懐月堂度繁
江戸時代の浮世絵師
来歴
編集懐月堂安度の門人。経歴は不明、「度繁」の本来の読み方も明らかではなく「のりしげ」とも読める。作画期は宝永から正徳の頃にかけてで肉筆画11点、墨摺絵と丹絵12点を残している。墨摺絵・丹絵の版元は伊賀屋(元浜町)版が11点、未詳が1点である。なお度繁の作には「懐月末葉度繁」の落款があるのみで、度繁が自ら「懐月堂」の号を称したかどうかは明らかではないが、従来より「懐月堂度繁」の名で呼ばれている。
作品
編集木版画
編集- 「短冊持立美人」 墨摺絵 東京国立博物館所蔵 ※「日本戯畫懐月末葉度繁圖」の落款あり
- 「立美人・水車模様着衣」 大々判丹絵 東京国立博物館所蔵 ※「日本戯畫懐月末葉度繁圖」の落款あり。重要美術品
- 「櫛に手をやる遊女」 墨摺絵 ボストン美術館所蔵 ※「日本戯畫 懐月末葉度繁圖」の落款あり
- 「内袖をひるがえして立つ遊女」(片肌脱ぎの反故染模様の立美人) 大々判墨摺絵 ボストン美術館所蔵 ※「懐月末葉度繁圖」の落款あり
- 「菓子箱に腰かける美人」 大々判丹絵 ボストン美術館所蔵 ※「日本戯畫懐月末葉度繁圖」の落款あり
- 「柴垣模様衣裳の立美人」 墨摺絵 メトロポリタン美術館所蔵 ※「日本戯畫懐月末葉度繁圖」の落款あり
- 「菖蒲模様衣裳の立美人」 墨摺絵 メトロポリタン美術館所蔵 ※「日本戯畫懐月末葉度繁圖」の落款あり
- 「紅葉の破れ縞模様の立美人」 大々判丹絵
肉筆画
編集- 「遊女立姿図」 紙本着色 東京国立博物館所蔵 ※「日本戯畫 懐月末葉度繁圖之」の落款、「安度」の白文方郭内円印あり
- 「立姿美人図」 紙本着色 出光美術館所蔵 ※「日本戯畫 懐月末葉度繁圖之」の落款、「安度」の白文方郭内円印あり。昭和54年(1979年)4月20日に日本郵政省より発行された「切手趣味週間」シリーズの記念切手にも、安度の「立姿美人図」(萩模様)とともに図柄として採用されている(安度が左、度繁が右)。
- 「立美人図」 紙本着色 MOA美術館所蔵 ※「日本戯畫 懐月末葉度繁圖之」の落款、印文不詳の白文方印あり
- 「立美人図」 紙本着色 ※「日本戯畫 懐月末葉度繁圖之」の落款、「戯畫度繁」の朱文方印あり。麻布美術工芸館旧蔵
- 「立姿遊女図」 紙本着色 ボストン美術館所蔵 ※「日本戯畫 懐月末葉度繁圖之」の落款、「安度」の白文方郭内円印あり
- 「縞模様衣裳の立美人」 メトロポリタン美術館所蔵 ※「日本戯畫 懐月末葉度繁圖之」の落款、「安度」の白文方郭円印あり