、吉田喜昭金子裕
音楽 萩原哲晶
アニメーション制作 スタジオ・ゼロ
製作 渡辺企画TBS
放送局 TBS
放送期間 1974年4月5日 - 1974年9月27日
話数 全26話
漫画
作者 石森章太郎
出版社 講談社
掲載誌 週刊少女フレンド
発表号 1974年14号 - 1974年27号
漫画
原作・原案など 石森章太郎
作画 吾妻ひでおすがやみつる
出版社 講談社
掲載誌 テレビマガジン
発表号 1974年1月号 - 1974年9月号
テンプレート - ノート
プロジェクト アニメ漫画
ポータル アニメ漫画

概要

石森章太郎の原作により、講談社の『週刊少女フレンド』1974年14号 - 同年27号に掲載された[1]。これまでの石森の作品とは一変、ファンタジー色の強い作品となっている[1]

スタジオ・ゼロが制作した最後のテレビアニメシリーズであり[2]、渡辺プロダクションが初にして唯一、アニメ製作に関わった作品でもある[3]。同プロ所属の藍美代子が主題歌を歌い、天地真理がナレーションを担当している。

渡辺企画側が石森プロにテレビアニメとしての企画を持ち込んだ制作経緯から、漫画版については「原作権を持ったコミカライズ」という性質となっている。

あらすじ

悪党ブルンガによって妖精の星フェアリー・スターが乗っ取られ、その星の王子チョビンは母親と共に脱出する。避難途中に母と生き別れとなったチョビンだが、地球のトンカラ森にたどりつき、少女ルリの家に住むことになる。小さな体のチョビンは森の動物たちと共に、母親を見つけだし、父から託された「星のしずく」をフェアリー・スターに持ち帰り、故郷の平和を取り戻そうと、懸命にブルンガの放つ刺客に立ち向かっていく。

登場人物

チョビンとその家族

チョビン
- 白石冬美
フェアリー・スターの王子。ブルンガによって故郷を追われて地球に逃亡し、天川家に居候することとなる。鞠のような体だが実はで、脱皮して大人となる。左腕には「星のしずく」というアイテムがある。
エクレア王妃
声 - 増山江威子
チョビンの母で、フェアリー・スターの王妃。逃亡中に行方不明になる。

天川家

天川ルリ
声 - 岡本茉利
チョビンと仲良くなった地球の少女。
天川博士
声 - 八木光生
ルリの祖父。元は天文学者だったが、今は隠居生活をしている。

トンカラ森の仲間達

クマンどん
声 - 富田耕生
森のボス格であるクマ。食いしん坊で乱暴者だったが、チョビンと出会ってからは優しくなる。
チロチョン
声 - 松尾佳子
メスのモンシロチョウ。森の仲間の中では一番チョビンと仲が良い。情報収集が多い。
うさタン
声 - 山田康雄
クマンどんの子分であるウサギ
アカベエ
声 - 永井一郎
同じくクマンどんの子分である赤い親ガエル
ケロ
声 - 丸山裕子
アカベエの息子の子ガエル。アカベエの口の中に住む。なお、当初はセリフが無かったため、丸山の声が入るのはサギリが登場した後の第14話からである。
ふくろう
声 - 八奈見乗児
いつも木の枝に止まっているが、衝撃やチョビンの泣き声(物凄い強烈な音)などで枝から落ちて「地震かなァ」という(毎回そのシーンしか無い)。
サギリ
声 - 平井道子
第10話でトンカラ森にやってきたメスのサギ。気取り屋でいつも上品ぶっている。

ブルンガ一味

ブルンガ
声 - 大木民夫
一味の首領にして、宇宙一の大悪党。フェアリー・スターを滅ぼし、チョビンを追って地球に来訪した。そしてトンカラ森の山奥に基地を構え、チョビンの「星のしずく」を奪うべく、様々な悪事を企む。性格は冷酷かつ残忍。
レーダーこうもり
声 - 立壁和也(後のたてかべ和也
ブルンガの部下で、主に情報収集や陣頭指揮を担当する。目にコウモリの羽が生えているのが特徴で、目からはビームを出す。役に立たないとブルンガの右腕で握り潰される。

その他

ナレーター
声 - 天地真理
毎回タイトルクレジット部分で顔写真のみで登場し、優しい言葉で視聴者を本編へと導入する。
最終回では、チョビンとエクレアが地球を離れる時に次のナレーションで番組を締め括った。

