沓澤 亮治(くつざわ りょうじ、1967年昭和42年〉7月29日 - )は、日本政治活動家。資格は獣医師右翼団体「しきしま会」の代表として活動し、フジテレビ抗議デモを筆頭に数々の政治デモを行う。2024年時点では保守政党「日本改革党」の代表である。主にくつざわ亮治の名義を用いる[1]

沓澤 亮治
くつざわ りょうじ
2022年、北千住駅にて
生年月日 (1967-07-29) 1967年7月29日(57歳)
出生地 日本の旗 日本 福島県
出身校 麻布大学獣医学部獣医学科
前職 豊島区議会議員
所属政党 (しきしま会→)
NHKから国民を守る党→)
(テレビ改革党→)
日本改革党

当選回数 1回
在任期間 2019年 - 2022年6月15日
テンプレートを表示

来歴

編集

福島県出身[2]福島県立磐城高等学校[3]麻布大学獣医学部獣医学科卒業。獣医師[1]

2010年から、インターネット上に動画を投稿する。ボウズPを名乗り、政治ユーチューバーとして活躍する[要出典]。初期のYoutube動画では、朝鮮人を痛烈に批判する。

2019年に豊島区議会選挙に「NHKから国民を守る党」から出馬して当選し[4][5]、2019年から2022年まで豊島区議会に所属。豊島区議会選挙の投開票日の8日後に、NHKから国民を守る党から除名が明らかにされ、区議会の一人会派「テレビ改革党」代表を経て[4][5]、2021年から「日本改革党」代表を務める[6]

2021年10月、肺癌で右肺切除手術を行なった。

2022年6月15日に豊島区議会議員を辞職し、第26回参議院選挙東京都選挙区から立候補したが、同年7月10日の開票の結果、得票46641票34人中15位で落選した[7]。以後はインターネット上での言論活動のみを行なっている。

政策・主張

編集

2022年の参院選立候補にあたり、以下のような主張を行っている[1][2][8][9]

外交

編集

憲法

編集

財政

編集

行政

編集

ジェンダー

編集

活動

編集

議会

編集
  • 2019年9月 外国人生活保護反対
  • 2019年9月 業者(NHK)の約束無しの夜間訪問を規制する条例制定についての請願
  • 2019年11月 NHK集金人による被害
  • 2020年2月 NHK犯罪、逮捕者、区のNHK受信契約状況
  • 2020年6月 外国人出産育児一時金反対
  • 2020年9月 外国人生活保護反対
  • 2020年11月 NHK集金人の深夜訪問禁止を求める
  • 2021年2月 外国人国民健康保険滞納等
  • 2021年3月 男女共同参画を批判[10]
  • 2021年6月 日本共産党違法タスキを指摘
  • 2021年9月 外国人生活保護反対

(この期間、肺癌手術,抗癌剤治療)

  • 2022年6月 外国人生活保護、外国人出産育児一時金、外国人国保滞納、外国人留学生への超優遇に対し冷遇されている日本人学生へ区独自の奨学金制度を[11]

日本共産党への批判

編集

2021年6月、豊島区議会一般質問で、くつざわは「選挙を健全で公正に」と題して、日本共産党の議員が選挙期間外に名前入りタスキを使用する選挙違反を行なったと批判した[12][13]

このとき、くつざわは「共産党がもし権力を握ったら、あなたから全てを奪い、あなたを奴隷に落とす、逆らえば殺される。」「共産党は危険だ、滅ぼすべきだ」などと発言した[14]。この発言について、6名の議員が懲罰特別委員会の設置を求めた[注 1]

2021年7月に第一回懲罰特別委員会[15]、同年9月に第二回懲罰特別委員会[16]が開催された。その結果、くつざわへの懲罰は、採決で否決された。

NHKスクランブルデモ

編集

2021年5月と同年6月、いずれも池袋において「NHKネット徴収ゆるさないデモ」を主催した[17][18]。また、2022年3月には池袋で、同年5月と10月には渋谷で、「NHKスクランブル放送要求デモ」を主催した[19][20][21][22]

事件・発言

編集

薬事法違反

編集

2011年11月、インターネット上の闇サイト注射器を無許可販売したとして、警視庁サイバー犯罪対策課薬事法違反の容疑で逮捕された[23]。懲役2年執行猶予3年の判決となった。農林水産省から獣医師法に基づき2年間の業務停止処分を受ける[24]

この件についてくつざわは、2022年7月参院選の政見放送で「旧知の顧客であるブリーダーに、自家で使用する目的で注射器を譲ったところ薬事法違反で逮捕されました。処方であると主張しましたが、聞き入れられず、懲役2年執行猶予3年の有罪判決を受けました」と言及した[9]

