拡張型心筋症
拡張型心筋症(かくちょうがたしんきんしょう、英: Dilated cardiomyopathy、DCM)は、心臓が拡大し、血液を効果的に送り出せなくなる状態のことである[8]。症状は、無症状な場合もあり、疲労感、脚の浮腫、 呼吸困難などさまざまである[4]。また、胸痛や失神を引き起こす場合もある。合併症には、心不全、心臓弁膜症、不整脈などがあげられる[8][9]。
拡張型心筋症 | |
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別称 |
うっ血性心筋症、 特発性心筋症、 原発性心筋症[1] |
拡張型心筋症のネズミの心臓の断面 | |
概要 | |
種類 | 頻脈性心筋症[2][3]、その他 |
診療科 | 循環器学 |
症状 | 疲労感、足の浮腫、息切れ、胸痛、失神[4] |
発症時期 | 中年[5] |
原因 | 遺伝、アルコール、コカイン、特定の毒素、妊娠による合併症、特定の感染症[6][7] |
診断法 | 心電図、胸部X線、心エコーにより確定[7] |
鑑別 | 冠動脈疾患、心臓弁膜症、肺塞栓症、その他の心筋症[5] |
合併症 | 心不全、心臓弁膜症、不整脈[8] |
使用する医薬品 | ACE阻害剤、βブロッカー、利尿剤、血液希釈剤[7] |
治療 | 生活習慣の改善、薬剤、植込み型除細動器、心臓移植[7] |
予後 | 5年生存率 ~50%[7] |
頻度 | 2,500人に1人[7] |
分類および外部参照情報 |
原因には、遺伝、アルコール、コカイン、特定の毒素、妊娠による合併症、特定の感染症などがあげられる[6][7]。拡張性心筋症の3割が遺伝だと言われている。[10]冠動脈疾患と高血圧が関与している場合があるが、これらは主な原因ではない[5]。多くの場合、原因は不明なままである。心筋症の一種であり、主に心筋に影響を与える疾患である[8]。診断は、心電図、または胸部X線、または心臓超音波検査によって確定される。
心不全患者の場合の治療には、ACE阻害薬、ベータ遮断薬、利尿薬などの薬剤が用いられる[7]。減塩の食事も効果的とされる[5]。特定のタイプの不整脈がある人の場合には、血液希釈剤または植込み型除細動器が推奨される。これらの治療が効果的でない場合には、心臓移植が選択肢にあげられる。
約2,500人に1人が罹患している[7]。女性よりも男性の方がより頻繁に発症する[11]。発症が最も多くみられる年齢は中年である[5]。5年生存率は50%である。子供にも発症する可能性があり、この年齢層で最も一般的なタイプの心筋症である。
出典
編集- ^ “Other Names for Cardiomyopathy”. NHLBI (June 22, 2016). 28 July 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。31 August 2016閲覧。
- ^ “Tachycardia-induced cardiomyopathy”. European Society of Cardiology (2019年3月29日). 2019年3月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月29日閲覧。 “Tachycardia-induced cardiomyopathy is a reversible cause of heart failure and dilated cardiomyopathy. Tachycardia-induced cardiomyopathy should be considered in all patients with a dilated cardiomyopathy of uncertain origin and who have tachycardia or atrial fibrillation with a fast ventricular rate.”
- ^ Umana, Ernesto; Solares, C. Arturo; Alpert, Martin A (2003-01-01). “Tachycardia-induced cardiomyopathy”. The American Journal of Medicine 114 (1): 51–55. doi:10.1016/S0002-9343(02)01472-9. PMID 12543289.
- ^ a b “What Are the Signs and Symptoms of Cardiomyopathy?” (英語). NHLBI (22 June 2016). 28 July 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。10 November 2017閲覧。
- ^ a b c d e Ferri, Fred F. (2017) (英語). Ferri's Clinical Advisor 2018 E-Book: 5 Books in 1. Elsevier Health Sciences. p. 244. ISBN 9780323529570. オリジナルの2021-08-28時点におけるアーカイブ。 2020年6月6日閲覧。
- ^ a b “What Causes Cardiomyopathy?” (英語). NHLBI (22 June 2016). 5 October 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。10 November 2017閲覧。
- ^ a b c d e f g h i Weintraub, RG; Semsarian, C; Macdonald, P (22 July 2017). “Dilated cardiomyopathy.”. Lancet 390 (10092): 400–414. doi:10.1016/S0140-6736(16)31713-5. PMID 28190577.
- ^ a b c d “What Is Cardiomyopathy?” (英語). NHLBI (22 June 2016). 10 November 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。10 November 2017閲覧。
- ^ “Types of Cardiomyopathy” (英語). NHLBI (22 June 2016). 4 October 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。10 November 2017閲覧。
- ^ “小児科の病気:子どもの心筋症”. 15 June 2024閲覧。
- ^ “Who Is at Risk for Cardiomyopathy? - NHLBI, NIH” (英語). NHLBI (22 June 2016). 5 October 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。10 November 2017閲覧。