怒りの荒野
『怒りの荒野』(いかりのこうや、I giorni dell'ira、米題:Day of Anger)は、1967年のイタリアの映画。トニーノ・ヴァレリ監督。
怒りの荒野 | |
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I giorni dell'ira | |
スコット・マリーを演じるジュリアーノ・ジェンマ | |
監督 | トニーノ・ヴァレリ |
脚本 | エルネスト・ガスタルディ |
出演者 |
リー・ヴァン・クリーフ ジュリアーノ・ジェンマ |
音楽 | リズ・オルトラーニ |
配給 | ナショナル・ゼネラル・ピクチャーズ |
公開 |
1967年11月19日 1968年3月8日 |
上映時間 | 111分 |
製作国 |
イタリア ドイツ |
言語 | イタリア語 |
リー・ヴァン・クリーフ、ジュリアーノ・ジェンマ主演のマカロニ・ウェスタン。ヴァレリは、「荒野の用心棒」、「夕陽のガンマン」でセルジオ・レオーネ監督の助監督を務めた。劇中の「ガンマン十戒」(#ガンマン十戒(またはガンマン心得十ヶ条)参照)が有名である。
ストーリー
編集メキシコに近い小さな町クリフトン。スコット(ジュリアーノ・ジェンマ)は娼婦の子という生い立ちから住民たちから蔑まれ、掃除人として暮らしていた。ある日、凄腕のガンマン、タルビー(リー・ヴァン・クリーフ)が町に現れる。タルビーは酒場でスコットを侮辱した男を撃ち殺すが、正当防衛とされ町を離れる。いつかガンマンになる事を夢見ていたスコットはタルビーを追いかけ、タルビーはガンマンの心得を教えていく。10年前に強奪した金塊の分け前を取り返すため、かつて仲間だったワイルド・ジャック(アル・ムロック)から裏切り者の情報を聞き出したタルビーだが、ジャックの仲間に捕まりリンチを受ける。スコットはタルビーを窮地から助け、パートナーとして認められる。
二人はクリフトンに戻り、タルビーは裏切り者である酒場の経営者マーレイ(アンドレア・ポジック)、クッチャー判事(ルーカス・アマン)らを脅し、次第に町を支配していく。タルビーの過去の悪事を知るスコットの恩人、元保安官マーフ(ウォルター・リラ)は、スコットにタルビーと別れるよう忠告するがスコットは聞き入れない。しかし、エスカレートして行くタルビーの暴力的なやり方にも疑問を持ち始める。タルビーは保安官ナイジェル(ニーノ・ニニー)を殺し、クッチャー判事と組んで町を自分のものにしようとする。新保安官となったマーフは、町での拳銃所持を禁じ、タルビーからも拳銃を取り上げようとして射殺される。ついにスコットは、師であるタルビーと戦う決意をする。
ガンマン十戒(またはガンマン心得十ヶ条)
編集タルビーがスコットに「レッスン」という形で教えていくガンマンの心得。但し8番目のみスコットがタルビーに言い返す形で言う。言い回しは映画パンフレット、TV吹き替え、DVD字幕等で異なる。[1]。
- 教訓の一 決して他人にものを頼むな(1st lesson. Never beg another man.)
- 教訓の二 決して他人を信用するな(2nd lesson. Never trust anyone.)
- 教訓の三 決して銃と標的の間に立つな(3rd lesson. Never get between a gun and its target.)
- 教訓の四 パンチは弾と同じだ。最初の一発で勝負が決まる。(4th lesson. A punch is like a bullet. If You don't make the first one count good.)
- 教訓の五 傷を負わせたら殺せ。見逃せば自分が殺される。(5th lesson. You wound a man, You'd better kill him. Because sooner or later, he's gonna kill You.)
- 教訓の六 危険な時ほどよく狙え。(6th lesson. Right put it, right time, well aimed.)
- 教訓の七 縄を解く前には武器を取り上げろ。(7th lesson. Gonna untie a man, take his gun before then.)
- 教訓の八 相手には必要な弾しか渡すな。(8th lesson. Don't give a man any more bullet, You know he's gun use for.)
- 教訓の九 挑戦されたら逃げるな。全てを失う事になる。(9th lesson. Every time You have exact challenge, You lose everything in life, anyway.)
- 教訓の十 皆殺しにするまで止めるな。(Last lesson. Do not quit until you exterminate.)
キャスト
編集役名 | 俳優 | 日本語吹替 | |
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NETテレビ版 | TBS版 | ||
フランク・タルビー | リー・ヴァン・クリーフ | 納谷悟朗 | 和崎俊哉 |
スコット・マリー | ジュリアーノ・ジェンマ | 野沢那智 | |
マーフ・アラン・ショート | ウォルター・リラ | 北山年夫 | 藤本譲 |
クッチャー(判事) | ルーカス・アマン | 小林昭二 | |
マーレイ(酒場の経営者) | アンドレア・ボシック | 加藤精三 | |
ターナー(銀行家) | エンニオ・バルボ | 富田耕生 | |
アイリーン(判事の娘) | アンナ・オルソ | 北浜晴子 | |
ナイジェル (保安官) | ニーノ・ニニー | 雨森雅司 | |
ビル (老人) | ホセ・カルヴォ | 槐柳二 | |
ワイルド・ジャック | アル・ムロック | 小林清志 | |
オーウェン(殺し屋) | ベニート・ステファネッリ | 田中康郎 | |
ハート・パーキンス | ロマーノ・プッポ | 渡部猛 | |
ヴィヴィアン | イボンヌ・サンソン | ||
グウェン | クリスタ・リンダー | ||
不明 その他 |
立壁和也 清川元夢 仲木隆司 北村弘一 緑川稔 吉沢久嘉 相模武 石森達幸 浅井淑子 渡辺典子 |
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演出 | 春日正伸 | ||
翻訳 | 鈴木導 | ||
効果 | |||
調整 | |||
制作 | ニュージャパンフィルム | ||
解説 | |||
初回放送 | 1970年11月18日 『日曜洋画劇場』 |
1974年1月21日 『月曜ロードショー』 |
※NETテレビ版はDVD・Blu-rayに収録。
エピソード
編集- クエンティン・タランティーノは本作の大ファンであり、自身が監督した映画『キル・ビル Vol.1』や『ジャンゴ 繋がれざる者』で本作の音楽が使用されている。また、キル・ビルで使われた事により、その後のTVのバラエティ番組の「緊迫した場面」で使用される事もあった。
脚注
編集- ^ オリジナルはイタリア語版の本項目を参照。