アイ・ウォナ・ビー・ユア・マン
「アイ・ウォナ・ビー・ユア・マン」(I Wanna Be Your Man)または「彼氏になりたい」(かれしになりたい)は、ローリング・ストーンズの楽曲である。作詞・作曲はジョン・レノンおよびポール・マッカートニー(クレジットはレノン=マッカートニー名義)。1963年にローリング・ストーンズの2作目のシングルとして発売され、全英シングルチャートで最高位12位を記録[1]。同年にビートルズによってカバーされた。
「彼氏になりたい」 | ||||||||||||||||||||||||||||
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ローリング・ストーンズ の シングル | ||||||||||||||||||||||||||||
A面 | ノット・フェイド・アウェイ(第2版) | |||||||||||||||||||||||||||
B面 | ストーンド | |||||||||||||||||||||||||||
リリース | ||||||||||||||||||||||||||||
規格 | 7インチシングル | |||||||||||||||||||||||||||
録音 | 1963年10月7日 | |||||||||||||||||||||||||||
ジャンル | ||||||||||||||||||||||||||||
時間 | ||||||||||||||||||||||||||||
レーベル | ||||||||||||||||||||||||||||
作詞・作曲 | レノン=マッカートニー | |||||||||||||||||||||||||||
プロデュース | アンドリュー・ルーグ・オールダム | |||||||||||||||||||||||||||
チャート最高順位 | ||||||||||||||||||||||||||||
後述を参照 | ||||||||||||||||||||||||||||
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背景
編集ローリング・ストーンズによる「彼氏になりたい」は、1963年11月1日に2作目のシングルとして発売され、全英シングルチャートで最高位12位を記録し[1]、バンドの活動初期のヒット作の一つとなった[2]。イギリス盤およびアメリカ盤(第1版)のB面には「ストーンド」が収録された。その後、1964年3月6日にシングル盤『ノット・フェイド・アウェイ』のB面曲として再発売された。
1963年9月にローリング・ストーンズのマネージャーであるアンドリュー・オールダムは、偶然レノンとマッカートニーと遭遇し[3]、2人をローリング・ストーンズのスタジオに招いた[4]。当時『カム・オン』に続くシングルを発売するために奔走していたオールダムは、レノンとマッカートニーに「ストーンズにふさわしい曲はないか?」と尋ねた[5]。そこでレノンとマッカートニーは「まだ完成してないけど、いい曲がある」と返し、ローリング・ストーンズのメンバーの前で本作を演奏した[4]。メンバーは気に入り、2人はその場で本作の完成にかかった[5]。
それから3週間後の10月7日に「彼氏になりたい」の録音が行われた[6]。ジョーンズはグレッチ・アニバーサリーでソロを弾いたほか、スライド・リフを弾いている[6]。なお、ジョーンズはバッキング・ボーカルも担当[6]しており、ローリング・ストーンズの楽曲でジョーンズだけがバッキング・ボーカルを担当した数少ない楽曲の1つとなっている[7]。
本作はオリジナル・アルバムには未収録となっており、イギリスでは1972年発売のコンピレーション・アルバム『マイルストーンズ』でアルバム初収録となった。アメリカでは1989年発売の『シングル・コレクション (ザ・ロンドン・イヤーズ)』でアルバム初収録となった。
シングルのB面に収録された「ストーンド」は、メンバー全員による共作(名義はナンカー・フェルジ)となっており、ストーンズのオリジナル曲が初めてレコード化された例となった。
演奏披露
編集1964年1月1日にBBCの『トップ・オブ・ザ・ポップス』に初出演し、本作を演奏した[8]。
2022年6月9日にアンフィールド・スタジアムで行われたストーンズ51年ぶりのリヴァプール公演において、リヴァプールとビートルズに捧げる曲としてこの曲が演奏された[9]。
クレジット(ローリング・ストーンズ版)
編集※出典[6]
- ミック・ジャガー - リード・ボーカル
- ブライアン・ジョーンズ - リードギター、バッキング・ボーカル
- キース・リチャーズ - リズムギター
