広島電鉄3900形電車
広島電鉄の路面電車車両
広島電鉄3900形電車(ひろしまでんてつ3900かたでんしゃ)とは、1990年に登場した広島電鉄の路面電車である。愛称はぐりーんらいなー(3950形まではこの愛称が付くが、3950形は英文表記であるため、ひらがな表記としては最後である)。
広島電鉄3900形電車 「ぐりーんらいなー」 | |
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基本情報 | |
製造所 | アルナ工機 |
主要諸元 | |
編成 | 3車体4台車連接固定編成 |
軌間 | 1,435 mm |
編成定員 | 152(着席66)人 |
編成重量 | 38.0 t |
全長 | 26,860 mm |
全幅 | 2,496 mm |
全高 | 3,820 mm |
主電動機 | 東洋電機製造製 TDK6305-A |
編成出力 | 85 kW×4 |
制御方式 |
VVVFインバータ制御 未更新車:GTOサイリスタ素子 更新車:IGBT素子(ハイブリッドSiC素子適用)[1] |
制御装置 |
東洋電機製造製 未更新車:RG629-A-M 更新車:RG6039-A-M |
備考 | 全金属製 |
概要
編集広電では3800形に次ぐ連接車である。アルナ工機で製造された。3800形のマイナーチェンジ形でモーター出力が1基当たり60kWから85kWに向上し、加速・減速がスムーズになった。路面電車である市内線と鉄道線である宮島線を直通運用出来る車両である。合計8編成が製造された。愛称はぐりーんらいなーで、後継の3950形に引き継がれている。
宮島線直通が主な運用であるがラッシュ時には市内線でも運用されている。
- 3901-3902
- 1990年に製造されたグループである。冷房機器は、廃車となった1090形の物が流用されている。なお、3901は2017年2月に制御方式が東洋電機製造製のハイブリッドSiC素子(トランジスタ部はSi-IGBT、還流ダイオード部にSiC-SBDを適用した三菱電機製パワーモジュールCMH1200DC-34Sを使用[2])を採用したVVVFインバータ制御に更新となり、力行でP1状態にすると定速状態となる(ただし速度警告ランプが点灯し、速度制御装置が作動している場合は除く)。
- 3903
- 1991年に製造されたグループである。この編成以降車内の形式銘板フォントが変更されている。
- 3904-3905
- 1992年に製造されたグループである。この編成以降2編成の連結が可能なように連結器が準備されている。なお、3905は2013年10月に座席モケットは3950形と同様のモケットに変更された。
- 3906
- 1995年に製造されたグループである。なお、2013年5月に座席モケットは3950形と同様のモケットに変更された。
- 3907-3908
- 1996年に製造されたグループである。この2編成のみ車掌側出口の戸袋窓部分に車椅子スペースが設置されている。運転開始当初は「電車開業85周年記念」電車として、記念ラベルの貼り付け、車内での飾りつけなどが施されていた。なお、2011年10月に座席モケットは3950形と同様のモケットに変更された。
その後の量産は3950形に移行した。
運用
編集2020年4月現在、2号線(宮島線)専用運用となっている。朝ラッシュのみ、宮島口方面→紙屋町西→広電本社前の運用に就く。ただし、毎年7月末に行われる「広島みなと夢花火大会」では、臨時便として5号線(比治山線)や海岸通からの区間運用に就くことがある。
各車状
編集車号 | 竣工 | 所属車庫 | 塗装 | ICカード全扉乗降サービス対応日[3] | 備考 |
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3901 | 1990年12月 | 荒手車庫 | 標準色 | 2022年5月26日 | SiC-VVVF更新車 行先表示器がLED式に変更 |
3902 | 1990年12月 | 2022年6月4日 | |||
3903 | 1991年12月 | 標準色 | 2022年6月24日 | ||
3904 | 1992年1月 | 日本赤十字社広島県支部 「GO!献血」ラッピング電車 |
2022年5月28日 | ||
3905 | 1992年12月 | 標準色 | 2022年6月9日 | ||
3906 | 1995年11月 | 標準色[4] | 2022年6月1日 | 行き先表示器がLED式に変更 | |
3907 | 1996年12月 | 宮島口観光商業施設「etto」 ラッピング電車「etto号」[5] |
2022年6月10日 | ラッピングは2020年3月1日から運用開始
行先表示器がLED式に変更 | |
3908 | 1996年12月 | 標準色 | 2022年5月21日 | 行先表示器がLED式に変更 |
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 広島電鉄殿 3900 形電車の主回路装置更新で SiC 素子適用 VVVF インバータ装置を納入 (PDF) - 東洋電機製造ニュースリリース 2017年3月16日
- ^ 「SiC素子の適用による鉄道用VVVFインバータの小型軽量化」藤本・大久保・牧島・鈴木・畠山著 東洋電機製造 平成29年電気学会産業応用部門大会 5-43
- ^ "「ICカード全扉乗降サービス」を連接車両(30m級)へ拡大します!" (Press release). 広島電鉄. 8 March 2022. 2023年6月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月21日閲覧。
- ^ “『段ボールラッピング電車』3906号が段ボールデザインのラッピングで運行中”. 広島電鉄株式会社公式X(旧twitter) (2022年1月19日). 2024年1月20日閲覧。
- ^ “【第4弾】宮島口観光商業施設「etto」特別仕様のラッピング電車「etto号」が運行します”. 広島電鉄株式会社 (2020年2月27日). 2020年3月2日閲覧。
参考文献
編集- 長船友則『広電が走る街今昔 LRTに脱皮する電車と街並み定点対比』JTBパブリッシング、2005年6月。ISBN 4533059864。
- 寺田裕一『ローカル私鉄車両20年』 路面電車・中私鉄編、JTB〈JTBキャンブックス〉、2003年4月。ISBN 4533047181。
外部リンク
編集- 東洋電機製造『東洋電機技報』第136号(2017年)製品解説広島電鉄株式会社3900形更新車両用電機品 (PDF) (インターネットアーカイブ)