性被害に対する差別的発言

編集

2019年12月、伊藤詩織性暴力被害の訴訟で勝訴したことを受け[注 2][注 3]、当時豊島区議会議員であったくつざわは「女性が社会的・経済的に攻撃できる判例が出た。恋をして結婚したい男女にとって非常に不利な判決」「少子化が加速する」などとTwitterに投稿した[25][5]。また、訴訟から男性を守るため「性交承諾書」を持つ必要があるとして、フォーマットを公開した[25]。この投稿に対して「女性差別だ」などの苦情や意見が豊島区役所に寄せられた[25][4]。苦情を受けて、区議会に「性暴力の根絶を目指す決議案」が出されたが、賛成少数で否決された[4][26]

その後、性暴力の被害者の区民の女性が署名活動を行い、区議会に請願が提出された[4][5]。この請願は、くつざわが差別発言やヘイトスピーチを繰り返しているとして、区議会に性暴力や差別発言に反対する意志を示し、議会に対策指針を作ることなどを求める内容だった[5][27]。くつざわの問題視されたツイートには、「中共肺炎の検査場所が伏せられている理由は在日敵国人が検査妨害するから」「今日の埼玉県西川口市の画像が寄せられました。中国共産党の『日本人からマスクを横取りし中共ウィルス感染者を増加させ、自国の被害を相対的に小さく見せる作戦』の買い占め部隊と思われ。並んでる人たちに、どっかから日当が出てるかどうか聞きたい」などがあった[5]。この豊島区議会に提出された請願について[注 4]、くつざわは「(請願者の)氏名、住所は把握している」などとTwitterに投稿した[5][27][注 5]。請願者は「身の危険を感じた。正式な形で声を上げた区民への抑圧だ」と指摘し、豊島区議会の各会派は「脅迫に近い発言で大問題」と批判した[5][27]。請願を受けて、区議会で「性暴力の根絶を目指す決議案」と「性犯罪に関する刑法規定の見直しを求める意見書案」が議員提出され、賛成多数で可決された[5][28][27]

著書

編集
  • 『日本は超個体である ―世界中で、なぜ日本の先人だけが特攻したのか。出来たのか。国を守るためには、今の日本人も特攻するのだろうか。―』夢玄舎、2022年9月15日。ASIN B0BFJLC1D3 (自費出版)
  • 『河野太郎に訴えられました』ライティング、2024年10月3日。ISBN 978-4434347405 

脚注

編集

注釈

編集
  1. ^ 儀武さとる(共産)、清水みちこ(共産)、渡辺くみ子(共産)、小林ひろみ(共産)、古堺としひと(立憲)、川瀬さなえ(立憲)の6名。
  2. ^ この訴訟については、2022年7月8日に最高裁で約332万円の賠償が確定している(詳細は伊藤詩織#山口敬之による性的暴行事件)。
  3. ^ 2022年1月25日、東京高裁(中山孝雄裁判長)は「山口が同意なく性行為に及んだ」と認め、賠償金330万に治療関係費の約2万円を加えた約332万円の支払いを山口に命じた。一方、伊藤が著書などで「(山口が)デートレイプドラッグを使った」とした点は真実と認められず、伊藤に55万円の賠償を命じた。山口、伊藤の双方がこの二審・東京高裁の判決を不服として最高裁に上告した。2022年7月7日、最高裁判所は双方の上告を棄却し、高裁判決が確定した。
  4. ^ 議員が差別的発言やヘイトスピーチをした場合に対応することを求めた請願。
  5. ^ 豊島区議会への請願は、請願者の氏名、住所、請願内容が、全ての議員に書面で配布される。くつざわは Twitterで、請願者の氏名、住所をマスキングした請願書をツイートした。請願者以外の、第三者からの返信に対し、その第三者へ次のように返信した。「ありがとうございます。当人の氏名、住所は把握しております。ツイッターでは消去した書類を掲載いたしました。個人情報には配慮させていただきました。」(原文のまま)

