數原顕子

日本の女子ソフトボール選手

數原 顕子(すはら あきこ、1994年3月20日 - )は、兵庫県多可郡多可町出身の女子ソフトボール選手(外野手)。2019年日本リーグ最高殊勲選手(MVP)。

數原 顕子
Akiko Suhara
引退
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 兵庫県多可郡多可町
生年月日 (1994-03-20) 1994年3月20日(30歳)
身長・体重 170cm
73kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 外野手
選手経歴
国際大会
代表チーム  日本

経歴

編集

兄の影響で多可町立八千代北小学校4年生の時に軟式野球を始める。多可町立八千代中学校に進学後はソフトボールに転向[1]

夙川学院高等学校甲賀健康医療専門学校を経て、2014年に日本リーグ1部のシオノギ製薬[注 1]に入団。2シーズン目の2015年は2部リーグで戦うことになったが、打率.472・本塁打5・打点11の好成績を残して2部リーグのMVPを獲得。チームも1シーズンで1部リーグ復帰を果たした。

2017年には8本塁打を放ち、ホンダリヴェルタ森山遥菜と本塁打王のタイトルを分け合った[1]

2018年11月に群馬県高崎市で開催されたジャパンカップ国際大会日本代表に初選出。大会を通じて5番打者に抜擢され、チャイニーズタイペイ戦とオーストラリア戦ではホームランを放った[2][3][4][5]

2019年は、打率.364(2位[注 2])・本塁打10[注 3]・打点22というキャリアハイの活躍を見せ、本塁打王・打点王・ベストナイン賞(外野手)に加え、シーズンMVPのタイトルも獲得した[6][7]

2021年に戸田中央総合病院メディックス[注 4]に移籍。1年目は、打率.347(3位)・本塁打5・打点12、出塁率はリーグトップの.542[注 5]という好成績を残し、2度目のベストナイン賞(外野手)を受賞した。2022年のシーズン終了をもって現役引退した。

選手としての特徴

編集

數原のバッティングについて、元プロ野球選手桧山進次郎は「コンパクトなスイングにもかかわらずポンポンと柵越えする」と評している[8]日本代表監督の宇津木麗華は、打撃が柔らかく[5]日本リーグにおいて主戦を務めることが多い外国人投手からよく打っていることを「海外エースキラー」と高く評価している[9]

人物・エピソード

編集

2019年9月7日のNECプラットフォームズレッドファルコンズ戦では、1試合で4本塁打・9打点[10][11][注 6](ともに日本リーグ新記録)をマークした[6][7]。なお、前の試合の最終打席からこの試合の第3打席にかけて4打席連続ホームランも達成している。

夙川学院高校の時にシオノギ製薬のセレクションを受けたが落選した経験を持つ。その時の悔しさを胸に秘め、2部リーグの甲賀健康医療専門学校で研鑽を積んだことで今の自分があると回想している。初めて日本代表のメンバー表に自分の名前を見つけた時は、我を失いそうになりながら何度も確認し、涙を流したという[12]

シオノギ製薬では、朝8時半から夕方5時まで仕事をしてからソフトボール練習をするため、練習時間を補う工夫をしながらトレーニングに取り組んでいた。休みの日でも暇さえあれば相手ピッチャーのデータを分析したり、自分の打席を見返したり、課題に対してどう修正・改善していくかを常に考えながら日々を過ごしていた[13]

詳細情報

編集

[14]

