希望の国のエクソダス
村上龍の小説
『希望の国のエクソダス』(きぼうのくにのエクソダス)は、村上龍の小説。
希望の国のエクソダス | |
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作者 | 村上龍 |
国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
ジャンル | ポリティカル・フィクション |
発表形態 | 雑誌連載 |
初出情報 | |
初出 | 月刊文藝春秋 1998年10月号 - 2000年5月号 |
出版元 | 文藝春秋 |
刊本情報 | |
出版元 | 文藝春秋 |
出版年月日 | 2000年7月 |
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あらすじ
編集バブル崩壊から日本経済が停滞して10年、閉塞感が漂う2001年6月パキスタンの北西辺境州で、地雷処理に従事していた日本人の少年が負傷したとCNNが報じた。カメラの前でパシュトゥーン族の衣装でカラシニコフを構えた少年は、インタヴュアーの問いかけに「あの国には何もない、もはや死んだ国だ、日本のことを考えることはない」と応えた。その言葉は全国の中学生たちの意識に変革を及ぼす。彼らは集団不登校から自分たちでネットワーク『ASUNARO』を組織し、インターネットなどを駆使して新たなビジネスを始める。巧妙な外為市場の操作によって巨額の利益を得た元中学生たちは3年後、北海道に広大な土地を購入して30万人規模で集団移住、独自に都市整備と経済圏を創り上げ「希望だけがない国、日本」からの実質的な独立を果たす。
主な登場人物
編集- 関口テツジ 30代前半のフリーの雑誌ライター
- 由美子 関口と同棲している経済部門のライター
- 後藤 関口と組む雑誌ライター
- 山方 文部省の若手官僚
- 中村秀樹 ASUNAROを組織する"ブルーギャング"のメンバー
- 楠田穣一 (ポンちゃん) "ブルーギャング"のリーダー
- ナマムギ 日本を捨てパシュトゥーン族の中で生きる少年
解説
編集村上は執筆にあたり経済・教育など数々の専門家に取材を行ったとされ、その時の資料は「『希望の国のエクソダス』取材ノート」として刊行されている。
その他
編集当作の主人公は2011年より2014年にかけて『文藝春秋』にて連載された村上の長編小説、『オールド・テロリスト』にも主人公として登場する。『オールド・テロリスト』の作品世界は、当作の後年の世界として設定されている。
刊行リスト
編集- 『希望の国のエクソダス』(文藝春秋 2000年7月 ISBN 4163193804)
- 文庫版(文藝春秋 2002年5月 ISBN 4167190052)
- 『「希望の国のエクソダス」取材ノート』(文藝春秋 2000年9月 ISBN 4163565302)