手紙でも書こう」(てがみでもかこう、I'm Gonna Sit Right Down and Write Myself a Letter)は、フレッド・E・アーラート (Fred E. Ahlert) が作曲し、ジョー・ヤング (Joe Young) が作詞した、1935年ポピュラー・ソング。数多くの録音があり、いわゆるグレート・アメリカン・ソングブック (Great American Songbook) のスタンダード曲となった。1978年ブロードウェイミュージカルAin't Misbehavin'』の中では[1]、この曲はハーレム・ルネサンスを代表する曲のひとつとして取り上げられた。

アメリカン・パブリック・メディア (American Public Media) のビジネス・ニュース番組『Marketplace』は、ファッツ・ウォーラーのバージョンの一部を、毎週のリスナーからの手紙のコーナーの冒頭に使っている。

おもな録音

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この曲が最初に大きくヒットしたのは『ビルボード』誌のチャートで5位まで上昇したファッツ・ウォーラーのバージョン(1935年5月8日録音:Victor 25044)であったが、翌年にはボズウェル・シスターズ (Boswell Sisters) によるバージョン(1936年1月6日録音:Decca 671 B (60302-A))が、さらに上位の3位まで達した。

1957年にチャートの首位に立った「Butterfly」(Cameo Record label #105 - 45rpm) で知られるチャーリー・グレイシー (Charlie Gracie) も、1951年にチャーリー・グレイシー&ヒズ・ギター (Charlie Gracie & His Guitar) 名義で発表した自作曲「Boogie Woogie Blues」のB面にこの曲を録音した (Cadillac Record label #141 - 45 rpm)[2]

フランク・シナトラ1954年のアルバム『Swing Easy!』に、ビング・クロスビー1957年のアルバム『Bing with a Beat』にこの曲を収録したが、シナトラは1962年カウント・ベイシーとの共作アルバム『Sinatra–Basie: An Historic Musical First』でもこの曲を取り上げた。

1957年、この曲は、ビリー・ウィリアムズ (Billy Williams) が4月3日に録音したバージョンが、『ビルボード』誌のチャートで3位まで上昇し、リバイバルの大ヒットとなった。

その他、ナット・キング・コールスキャットマン・クローザースグレゴリー・アイザックスバリー・マニロウディーン・マーティンアン・マレーウィリー・ネルソンリンダ・スコット (Linda Scott)、シェイキン・スティーヴンス (Shakin' Stevens)、サラ・ヴォーンらがこの曲を録音した。ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツ (Bill Haley & His Comets) は、この曲のロックンロール・バージョンを1957年に録音した。ファビアン (Fabian は、1960年チャンセラー・レコード (Chancellor Records) でこの曲を吹き込んだ。クレオ・レーン1974年に、アルバム『I Am a Song』の冒頭にこの曲を収録し[3]、アルバム発売に続くツアーのステージでもこの曲を歌った。

マデリン・ペルー (Madeleine Peyroux) も、1996年のデビュー・アルバム『Dreamland』で、この曲をカバーした[4]

2012年ポール・マッカートニーは、スタンダード曲多数を収録したアルバム『キス・オン・ザ・ボトム (Kisses on the Bottom)』に、この曲を収録し、歌詞の一部をアルバム・タイトルとした[5]

脚注

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  1. ^ Ain't Misbehavin'”. ESLprof.com. 2014年12月31日閲覧。
  2. ^ CHARLIE GRACIE DISCOGRAPHY/ORIGINAL U.S. 45s”. Charlie Gracie. 2014年12月31日閲覧。
  3. ^ I Am a Song - Allmusic. 2014年12月31日閲覧.
  4. ^ Dreamland”. Madeleine Peyroux. 2014年12月31日閲覧。
  5. ^ ポール・マッカートニーの新作、アルバム名は収録曲の歌詞の一部を引用したもの” (2012年1月9日). 2014年12月31日閲覧。 “... NME誌によればアルバム名の『Kisses On The Bottom』は、収録曲のひとつである、ファッツ・ウォーラーのカヴァー「手紙でも書こう(I’m Gonna Sit Right Down And Write Myself A Letter)」の歌詞の一部を引用したものとのこと”