復讐の荒野
『復讐の荒野』(ふくしゅうのこうや、The Furies)は、1950年のアメリカ合衆国の西部劇映画。監督はアンソニー・マン、出演はバーバラ・スタンウィック、ウェンデル・コーリイ、そして本作が遺作となったウォルター・ヒューストン[2][3]。
復讐の荒野 | |
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The Furies | |
監督 | アンソニー・マン |
脚本 | チャールズ・シュニー |
原作 | ニーヴン・ブッシュ |
製作 | ハル・B・ウォリス |
出演者 |
バーバラ・スタンウィック ウェンデル・コーリイ ウォルター・ヒューストン ジュディス・アンダーソン |
音楽 | フランツ・ワックスマン |
撮影 | ヴィクター・ミルナー |
編集 | アーチー・マーシェク |
製作会社 | ハル・ウォリス・プロダクション |
配給 | パラマウント映画 |
公開 | 1950年8月16日 |
上映時間 | 109分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 |
英語 スペイン語 |
興行収入 | $1,550,000[1] |
日本では劇場未公開だがテレビ放映されたことがある[4]。
ストーリー
編集1870年、ニューメキシコ州。T・C・ジェフォーズはフューリーズ(The Furies)と呼ばれる広大な土地を所有する牧場主。独善的な男で、ドルでなくTCという個人の地域通貨で取引する。また、自分の土地に無許可で暮らす人間に対しても容赦なく家を焼き、時には縛り首にする。
その娘ヴァンスは父親にそっくりの勝ち気な娘。父親に物怖じせず、堂々と自分の意見を主張できる。たとえば、不法占拠者のメキシコ人エレラは幼馴染で、追い出したい父親に真っ向から反対する。
それでも娘が可愛い父親は、牧場を娘に継がせるつもりでいる。婿となる男も自分の気に入った人間にしたかったが、よりによってヴァンスが選んだ男は、過去にジェフォーズが土地を奪うために殺した男の息子で銀行家のリップ・ダローだった。
リップも結婚に同意して、ヴァンスは正式に父親にリップを紹介する。しかし、父親から「娘から手を引けば5万ドルやる」と言われたリップは、その金を受け取る。実は、結婚は復讐のためだったのだ。
傷ついたヴァンスだが、相続した牧場経営に打ち込むことでをその悲しみを紛らわせる。
牧場経営が順調にいっていたそんな時、長く家を留守にしていた父親が久しぶりに都会から帰ってくる。ひとりではなく、バーネット夫人が一緒である。バーネット夫人は牧場経営に口を出しはじめる。バーネット夫人が財産目当てだと知ったヴァンスは激昂し、鋏でバーネット夫人の顔を切り裂く。
怒った父親はヴァンスを家から追い出す。ヴァンスはエレラの家に立て籠もるが、エレラが捕まり絞首刑にされる。
ヴァンスは父親への復讐を胸に誓い、鉄道で西部を転々とする。行く先々でTC通貨を買い占め、その価値を暴落させる。そして自分を捨てたリップと組んで、父親を罠にかける。父親は破産し、ヴァンスは牧場を手に入れる。さらに父親は、息子の復讐に燃えるエレラの母親の銃に射たれて死ぬ。
キャスト
編集- ヴァンス:バーバラ・スタンウィック
- リップ・ダロー:ウェンデル・コーリイ
- T・C・ジェフォーズ:ウォルター・ヒューストン
- バーネット夫人:ジュディス・アンダーソン
- エレラ:ギルバート・ローランド
- エル・ティグレ:トーマス・ゴメス
- アナハイム夫人:ビューラ・ボンディ
- エレラの弟:ペペ・ハーン
- レイノルズ氏:アルバート・デッカー
- クレイ・ジェフォーズ:ジョン・ブロムフィールド
- スコッティ:ウォーレス・フォード
- エレラの母:ブランチ・ユーカ
- ベイリー:ルイス・ジーン・ヘイト
- グリーヴ医師:フランク・ファーガソン
- ダラス・ハート:マーナ・デル
- 牛飼い:アーサー・ハニカット
制作
編集ロケ地はアリゾナ州、セットはパラマウント・スタジオ。
出典
編集- ^ “Top Grosses of 1950” (英語). Variety: 58. (January 3, 1951) .
- ^ “The Furies” (英語). IMDb. March 20, 2012閲覧。
- ^ Horton, Andrew (2003) (英語). Henry Bumstead and the world of Hollywood art direction. Austin: University of Texas Press. p. 37
- ^ “復讐の荒野”. allcinema. 株式会社スティングレイ. 2023年2月14日閲覧。
外部リンク
編集- 復讐の荒野 - allcinema
- 復讐の荒野 - KINENOTE
- The Furies - IMDb
- The Furies - オールムービー
- Mann Crush an essay by Curtis Tsui at the Criterion Collection