成熟メッセンジャーRNA
成熟メッセンジャーRNA(せいじゅくメッセンジャーアールエヌエー、英: mature messenger RNA、成熟mRNA)は、真核生物のRNA転写産物で、スプライシングなどの転写後修飾を処理を終えて、タンパク質合成の過程で翻訳される準備が整ったものである。転写直後の真核生物のRNA(前駆体メッセンジャーRNAという)とは異なり、成熟mRNAはエクソンのみで構成されて、すべてのイントロンが除去されている[1]。
成熟mRNAは、成熟転写産物(英: mature transcript)、成熟RNA(英: mature RNA)、成熟mRNA(英: mature mRNA)と呼ばれることもある。
成熟mRNA分子の生成は、3つのステップで行われる[2][3]。
- キャッピングは、7-メチルグアノシン残基が一次転写産物の5'末端に結合する。これはGTPまたは5'キャップと呼ばれ、安定化とリボソームの付着点として使用される[1]。
- ポリアデニル化では、転写後に核ポリメラーゼによって約200個のアデニル酸残基からなるポリアデノシンテールが付加される。これはポリAテール(ポリA尾部)と呼ばれ、mRNAが細胞核から出てリボソームを見つけることができるように安定化と誘導に使用される[4]。
- RNAスプライシングは、非コードRNAのイントロンを除去してエクソンを残し、エクソンがスプライシングされて結合し、最終的なメッセンジャーRNA(mRNA)を形成する[2][5]。
脚注
編集- ^ a b Alberts, Bruce (2015). Molecular biology of the cell (Sixth ed.). Abingdon, UK: Garland Science, Taylor and Francis Group. ISBN 978-0815344643
- ^ a b Toole, Glenn; Toole, Susan (2015). AQA biology A level. Student book (Second ed.). Great Clarendon Street, Oxford, OX2 6DP, UK: Oxford University Press. ISBN 9780198351771
- ^ O'Connor, Clare (2010). Essentials of Cell Biology. NPG Education: Cambridge, MA November 11, 2021閲覧。
- ^ “Eukaryotic pre-mRNA processing”. Khan Academy. November 11, 2021閲覧。
- ^ Jo, Bong-Seok; Choi, Sun Shim (2015). “Introns: The Functional Benefits of Introns in Genomes”. Genomics & Informatics 13 (4): 112–8. doi:10.5808/GI.2015.13.4.112. PMC 4742320. PMID 26865841 .