- ビル・ワイマン - ベース
- チャーリー・ワッツ - ドラム
チャート成績
編集チャート (1963年 - 1964年) | 最高位 |
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ベルギー (Ultratop Wallonia)[10] | 22 |
UK シングルス (OCC)[1] | 12 |
ビートルズによるカバー
編集「アイ・ウォナ・ビー・ユア・マン」 | ||||||||||
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ビートルズの楽曲 | ||||||||||
収録アルバム | 『ウィズ・ザ・ビートルズ』 | |||||||||
英語名 | I Wanna Be Your Man | |||||||||
リリース | 1963年11月22日 | |||||||||
録音 |
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ジャンル | ||||||||||
時間 | 1分58秒 | |||||||||
レーベル | パーロフォン | |||||||||
作詞者 | レノン=マッカートニー | |||||||||
作曲者 | レノン=マッカートニー | |||||||||
プロデュース | ジョージ・マーティン | |||||||||
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ビートルズによるカバー・バージョンは、イギリスでは1963年11月22日に発売された2作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『ウィズ・ザ・ビートルズ』のB面4曲目、アメリカでは1964年1月20日に発売されたキャピトル編集盤『ミート・ザ・ビートルズ』のB面5曲目に収録された。リード・ボーカルはリンゴ・スターが務めた。ビートルズ解散後の1976年に発売されたコンピレーション・アルバム『ロックン・ロール・ミュージック』にも収録された。
邦題は、『ウィズ・ザ・ビートルズ』では原題をカタカナに直した「アイ・ウォナ・ビー・ユア・マン」[12]となっているが、一部コンピレーション・アルバムではローリング・ストーンズによる演奏バージョンと同じ「彼氏になりたい」[13][14]という邦題が使用されている。
ビートルズによるカバー版は、EMIレコーディング・スタジオで行なわれた1963年9月11日と12日、10月3日と23日の4回のセッションで録音された[3]。スターのボーカルはダブルトラックとなっている[3]。
本作に否定的なレノンは、1980年の『プレイボーイ』誌の取材で「通行人に配るチラシみたいなものだったのさ。ビートルズではリンゴが歌って、ストーンズは自分たちの曲を演った(やった)んだ。ぼくらが連中をどう見ていたかが、これでわかる。良いものを連中にやる気はなかったさ」[15][16]と発言している。
BBCセッションでは2回録音が行なわれている。1964年1月7日に『Saturday Club』(2月15日放送)用[17]、同年2月28日に『From Us to You』(3月30日放送)[18]用に録音された。このうち、3月30日に放送された音源が1994年に発売された『ザ・ビートルズ・ライヴ!! アット・ザ・BBC』に収録された。また、1964年4月19日にはテレビ番組用に演奏が撮影されており[19]、この時の音源が1995年に発売された『ザ・ビートルズ・アンソロジー1』に収録された[3]。
公演ではスターのボーカル曲となり、1966年に行なわれた日本公演でも演奏された[20]。スターはビートルズ解散後も、リンゴ・スター&ヒズ・オールスター・バンドの公演で度々演奏している。
クレジット(ビートルズ版)
編集※出典[21]
- リンゴ・スター - リード・ボーカル、ドラム、マラカス、タンバリン、ハンドクラップ
- ジョン・レノン - バッキング・ボーカル、トレモロをかけたエレクトリック・ギター(リズムギター)、シャウト、ハンドクラップ
- ポール・マッカートニー - バッキング・ボーカル、ベース、シャウト、ハンドクラップ
- ジョージ・ハリスン - エレクトリック・ギター(リードギター)、ハンドクラップ
- ジョージ・マーティン - ハモンドオルガン
脚注
編集出典
編集- ^ a b c "Official Singles Chart Top 100". UK Singles Chart. 2020年12月14日閲覧。
- ^ Gilliland 1969, show 30, track 2.
