日本テレビホールディングス

日本の東京都港区の認定放送持株会社
日本テレビグループから転送)

日本テレビホールディングス株式会社(にほんテレビホールディングス、: Nippon Television Holdings, Inc.)は、東京都港区東新橋汐留)に本社を置く、日本認定放送持株会社2012年10月1日に(旧)日本テレビ放送網株式会社が商号変更・会社分割を行って改組した。東京証券取引所プライム市場上場企業。

日本テレビホールディングス株式会社
Nippon Television Holdings, Inc.
種類 株式会社
機関設計 監査役会設置会社[1]
市場情報
東証プライム 9404
1959年9月15日上場
略称 日テレホールディングス、日本テレビHD、日テレHD、NTVHD
本社所在地 日本の旗 日本
105-7444
東京都港区東新橋一丁目6番1号
設立 1952年昭和27年)10月28日
日本テレビ放送網株式会社
(開局:1953年(昭和28年)8月28日
業種 情報・通信業
法人番号 1010401051458 ウィキデータを編集
事業内容 株式等の所有を通じて企業グループの統括・運営等を行う認定放送持株会社
代表者 山口寿一代表取締役取締役会議長)[2]
杉山美邦(代表取締役会長執行役員
石澤顕(代表取締役社長執行役員)
資本金 186億円[2]
発行済株式総数 2億6382万2080株
(2023年3月31日現在)[3]
売上高 連結:4139億79百万円
(2023年3月31日現在)[3]
経常利益 連結:517億75百万円
(2023年3月31日現在)[3]
純利益 連結:340億81百万円
(2023年3月31日現在)[3]
純資産 連結:8435億85百万円
(2023年3月31日現在)[3]
総資産 連結:1兆355億1百万円
(2023年3月31日現在)[3]
従業員数 連結:5,101人
(2023年3月31日現在)[3]
決算期 3月31日
会計監査人 有限責任監査法人トーマツ[4]
主要株主 (株)読売新聞グループ本社 14.4%
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)9.4%
讀賣テレビ放送(株) 6.5%
(株)読売新聞東京本社 6.1%
学校法人帝京大学 3.6%
株式会社日本カストディ銀行(信託口)3.5%
NTTドコモ 2.9%
(2022年3月31日現在)[3]
主要子会社 日本テレビ放送網(株) 100%
(株)BS日本 100%
(株)CS日本 100%
外部リンク www.ntvhd.co.jp ウィキデータを編集
特記事項:2012年10月1日、旧商号・日本テレビ放送網株式会社から商号変更。
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持株会社化の経緯

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認定放送持株会社制度については、民放テレビキー局の中では既にフジテレビフジ・メディア・ホールディングス)、TBSテレビTBSホールディングス)、テレビ東京テレビ東京ホールディングス)が移行に踏み切ったものの、日本テレビとテレビ朝日はこれまで移行に踏み切っていなかった[注釈 1]。中でも日本テレビは2008年3月に行われた定例会見で、当時の社長久保伸太郎が「現時点で必要ない」と最も消極的な姿勢を表明していた。

しかしながら、BSデジタル放送のチャンネル増加などに代表される多チャンネル化、インターネットの台頭によるソーシャルメディアなどの隆盛と産業構造の変化、生産年齢人口の減少と国内需要の変化、テレビ広告市場の縮小・低迷などから、メディア・コンテンツ業界においての統廃合や新たな可能性の模索、経営難に対する備えを迫られたと判断、一体的な経営を行うために持株会社の設立を行うこととなった。また、翌2013年が日本テレビの開局60周年にあたるため、持株会社に移行することで次の60年に向けた新たなスタートを切るという狙いもある。

