035型潜水艦
035型潜水艦(中国語: 035型潛艇)は、中国人民解放軍海軍の運用する攻撃型潜水艦の艦級。NATOコードネームは明王朝に因んで明型(英: Ming-class)[1][2]。
035型潜水艦 (明型) | |
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基本情報 | |
種別 | 攻撃型潜水艦 |
運用者 | 中国人民解放軍海軍 |
就役期間 | 1971年 - 現在 |
同型艦 | 22隻 |
前級 | 033型(ロメオ型) |
次級 | 039型 (宋型) |
要目 | |
基準排水量 | 1,584トン |
水中排水量 | 2,113トン |
全長 | 76.00 m |
最大幅 | 7.60 m |
吃水 | 5.10 m |
機関方式 | ディーゼル・エレクトリック方式 |
主機 |
・6E390ZC型ディーゼル発電機×2基 ・電動機×2基 |
推進器 | スクリュープロペラ×2軸 |
出力 | 3,500馬力 |
速力 | 浮上時15ノット / 潜没時18ノット |
航続距離 |
330海里 (潜没・4kt巡航時) 8,000海里 (シュノーケル航走・8kt巡航時) |
乗員 | 士官9名+下士官兵46名 |
兵装 |
533mm魚雷発射管×8門 (艦首6門+艦尾2門; 魚雷16本または機雷32個) |
ソ連の633型潜水艦(ロメオ型; 中国国産版は033型)をもとにした発展型であり、1971年から2002年にかけて22隻が就役した。建造が長期間に渡ったため、2回にわたって改設計が行われている[2]。
設計
編集基本的には033型(ロメオ型)の設計にもとづいているが、水中速力向上のため、船体設計に微調整が施されているほか、主機関も強化されている[1]。ロメオ型ではセイルの上部が前方に張り出していたのに対し、本型では下部が張り出しており、外見上の特徴となっている[3]。
最初の2隻は1975年、3隻目は1982年に進水した。その後しばらく建造は途絶えたが、1988年ごろから035A/G型(明改-I型)として再開され、342号艦、352~354号艦、356~363号艦などが建造された[1]。
また、後継となる039型(宋型)の開発難航に伴って[3]、3番めの改良型にあたる035B型(明改-II型)として9隻(305~313号艦)が建造された。これらは艦体を2メートル延長するとともに、フリーフラッド・ホールの再設計などによって水中放射雑音の低減を図ったものであり(水中吸音材も後日装備)、1997年5月より就役を開始した。また、035B型ではDUUX-5(タレス社TSM-2255「フェネロン」)側面アレイ・ソナーを備えているほか、一部はAIP機関も搭載しているという推測もある[1]。
配備
編集初期建造艦3隻のうち1隻は火災で失われている[1]。2003年4月、361号艦が訓練中に事故を起こし、一酸化炭素中毒で乗員70名全員が死亡した。船体は回収され、翌年に現役復帰した[2]。また2005年5月26日にも、本型のうち1隻が火災事故を起こして航行不能となり、曳航されて帰港している[1]。356号艦と357号艦についてはバングラデシュで再就役し2017年3月12日にSheikh Hasina首相が主宰する式典でBNS NabajatraとBNS Joyjatraと名付けられた[4]。
参考文献
編集- ^ a b c d e f Eric Wertheim (2013). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 16th Edition. Naval Institute Press. p. 113. ISBN 978-1591149545
- ^ a b c 「写真特集 今日の中国軍艦」『世界の艦船』第816号、海人社、2015年5月、27頁、NAID 40020406561。
- ^ a b 『中国/台湾海軍ハンドブック 改訂第2版』海人社、2003年、60-61頁。 NCID BA65027607。
- ^ Bangladesh commissions two Type 035 submarines from China