旧戸部家住宅
旧戸部家住宅(きゅうとべけじゅうたく)は、群馬県利根郡みなかみ町湯原にある古民家。1970年(昭和45年)6月17日、国の重要文化財に指定[1][2]。元は利根郡川場村大字立岩にあったが、水上歴史民俗資料館の東側の現在地に移築されている[3]。
旧戸部家住宅 | |
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所在地 | 群馬県利根郡みなかみ町湯原443 |
位置 | 北緯36度46分16.1秒 東経138度58分6.6秒 / 北緯36.771139度 東経138.968500度座標: 北緯36度46分16.1秒 東経138度58分6.6秒 / 北緯36.771139度 東経138.968500度 |
旧所在地 | 群馬県利根郡川場村大字立岩 |
類型 | 農家 |
形式・構造 | 平屋建、寄棟造、茅葺 |
延床面積 | 132.029平方メートル |
建築年 | 18世紀初期 |
文化財 | 国の重要文化財 |
概要
編集戸部家は群馬県利根郡川場村大字立岩で代々農家を営む家系で、宝暦3年(1753年)の大火を免れたと伝わる[1][3]。
構造
編集東ほぼ半分を「ドヂ」(土間)とし、東端1間半を南から「フロバ」(南北1間)、「ウマヤ」(南北1間半)2室とする。フロバ西側、南面に大戸が設けられ、片引き戸となっている。
床上は東側(東西16尺)の南を「チャノマ」(南北3間)、北の東半分を「ナンド」(東西8尺南北1間)、西半分を「ネドコ」(東西8尺南北1間)とする。「チャノマ」中央は囲炉裏が設けられる。「ネドコ」は寝室で、三方を土壁として南側も袖壁付き片引き戸という閉鎖的な造りになっている[4]。現在「チャノマ」東にも板の間が張り出して囲炉裏を設けているが、これは建造当初はなかったものとみられる[3]。
「チャノマ」西にも東西2間半南北7.4尺の土間があり「トボ」と称して南に引戸を設ける。「トボ」北は東西2間南北2間半の「オキノデエ」で、床を備え、竿縁天井(床差し)となっている。「オキノデエ」西半間は土庇で、「オキノデエ」との境界2間は両脇の袖壁に板戸(雨戸)と障子をそれぞれ1枚ずつ引き込む、古い様式になっている[3]。「オキノデエ」は隠居屋や客間として用いられた部屋で、「トボ」はその玄関として機能する[3]。
北面・東面には開口部がない。
棟は芝棟(クレグシ)とする。
脚注
編集参考文献
編集- 群馬県教育委員会 編『群馬県の民家』群馬県教育委員会、1971年3月25日。
- 群馬県文化財研究会 編『上州の重要民家をたずねる(北毛編)』あさを社、2008年1月31日、132-134頁。ISBN 978-4-87024-460-3。
- 財団法人文化財建造物保存技術協会 編『重要文化財戸部家住宅保存修理報告書』水上町教育委員会、1974年9月。
- 村田, 敬一『群馬の古建築ー寺社建築・民家・近代化遺産・その他ー』みやま文庫、2002年7月10日、110-112頁。