具体的には、グループの中核会社であり地上波放送を手掛ける日本テレビ放送網(日本テレビ)、BS放送を手掛けるBS日本(BS日テレ)、CS放送を手掛けるCS日本の3社を中心に据え、これまで番組の製作や供給で連携しつつもそれぞれ独立した経営を行ってきた手法を転換し、持株会社の元で3波一体経営を行い、コンテンツの価値を高めることを主眼としている。これと同時に、日本テレビ傘下のコンテンツ制作・流通機能を有する子会社6社も、持株会社の直接の子会社にすることで、グループ内での連携強化を図る[5]

なお、放送持株会社になることで地方の系列局を傘下に収めることが可能となるが、社長の大久保好男は発表会見の中で「検討課題になっていない」と系列局を傘下に収めることについては否定している[6]

沿革

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  • 1951年(昭和26年)
    • 10月2日 - テレビ放送免許申請。
  • 1952年(昭和27年)
    • 7月31日 - 日本初のテレビ放送予備免許取得。
    • 10月28日 - 日本テレビ放送網株式会社として会社設立。
  • 1953年(昭和28年)
    • 8月27日 - テレビ放送本免許獲得。
    • 8月28日 -民放初のテレビ局(地上アナログ)として本放送を開始。開局記念日。
  • 1957年(昭和32年)
    • 4月28日 - カラーテレビ放送本免許申請。
    • 12月27日 - カラーテレビ放送実験局本免許取得。
    • 12月28日 - カラーテレビ放送実験局開局。
  • 1960年(昭和35年)
    • 9月10日 - カラーテレビ本放送開始。
  • 2000年(平成12年)
    • 12月1日 - 午前11時、BS日テレ放送開始。
  • 2003年(平成15年)
    • 12月1日 - 午前11時、地上デジタル放送開始。
  • 2011年(平成23年)
    • 7月24日 - 正午、地上アナログ放送終了。
  • 2012年(平成24年)
    • 4月26日 - 日本テレビ放送網株式会社の事業部門を分割・承継する受け皿会社として、日本テレビ分割準備株式会社を設立[7]
    • 6月18日 - 株式会社シーエス日本の定時株主総会で持株会社への移行の承認を得る。
    • 6月28日 - 株式会社BS日本の定時株主総会で持株会社への移行の承認を得る。
    • 6月28日 - 日本テレビ放送網株式会社の定時株主総会で持株会社への移行の承認を得る。
    • 9月18日 - 総務大臣による放送持株会社設立の認定を受ける。
    • 9月30日 - この日を発生日として株式会社日テレ・グループ・ホールディングスに対し現物配当を実施、同社傘下子会社を直接の子会社にする。
    • 10月1日 - 日本テレビ放送網株式会社の商号を日本テレビホールディングス株式会社に変更。同時に、日本テレビ分割準備株式会社が地上波テレビジョン放送免許を含む事業部門を承継し、商号を日本テレビ放送網株式会社に変更。また株式会社BS日本と株式会社シーエス日本を株式交換によって完全子会社化する。

資本構成

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「日本テレビホールディングス」および「日本テレビ放送網(2012年9月30日以前)」の資本構成。

企業・団体は当時の名称。出典:[3][8][9][10][11][12]

2019年3月31日

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発行済株式総数 株主数
263,822,080株 23,843
株主 株式数 議決権
読売新聞グループ本社 37,649,480株 14.45%
讀賣テレビ放送 17,133,160株 6.57%
読売新聞東京本社 15,939,700株 6.11%
日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口) 11,105,300株 4.26%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 10,384,700株 3.98%
学校法人帝京大学 9,553,920株 3.66%
NTTドコモ 7,779,000株 2.98%
リクルートホールディングス 6,454,600株 2.47%
よみうりランド 5,236,000株 2.00%
中京テレビ放送 5,229,680株 2.00%

過去の資本構成

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組織

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組織図

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組織図を参照。

子会社・関連会社

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直接子会社

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日本テレビ放送網子会社

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関連会社

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出資会社

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財団法人

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グループ外企業への出資状況並びに関係性の高い企業一覧

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上場会社

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非上場会社

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系列放送局

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出資比率はいずれも2021年3月31日時点[17]