『星の子チョビン』のお話はこれでおしまいよ。
さあ、みんなもチョビン君にさよならを言いましょう。
さよなら。
さよなら。
さよなら……。

天地の本編内でのナレーションは、これが最初で最後である。
エンディングでは、天地の名はクレジットされてない。

スタッフ

© 石森プロ・渡辺プロダクション

主題歌

オープニングテーマ「星の子チョビン」
作詞 - 石森章太郎 / 作曲 - 平尾昌晃 / 編曲 - 竜崎孝路 / 歌 - 藍美代子ワーナー・パイオニア
オープニングテーマは、1975年にフィンガー5の玉元妙子がLP『人気テレビ・マンガ主題歌』(日本フォノグラム / フィリップス、FX-8103)でカヴァーし、後に『フィンガー5 コンプリート CD BOX』に収録された。
エンディングテーマ「星のしずくの子守唄」
作詞 - 石森章太郎 / 作曲 - 平尾昌晃 / 編曲 - 竜崎孝路 / 歌 - 藍美代子(ワーナー・パイオニア)
オープニング、エンディングはVAPの『懐かしのテレビまんが主題歌大全集』(VPCG-83210)にフルサイズで収録されている。

放映リスト

放映日 サブタイトル
1 1974年
4月5日
ぼくは王子だぞ!!
2 4月12日 フェアリスターの秘密
3 4月19日 王子はえらいんだ!
4 4月26日 星のしずくがなくなった!
5 5月3日 すてきなプレゼント
6 5月10日 悪魔の木をたおせ!
7 5月17日 まちぶせの丘
8 5月24日 大変なおみやげ
9 5月31日 トンカラ森の王者
10 6月7日 新しい仲間
11 6月14日 空をとんだぞ
12 6月21日 嵐の中の卵
13 6月28日 ママ上の子守歌
14 7月5日 トンカラ森に火がついた!
15 7月12日 あべこべクマんどん
16 7月19日 不思議なカプセル
17 7月26日 とびだした王子
18 8月2日 原始怪獣が出たぞ!
19 8月9日 レーダーこうもりを追え!!
20 8月16日 トンカラ森が大洪水
21 8月23日 ママ上消えないで!
22 8月30日 敵か味方か!? 兄弟ダヌキ
23 9月6日 暑くて寒くて大さわぎ
24 9月13日 見つけたぞ! ブルンガ基地
25 9月20日 星から来た謎の少年
26 9月27日 さよならトンカラ森

放送局

系列は放送当時のものを記載。

放送対象地域 放送局 系列 放送時間 備考
関東広域圏 東京放送 TBS系列 金曜 19:30 - 20:00 製作局
現・TBSテレビ
北海道 北海道放送[4]
青森県 青森テレビ TBS系列
NET系列
岩手県 岩手放送[5] TBS系列 現・IBC岩手放送
宮城県 東北放送[6]
福島県 福島テレビ[6] TBS系列
フジテレビ系列
新潟県 新潟放送[6] TBS系列
山梨県 テレビ山梨
静岡県 静岡放送
中京広域圏 中部日本放送[7] 現・CBCテレビ
近畿広域圏 朝日放送 現・朝日放送テレビ(NET→テレビ朝日系列)
鳥取県島根県 山陰放送
岡山県 山陽放送 現・RSK山陽放送
当時の放送対象地域は岡山県のみ
広島県 中国放送
山口県 テレビ山口 TBS系列
フジテレビ系列
NET系列
高知県 テレビ高知 TBS系列
福岡県 RKB毎日放送
大分県 大分放送
宮崎県 宮崎放送
沖縄県 琉球放送
石川県 北陸放送 月曜 - 金曜 16:55 - 17:25 1976年に放送[8]
秋田県 秋田放送 日本テレビ系列 木曜 17:20 - 17:50[9]
山形県 山形放送 火曜 17:00 - 17:30 1975年に放送[10]
富山県 富山テレビ フジテレビ系列 月曜 - 金曜 16:00 - 16:30 1981年10月2日から11月16日まで放送[11]

