散り行く花
『散り行く花』(ちりゆくはな、英語: Broken Blossoms)は、D・W・グリフィス監督による1919年公開のアメリカ合衆国のサイレント映画である。主演はリリアン・ギッシュ、リチャード・バーセルメス。
散り行く花 | |
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Broken Blossoms | |
スウェーデン版ポスター(1919) | |
監督 | D・W・グリフィス |
脚本 | D・W・グリフィス |
原作 | トーマス・バーク |
製作 | D・W・グリフィス |
出演者 |
リリアン・ギッシュ リチャード・バーセルメス |
撮影 | G・W・ビッツァー |
編集 | ジェームズ・スミス |
配給 |
ユナイテッド・アーティスツ 大正活動映画 |
公開 |
1919年5月13日 1922年4月28日[1] |
上映時間 | 90分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
略歴・概要
編集トーマス・バークの短編小説集『ライムハウス夜景集』の一遍『中国人と子供』を映画化したものである。
ロンドン・ライムハウスを舞台に、15歳の少女ルーシー(リリアン・ギッシュ)と中国人青年チェン・ハン(リチャード・バーセルメス)の儚い恋を描く。
全編を通じ、美しい映像・詩情にあふれた無声映画の秀作。本作により、映画は第八芸術となりえた、とまで評価された。ユナイテッド・アーティスツ(UA)の第一回配給映画でもある。
本作は2010年現在、著作権の保護期間の満了したパブリックドメインであり、インターネット・アーカイヴで全篇ダウンロードすることが可能である[2]。
スタッフ
編集キャスト
編集- ルーシー:リリアン・ギッシュ
- 中国人青年(イエロウ・マン):リチャード・バーセルメス
- バトリング・バロウズ:ドナルド・クリスプ
- バロウズのマネージャー:アーサー・ハワード
あらすじ
編集仏教を広めるため、中国からロンドンに渡った中国人青年チェン・ハンは、しかし厳しい現実に直面し、スラム街で店番をしながら阿片を吸うような生活を送っていた。同じスラム街で暮らす少女ルーシーは、ボクサーである父親バロウズから日常的に虐待を受けていた。ルーシーは笑うことを知らず、父親から笑顔を要求されると、指で唇の両端を持ち上げるほどであった。ある日、父親からひどく殴られたルーシーはチェンに助けられ、彼の部屋でつかの間の安らぎを得る。二人の間にはロマンティックな感情が芽生え始めるが、二人のことを聞いた父親は怒り、ルーシーは力ずくで連れ戻されてしまう。
註
編集- ^ 東京朝日新聞 大正11年4月27日夕刊の広告(浅草帝国館)
- ^ Broken Blossoms, インターネット・アーカイヴ、2010年1月30日閲覧。