系列外放送局

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テレビ朝日系列
フジテレビ系列
独立局

その他

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なお類似した社名である「日本テレビジョン」(後に「株式会社ティー・シー・ジェー(Television Corporation of Japan Co.,Ltd.)」という広告代理店、アニメーション部門はその後分社化され現在のエイケン)、並びにアニメ映画を専門に制作していた日本テレビ動画(法人格消滅)とは無関係である。

業績推移

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連結業績推移(単位=百万円)
会計年度 売上高 営業利益 経常利益 純利益
2003年度 328,374 35,937 36,800 19,359
2004年度 357,614 34,325 35,591 16,847
2005年度 346,642 28,551 30,014 13,700
2006年度 343,651 30,344 34,142 18,331
2007年度 342,188 23,076 26,705 10,625
2008年度 324,563 12,214 16,225 5,622
2009年度 296,933 23,562 27,184 16,595
2010年度 297,894 31,670 38,702 21,048
2011年度 305,460 32,249 37,902 22,729
2012年度 326,422 35,429 42,184 25,283
2013年度 341,720 40,089 47,845 27,827
2014年度 362,497 42,382 48,696 30,467
2015年度 414,780 53,178 57,791 36,883
2016年度 416,704 52,526 58,130 40,786
2017年度 423,663 50,964 61,239 37,416
2018年度 424,945 49,749 57,398 38,739
2019年度 426,599 43,111 49,206 30,555
2020年度 391,335 34,526 42,944 24,042
2021年度 406,395 58,682 64,838 47,431
単体業績推移(単位=百万円)
会計年度 売上高 営業利益 経常利益 純利益
2003年度 290,344 27,730 29,023 16,103
2004年度 297,079 23,913 25,370 12,536
2005年度 287,829 18,450 20,146 8,001
2006年度 288,636 20,898 23,863 12,726
2007年度 291,223 16,172 18,516 6,437
2008年度 277,759 8,389 11,749 3,245
2009年度 261,060 22,210 25,116 14,443
2010年度 258,058 27,137 32,542 16,467
2011年度 264,820 27,029 29,700 17,665
2012年度 273,930 28,805 32,567 17,873
2013年度 282,973 29,090 31,818 16,983
2014年度 290,460 38,049 39,658 24,622
2015年度 307,077 45,833 53,513 30,116
2016年度 310,969 44,282 47,066 33,159
2017年度 311,211 42,147 46,196 26,960
2018年度 311,051 41,236 46,639 32,679
2019年度 307,271 37,340 41,853 28,214
2020年度 286,314 32,922 36,429 43,718
2021年度 300,729 49,725 52,779 41,661

不祥事

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2023年10月3日、日本テレビホールディングスは2021年に開催した株主総会において、取締役の総数を12人から9人に変更した結果、それ以降において、日本テレビの系列局5社(テレビ岩手宮城テレビ讀賣テレビ広島テレビテレビ大分)との間で、放送局の「支配」を原則として禁じる「マスメディア集中排除原則」に抵触していたことが総務省からの指摘で判明し、該当する抵触状態を同日までに解消したことを発表した[18]。その後、総務省と各地の総合通信局は日本テレビホールディングス並びにテレビ大分を除く系列局4社に対して行政指導を行った[19][20]