映像ソフト

  • 星の子チョビン(VHS 全3巻、1989年11月・12月・1990年2月、大陸書房) - 初の商品化。第1話から第6話までを収録。
  • 星の子チョビン LD-BOX(LD 全7枚組、1994年11月30日、キティ・フィルム) - 初の全話商品化。大陸書房版のソフトではカットされていたメインタイトルコールバックのフィルム、サブタイトル部分のフィルム、サブタイトル前の解説フィルム、未発見だった次回予告編を現存するVTRやネガフィルム等から本放送時に限りなく近い形に再現し商品化をしたソフト。
  • 星の子チョビン 〜ぼくは王子だぞ!!〜(DVD、2003年12月17日、ユニバーサルミュージック、POBE-1024) - テレビアニメ版の総集編。
  • 星の子チョビン 〜さよならトンカラ森〜(DVD、2003年12月17日、ユニバーサルミュージック、POBE-1025) - テレビアニメ版の総集編。
  • 想い出のアニメライブラリー 第5集 星の子チョビン DVD-BOX デジタルリマスター版(2012年9月28日、TCエンタテインメント

コミカライズ版

講談社の子供向け雑誌『テレビマガジン』1974年1月号 - 9月号に、石森章太郎とは別の作家陣によるコミカライズ作品が掲載された。1974年1月号から4月号までは吾妻ひでおが、5月号から9月号まではすがやみつるが執筆を担当した。このうち吾妻の担当した4回分は、『マイ・コラボレーション・ワークス 吾妻ひでお コミカライズ傑作選』(復刊ドットコム、2016年)に再録されている[12]

備考

  • スポンサーの関係で日本テレビの番組『コント55号のなんでそうなるの?』を同時スポンサードネットしていた一部の系列局は、夕方枠での時差スポンサードネット(TBSからの裏送り)や本放送終了後の番組販売扱いでの放送を行っていた。
  • TwellVでも、2012年9月4日から2013年2月26日まで毎週火曜 7:00 - 7:30 に放送されていた(同日にリピート放送あり)。ただし同局での放送においては、オープニング最後の制作クレジット「TBS(筆記体)」が省かれる、サブタイトルが書き直される、次回予告が割愛されるなど、オリジナルとは若干異なる内容となっていた。
  • 1994年に「初の全話商品化」と銘打って発売されたLD-BOX(キティ・フィルム)は、その当時に現存していた「次回予告編」「オープニングフィルム」「解説フィルム」等の素材を可能な限り集め、本放送当時の形に近づけて編集・再現した物で、このLD-BOXが唯一本放送当時の雰囲気を再現できているとされる[誰によって?]。LD-BOX発売以後の再商品化時(総集編DVD単巻、DVD-BOX)と衛星放送などでの再放送では、それらの素材は反映されていない。

脚注

  1. ^ a b 「ヒーローファイル 星の子チョビン」『甦る!石ノ森ヒーローファイル』Gakken〈Gakken Mook〉、2013年9月10日、78頁。ISBN 978-4-05-610166-9 
  2. ^ この時点では、既に事実上鈴木伸一の個人事務所となっていたが、法人としては会社組織(対外的には株式会社と称していたが、登記上は有限会社)のまま存続していた。
  3. ^ 実際は子会社の「渡辺企画」(元々はPYGのメンバーのマネージメントを目的に設立された会社だった)が担当した。
  4. ^ 北海道新聞』(縮刷版) 1974年(昭和49年)4月 - 9月、テレビ欄。
  5. ^ 河北新報』1974年8月2日 - 8月30日付朝刊、テレビ欄。
  6. ^ a b c 福島民報』1974年4月5日 - 9月27日付朝刊、テレビ欄。
  7. ^ 北日本新聞』1974年4月19日付朝刊、テレビ欄。
  8. ^ 『北日本新聞』1976年1月19日 - 1月23日付朝刊、テレビ欄。
  9. ^ 『河北新報』1975年1月1日付朝刊、テレビ欄。
  10. ^ 『河北新報』1975年9月2日 - 9月30日付朝刊、テレビ欄。
  11. ^ 『北日本新聞』1981年10月2日- 11月16日付朝刊、テレビ欄。
  12. ^ 石ノ森章太郎原作のTVドラマなど、吾妻ひでおのコミカライズ集めた作品集 - コミックナタリー”. ナタリー (2015年11月11日). 2018年3月22日閲覧。

外部リンク

TBS系列 金曜 19:30 - 20:00
前番組 番組名 次番組
走れ!ケー100
(1973年4月13日 - 1974年3月29日)
星の子チョビン
(1974年4月5日 - 9月27日)
霊感ヤマカン第六感
(1974年10月4日 - 1975年3月28日)
朝日放送制作