年度別打撃成績

編集


チーム 所属リーグ









































O
P
S


2014 シオノギ製薬 日本リーグ 22 73 59 8 15 1 1 4 30 15 4 3 1 9 1 8 25 16 .254 .357 .508 .866
2015 シオノギ製薬 日本リーグ2部AS 12 44 36 19 17 3 0 5 35 11 1 0 0 7 1 0 25 10 .472 .568 .972 1.540
2016 シオノギ製薬 日本リーグ 19 60 55 8 14 2 1 3 27 10 0 1 0 4 0 9 18 11 .255 .305 .491 .796
2017 シオノギ製薬 日本リーグ 22 73 68 12 19 3 0 8 46 14 1 1 0 3 1 14 23 11 .279 .319 .676 .996
2018 シオノギ製薬 日本リーグ 22 70 57 6 16 2 1 5 35 10 2 0 0 12 1 13 29 25 .281 .414 .614 1.028
2019 シオノギ製薬 日本リーグ 22 74 66 16 24 5 0 10 59 22 2 0 1 6 1 14 31 12 .364 .419 .894 1.313 MVP・B9
2020 シオノギ製薬 日本リーグ 11 37 27 5 6 2 0 1 11 3 2 0 0 10 0 5 16 13 .222 .432 .407 .840
2021 戸田中央総合病院 日本リーグ 22 72 49 7 17 0 0 5 32 12 0 0 1 20 2 11 39 16 .347 .542 .653 1.195 B9
2022 戸田中央 JDリーグ東地区 29 93 77 9 18 0 0 6 36 12 0 1 0 15 0 19 33 14 .234 .359 .468 .826
日本リーグ/JDリーグ:8年 169 552 458 71 129 15 3 42 276 98 11 6 3 79 6 93 214 118 .282 .392 .603 .995
2部リーグ:1年 12 44 36 19 17 3 0 5 35 11 1 0 0 7 1 0 25 10 .472 .568 .972 1.540
  • 太字は個人表彰
  • 斜字は下位リーグでの成績
  • 2017年 - 本塁打王(8本)
  • 2019年 - 最高殊勲選手賞、本塁打王(10本)、打点王(22打点)、ベストナイン賞(外野手)
  • 2021年 - ベストナイン賞(外野手)

背番号

編集
  • 8(2014 - 2020)
  • 29(2021 - 2022)

脚注

編集

注釈

編集
  1. ^ 2016年から「シオノギ製薬ポポンギャルズ」
  2. ^ 1位はトヨタ自動車レッドテリアーズ石川恭子の.436
  3. ^ 日本リーグ歴代最多タイ記録
  4. ^ 2022年から「戸田中央メディックス埼玉」
  5. ^ 2位はビックカメラ高崎ビークイーン内藤実穂の.469
  6. ^ 第1打席:3ラン、第2打席:2ラン、第3打席:ソロ、第5打席:3ラン。試合は17-0でシオノギ製薬ポポンギャルズが勝利。

出典

編集
  1. ^ a b 今年はホームランと打点のタイトルを獲りたいです –シオノギ製薬・數原顕子選手-”. ニッポン放送 NEWS ONLINE (2018年3月18日). 2023年11月23日閲覧。
  2. ^ 數原顕子HR集/JAPAN CUP2018 国際女子ソフトボール大会”. テレ東スポーツ (2018年12月28日). 2023年11月23日閲覧。
  3. ^ 2018 JAPAN CUP 試合レポート - 女子TOP日本代表 vs チャイニーズ・タイペイ 日本ソフトボール協会
  4. ^ 2018 JAPAN CUP 試合レポート - 女子TOP日本代表 vs オーストラリア 日本ソフトボール協会
  5. ^ a b 再びの「金」へ~日本女子ソフト2018~ 写真特集 時事通信社
  6. ^ a b 兵庫が生んだスラッガー記録ずくめMVP ソフトボール日本L女子”. 神戸新聞 (2019年12月26日). 2023年11月23日閲覧。
  7. ^ a b シオノギ製薬・數原、初のMVP 新人王はビックカメラ高崎・勝股とトヨタ自動車・石川 ~日本女子ソフトボールリーグ~”. スポーツコミュニケーションズ (2019年11月30日). 2023年11月23日閲覧。
  8. ^ 規格外のスラッガー!!”. hinokibutai.com (2020年1月30日). 2023年11月23日閲覧。
  9. ^ ソフトボール日本代表數原顕子、海外エースキラー”. スポーツ報知 (2018年11月3日). 2023年11月23日閲覧。
  10. ^ 1部リーグ 第6節 2019年09月07日(土)シオノギ製薬 VS NECプラットフォームズ Japan Softball League
  11. ^ 「第52回日本女子ソフトボールリーグ」1部第6節豊岡大会第1日第2試合 シオノギ製薬 ポポンギャルズ・數原顕子選手 1試合4本塁打・9打点のリーグ新記録樹立”. JapanSoftball (2019年9月8日). 2023年11月23日閲覧。
  12. ^ ルネスでの成長が「日本代表になる」私の夢を叶えてくれた。 ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校
  13. ^ 日本女子ソフトボールリーグ 後半戦開幕レポート 數原顕子選手(戸田中央総合病院メディックス)”. Sportsnavi (2021年9月8日). 2023年11月23日閲覧。
  14. ^ 数原顕子 JSL

外部リンク

編集