脚注

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注釈

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  1. ^ テレビ東京ホールディングスを除き、抜殻方式で持株会社化された。
  2. ^ a b c d e 中間持株会社の旧日テレ・グループ・ホールディングスとその子会社4社。放送持株会社への移行並びに4社の直接子会社化完了に合わせて、日テレ・グループ・ホールディングスの事業目的・商号を変更。
  3. ^ 旧社名は読売映像。2022年3月、アックスオンに全株を譲渡し同社の完全子会社になる。
  4. ^ 2022年4月、「日テレITプロデュース」が「フォアキャスト・コミュニケーションズ」を吸収合併して商号変更する。
  5. ^ 全国各地にある「アンパンマンこどもミュージアム」の運営会社。
  6. ^ 立川GREEN SPRINGS内にある「PLAY! MUSEUM&PARK」の運営会社。
  7. ^ 日本テレビ系メイン・テレビ朝日系のクロスネット局。
  8. ^ 日本テレビ系・フジテレビ系のクロスネット局。NNS・FNS双方加盟。
  9. ^ フジテレビ系メイン(FNS単独加盟)で、日本テレビ系(NNS非加盟)・テレビ朝日系とのトリプルネット局。

出典

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  1. ^ 組織図 - 日本テレビホールディングス株式会社 2021年12月1日
  2. ^ a b 会社概要”. 日本テレビホールディングス株式会社. 2016年1月13日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i 第90期(2022年4月1日 - 2023年3月31日)有価証券報告書” (PDF). 株式会社日本テレビホールディングス (2023年6月30日). 2024年1月20日閲覧。
  4. ^ コーポレートガバナンス報告書 2021年1月7日閲覧
  5. ^ 日本テレビ放送網株式会社、株式会社BS日本及び株式会社シーエス日本などの認定放送持株会社への移行(会社分割、簡易株式交換及び商号変更)による経営統合に関する基本合意書の締結並びに日本テレビ放送網株式会社の子会社(分割準備会社)の設立についてのお知らせ (PDF) - 日本テレビ放送網株式会社等プレスリリース、2012年3月29日閲覧。
  6. ^ 日テレが持株会社化へ BS・CS局と経営統合 - 日本経済新聞、2012年3月30日
  7. ^ 日本テレビ放送網株式会社、株式会社BS日本及び株式会社シーエス日本の 認定放送持株会社体制への移行に関する統合契約、吸収分割契約及び株式交換契約の締結 についてのお知らせ
  8. ^ 日本民間放送連盟『日本放送年鑑'73』千秋社、多田屋、1974年1月10日、160頁。 
  9. ^ 日本民間放送連盟『日本放送年鑑'74』千秋社、多田屋、1974年2月20日、153頁。 
  10. ^ 日本民間放送連盟『日本放送年鑑'78』洋文社、1978年12月、153頁。 
  11. ^ 日本民間放送連盟『日本民間放送年鑑'92』コーケン出版、1992年11月、224頁。 
  12. ^ 日本民間放送連盟『日本民間放送年鑑2003』コーケン出版、2003年11月、231-232頁。 
  13. ^ 日本テレビ (2023年4月21日). “la belle vie 株式会社の株式取得に関するお知らせ”. PR TIMES. 2023年5月23日閲覧。
  14. ^ 横山泰明 (2023年5月22日). “日テレ傘下の「GILT」「GLADD」のラベルヴィ、新経営体制に”. WWDJAPAN. 2023年5月23日閲覧。
  15. ^ 日テレ、アンパンマン施設運営会社を子会社に、2017年3月22日、日本経済新聞
  16. ^ 日本テレビのVTuber新会社「news every.」との連動企画、VTuberイベントの開催など4つの新プロジェクトを発表!”. 株式会社ClaN Entertainmentのプレスリリース. PR TIMES (2022年5月9日). 2022年5月10日閲覧。
  17. ^ 総務省電波利用ホームページ 地上系放送事業者
  18. ^ 「マスメディア集中排除原則」抵触の解消について”. 日本テレビホールディングス株式会社 (2023年10月3日). 2023年10月4日閲覧。
  19. ^ 日テレHDに行政指導 役員兼務の「マス排」抵触―総務省”. 時事通信 (2023年10月13日). 2023年10月14日閲覧。
  20. ^ 総務省、日テレHDを行政指導 集中排除原則に抵触”. 日本経済新聞 (2023年10月13日). 2023年10月14日閲覧。

外部リンク

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