出典

編集
  1. ^ a b c くつざわ亮治(クツザワリョウジ)”. 選挙ドットコム. 政治家情報. 2022年7月9日閲覧。
  2. ^ a b 沓沢亮治”. 読売新聞オンライン. 参議院選挙・開票結果2022 東京選挙区. 2022年7月9日閲覧。
  3. ^ NHK放送センターで収録した第26回参議院議員通常選挙政見放送[要文献特定詳細情報]で本人が公表した。
  4. ^ a b c d e 性暴力被害者が署名活動「豊島区議会よ、性被害に反対意思表明と対策指針を」”. 東京新聞 (2020年6月11日). 2024年3月7日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i ヘイト対応に反対の区議、請願者の「氏名、住所を把握」とツイート 議会が問題視”. 毎日新聞 (2020年7月17日). 2024年3月7日閲覧。
  6. ^ 沓澤亮治. “プロフィール”. Twitter. 2022年8月30日閲覧。
  7. ^ 参院選2022 東京の候補者一覧・開票結果”. 朝日新聞. 2022年7月15日閲覧。
  8. ^ 沓澤亮治 [@mk00350] (2022年5月9日). "参院選公約(予定)". X(旧Twitter)より2022年7月9日閲覧
  9. ^ a b 沓澤亮治 (2022年7月4日). “くつざわ亮治 日本改革党 政見放送 第26回参院選東京選挙区立候補 20220704放送”. YouTube. 2022年7月27日閲覧。
  10. ^ 沓澤亮治 (2021年3月18日). “男女平等のここがおかしい・男女共同参画の裏の悪意(豊島区予算特別委員会20210317にて発言”. YouTube. 2022年7月27日閲覧。
  11. ^ 沓澤亮治 (2022年6月15日). “外国人生活保護反対・留学生超優遇反対・外国人の国保使用に反対20220615豊島区議会”. YouTube. 2022年7月27日閲覧。
  12. ^ 沓澤亮治 (2021年6月23日). “共産党の選挙違反を批判したら共産議員が休憩を動議し、また豊島区議会を何時間も止めようとしたが反対多数で却下20210623”. YouTube. 2022年7月24日閲覧。
  13. ^ 令和3年第2回定例会(第8号 6月23日)No.13 くつざわ亮治の発言”. 豊島区議会/会議録検索システム. 2022年7月25日閲覧。
  14. ^ 中村真暁 (2021年7月15日). “沓沢・豊島区議「共産党は危険」 議会が懲罰特別委設置”. 東京新聞. https://www.tokyo-np.co.jp/article/116798 2022年7月9日閲覧。 
  15. ^ 沓澤亮治 (2021年7月21日). “豊島区議会47年ぶり懲罰委員会で猛反発&発議者の共産と立憲に委員からきっつい質疑20210721”. YouTube. 2022年7月24日閲覧。
  16. ^ 沓澤亮治 (2021年9月2日). “共産と立憲をボコボコにしました「豊島区議会くつざわ懲罰特別委員会質疑」再生トラブルがあったため再アップ 20210902”. YouTube. 2022年7月24日閲覧。
  17. ^ 沓澤亮治 (2021年5月5日). “NHKネット徴収許さない・フジテレビ放送免許を剥奪しろデモ20210504開催in池袋(申し訳ありませんが5/5の通常動画はお休みします)”. YouTube. 2022年7月27日閲覧。
  18. ^ 沓澤亮治 (2021年6月21日). “アンチNHK・フジテレビデモ in 池袋 第2回 2021年6月20日 テレビ取材一切無し!”. YouTube. 2022年7月27日閲覧。
  19. ^ 沓澤亮治 (2022年3月28日). “NHKスクランブルデモ(池袋)ショートバージョン 2022年3月27日開催”. YouTube. 2022年7月26日閲覧。
  20. ^ 沓澤亮治 (2022年5月5日). “NHKスクランブル化要求デモ in 渋谷 20220504”. YouTube. 2022年7月27日閲覧。
  21. ^ 沓澤亮治 (2022年10月3日). “NHKスクランブルデモ20221002渋谷 微アップ全員ー全景ー終了挨拶”. YouTube. 2022年10月8日閲覧。
  22. ^ 沓澤亮治 (2022年10月5日). “NHKスクランブルデモin渋谷20221002(Anti NHK demonstration in SHIBUYA 20221002)”. YouTube. 2022年10月8日閲覧。
  23. ^ “無許可で注射器販売した疑い 闇サイトで、男2人逮捕”. 日本経済新聞. (2011年11月19日). https://www.nikkei.com/article/DGXNZO36364390Z01C11A1CC0000/ 2022年7月9日閲覧。 
  24. ^ 獣医師法第8条第2項の規定に基づく「獣医師の業務停止処分」について”. 農林水産省. 2023年5月8日閲覧。
  25. ^ a b c 伊藤詩織氏の勝訴受け、豊島区議「少子化が加速」 ネットで批判高まる”. Yahoo!ニュース オリジナル THE PAGE (2019年12月30日). 2024年3月7日閲覧。
  26. ^ 性暴力根絶決議案”. しんぶん赤旗 (2020年3月18日). 2024年3月7日閲覧。
  27. ^ a b c d 請願者の住所「把握」、豊島区議が圧力的投稿 提出者「身の危険感じた」”. 東京新聞 (2020年7月10日). 2024年3月7日閲覧。
  28. ^ 性暴力根絶へ決議案可決 豊島区議会 法規、施策推進も明記”. 東京新聞 (2020年6月17日). 2024年3月7日閲覧。

外部リンク

編集