- ^ a b c d Womack 2016, p. 87.
- ^ a b Gould 2014, p. 164.
- ^ a b Thompson 2014, p. 164.
- ^ a b c d Guesdon & Margotin 2016, p. 21.
- ^ John Van der Kiste (2017). A Beatles Miscellany: Everything You Always Wanted to Know About the Beatles but Were Afraid to Ask. Fonthill Media. p. 37. ISBN 1-7815-5582-6
- ^ “BBC - Press Office - BBC says fond farewell to Top of the Pops”. BBC. (2006年6月20日) 2020年12月14日閲覧。
- ^ “ローリング・ストーンズ、51年ぶりのリヴァプール公演でビートルズの「I Wanna Be Your Man」をカヴァー”. MUSIC LIFE CLUB. シンコーミュージック・エンタテイメント (2022年6月13日). 2022年6月14日閲覧。
- ^ “ULTRATOP BELGIAN CHARTS”. ultratop.be (1964年5月1日). 2020年12月14日閲覧。
- ^ Erlewine, Stephen Thomas. “With the Beatles - The Beatles | Songs, Reviews, Credits”. AllMusic. All Media Group. 2020年12月14日閲覧。
- ^ “With The Beatles [CD EXTRA][CD] - ザ・ビートルズ”. UNIVERSAL MUSIC JAPAN. 2020年12月14日閲覧。
- ^ “ザ・ビートルズ アンソロジー1 - ザ・ビートルズ”. UNIVERSAL MUSIC JAPAN. 2020年12月14日閲覧。
- ^ “ザ・ビートルズ・ライヴ!! アット・ザ・BBC / LIVE AT THE BBC - ザ・ビートルズ”. UNIVERSAL MUSIC JAPAN. 2020年12月14日閲覧。
- ^ 『ジョン・レノン PLAYBOY インタビュー』集英社、1981年、98頁。ASIN B000J80BKM。
- ^ Sheff 2000, p. 201.
- ^ Winn 2008, p. 112.
- ^ Winn 2008, p. 158.
- ^ MacFarlane 2008, p. 182.
- ^ Everett 1999, p. 68.
- ^ MacDonald 2005, p. 95.
参考文献
編集- Everett, Walter (1999). The Beatles as Musicians: Revolver Through the Anthology. New York, NY: Oxford University Press. ISBN 0-19-512941-5
- Gilliland, John (1969年). “The British Are Coming! The British Are Coming!: The U.S.A. is invaded by a wave of long-haired English rockers.”. Pop Chronicles. Digital.library.unt.edu. 2020年12月14日閲覧。
- Gould, Jonathan (2014). an't Buy Me Love: The Beatles, Britain, and America. Piatkus. p. 164. ASIN B00OSMBDZW
- MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (2nd rev. ed.). London: Pimlico (Rand). ISBN 1-84413-828-3
- Guesdon, Jean-Michel; Margotin, Philippe (2016). The Rolling Stones All the Songs: The Story Behind Every Track. Running Press. ISBN 0-3163-1773-X
- MacFarlane, Thomas (2008). The Beatles' Abbey Road Medley: Extended Forms in Popular Music. Scarecrow Press. ISBN 0-8108-6019-8
- Sheff, David (2000). All We Are Saying. St Martin's Griffin. ISBN 0-312-25464-4
- Thompson, Gordon (2008). Please Please Me: Sixties British Pop, Inside Out. Oxford University Press. p. 227. ASIN B00VQVPPIE
- Winn, John C. (2008). Way Beyond Compare: The Beatles' Recorded Legacy, Volume One, 1957-1965. Crown Archetype. ASIN B001MYA36O
- Womack, Kenneth (2016). The Beatles Encyclopedia: Everything Fab Four. Greenwood. p. 87. ISBN 1-4408-4426-7
外部リンク
編集- I Wanna Be Your Man - The Beatles