川合 康三(かわい こうぞう、1948年4月4日 - )は、日本の中国文学者京都大学名誉教授日本学術会議会員。

来歴・人物

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静岡県浜松市生まれ[1]1971年京都大学文学部中国文学科卒、小川環樹に師事、1976年大学院博士課程中退[1]、京都大学助手、1979年東北大学文学部専任講師、1981年助教授、1987年京都大学文学部助教授、1995年教授を経て大学院文学研究科教授、2012年定年退任。台湾大学招聘教授(2012-13年度)、ブランダイス大学招聘教授、國學院大學文学部特別専任教授(2015-19年度)。1991年蘆北賞受賞。2000年『中国自伝文学研究』により京大文学博士

中国古典文学中唐の詩を専門とし、恋愛詩を論じた『中国のアルバ』のような著書もある。学術著作には旧漢字を用いている。2023年に『中国の詩学』で立命館白川静記念東洋文字文化賞大賞(第17回)を受賞した。

著書

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  • 曹操 矛を横たえて詩を賦す』「中国の英傑4」集英社 1986/ちくま文庫 2009
  • 『中国の自伝文学』創文社〈中国学芸叢書〉1996/講談社「創文社オンデマンド叢書」2022(電子書籍 のみ)
  • 『風呂で読む杜甫』世界思想社 1996。シリーズ風呂で読む
  • 『終南山の変容 中唐文学論集』研文出版 1999
  • 『中国のアルバ 系譜の詩学』汲古書院〈汲古選書〉2003
  • 『中国古典文学彷徨』研文出版〈研文選書〉2008
  • 白楽天 官と隠のはざまで』岩波新書 2010
  • 『中国の恋のうた 「詩経」から李商隠まで』岩波書店〈岩波セミナーブックス〉2011
  • 杜甫』岩波新書 2012
  • 『桃源郷 中国の楽園思想』講談社選書メチエ 2013。電子書籍も刊
  • 『漢詩のレッスン』岩波ジュニア新書 2014
  • 『生と死のことば 中国の名言を読む』岩波新書 2017
  • 『中国の詩学』研文出版 2022
  • 『中国古典文学の存亡』研文出版〈研文選書〉2023
  • 『偏愛的漢詩雑記帖』大修館書店 2024

共編著

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  • 文選 鑑賞中国の古典12興膳宏共著、角川書店 1988
    • 改訂版『精選訳注 文選』 講談社学術文庫 2023 - 賦・詩・文章を抜粋解説(電子書籍も刊)
  • 隋書経籍志詳攷』興膳宏共著、汲古書院 1995
  • 『中唐文学の視角』松本肇共編、創文社 1998
  • 『六朝詩人群像』「あじあブックス」大修館書店 2001。列伝で3名担当
  • 『中国の文学史観』創文社 2002。編著
  • 『中国文学研究文献要覧古典文学 1978〜2007』監修、日外アソシエーツ 2008
  • 韓愈詩訳注』研文出版 2015-(全5冊予定)。編者代表:緑川英樹・好川聡
  • 『文選 詩篇』全6巻、岩波文庫 2018-2019。
編者代表:富永一登・釜谷武志・和田英信・浅見洋二・緑川英樹

編訳

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出典

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  1. ^ a b 聞き手赤井益久「〔インタビュー〕道標 : 川合康三氏」『國學院雑誌』第120巻第6号、國學院大學、2019年6月、27-43頁、doi:10.57529/00000487 のち『中国古典文学の存亡』最終章に収録