忌火
忌火(いみび)とは、神道で「忌むべき火」のこと。これは火がそもそも持つ性質、すなわち「他を焼き無くしてしまう」という性質が、一般的なケガレの概念、つまり「不浄」「不潔」同様、神や人間の結界、生活圏を脅かす「ケガレ」であるためである。そのためこれを用いる際にそう呼ばれる。また火がケガレを伝染媒介すると考えられてた為、かまどを別にするなどの措置がとられた。 古事記によるとイザナミは火の神(ホノカグツチノカミ)を産んだため陰所を焼かれた。 それが元で死に、黄泉の国に下る事になる。
「近き火、また恐ろし<枕草子・せめておそろしきもの>」や、現在でも「マッチ一本火事の元」という言葉にあるように、危険物として火は認識されてきた。 忌み火をオリンピックの聖火と同一視される事があるが、火炎崇拝文化は神道にない。[要出典]本来神道における「火」はケガレである。 よってそれを押さえる火伏せの神様、火坊尊(ひぶせのみこと)などの神様が信仰の対象になって来た。鎮火(火を鎮める)という表現もある。
伊勢神宮の豊受大神宮正殿奥には忌火屋殿(いみびやでん)があり、そこで木と木をすり合わせる「舞錐式発火法」(まいきりしきはっかほう)で「御火鑽具」(みひきりぐ)を用いて火を切り出す。
鑽火神事は各地で下記のように様々な形で行われている。