島内颯太郎
島内 颯太郎(しまうち そうたろう、1996年10月14日 - )は、福岡県福津市出身のプロ野球選手(投手)。右投右打。広島東洋カープ所属。
広島東洋カープ #43 | |
---|---|
2019年3月12日 マツダスタジアム | |
基本情報 | |
国籍 | 日本 |
出身地 | 福岡県福津市 |
生年月日 | 1996年10月14日(28歳) |
身長 体重 |
180 cm 81 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2018年 ドラフト2位 |
初出場 | 2019年3月30日 |
年俸 | 8800万円(2025年)[1] |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
| |
この表について
|
経歴
編集プロ入り前
編集福津市立福間小学校3年時に投手兼遊撃手で野球を始め、福津市立福間中学校では軟式野球部に入部[2]。福岡県立光陵高等学校進学後は1年秋から背番号11でベンチ入りし、2年の夏からはエースとなった[2]。3年夏は福岡大会3回戦で敗退[2]。
九州共立大学進学後は2年春にリーグ戦デビューをするものの、同秋は右肘の離断性骨軟骨炎により出場なし[2]。 肘の痛みが癒えた3年春には球速が7km/hアップし、秋のリーグ戦にはチームを優勝に導き自身も防御率1位、MVPに輝く活躍も見せ[3]12月の大学日本代表候補強化合宿に招集されるが[2]、4年春はリーグで4勝を挙げるも制球を意識するあまりフォームを崩して不調に陥った[4]。その後、夏にフォームを見直してオープン戦では自己最速の152km/hを記録し、秋のリーグ戦ではエースとして活躍[4]。2018年10月27日に行われた九州大学野球選手権大会決勝戦において、東京ヤクルトスワローズに入団した久保拓眞との継投リレーで日本文理大学に勝利し、明治神宮野球大会の出場を果たす[5]。明治神宮野球大会では、2回戦で島内が伊藤裕季也から2点本塁打を打たれ、立正大学に0対2で敗れた[6]。
ドラフト3位以上でプロ入り、それ以下なら社会人野球という意志を自身が表明するなか[4]、2018年10月25日のドラフト会議で広島東洋カープから2位で指名を受ける[7]。同年11月16日広島との仮契約交渉に臨み契約金7000万円、年俸1000万円(金額はともに推定)で仮契約した[8]。背番号は43。
広島時代
編集2019年は、25試合に登板し、防御率4.40を記録。オフに、200万増となる推定年俸1200万円で契約を更改した[9]
2020年は、38試合に登板し、1勝0敗4ホールド、防御率4.54を記録。オフに、400万増となる推定年俸1600万円で契約を更改した[10]。
2021年は4月に二軍降格するも、復帰後は塹江敦哉、ロベルト・コルニエルに代わりセットアッパーとして活躍。51試合に登板し0勝2敗15ホールド、防御率3.12を記録した。特に9月は13試合に登板し防御率0.82と活躍した。[11]
2022年は開幕一軍入りを果たし、中継ぎで7試合連続で無失点に抑える好スタートを切ったが、徐々に打たれるケースが目立つようになり、5月中旬に一軍登録抹消となった。8月中旬に一軍に再昇格したが、1か月で再び抹消となるなど不本意なシーズンとなった。
2023年は開幕から一軍起用され、矢崎拓也との勝利の方程式を確立。栗林良吏の故障というチームのピンチを救い、8回を任されるとともに、5月28日のヤクルト戦ではプロ初セーブもマーク、また18試合連続無失点も達成。四球が多かった過去数年の欠点が大幅に改善された。結果として、球団史上初の最優秀中継ぎ投手タイトルを獲得した[12]。リリーフタイトルとしても、1991年の大野豊(最優秀救援投手)以来32年ぶりとなった。
2024年は3月29日の開幕戦・対横浜DeNAベイスターズ戦で先発九里亜蓮の降板後、同点の8回に2番手で登板するも、一死満塁のピンチを招き、大和に適時打を打たれ勝ち越され、これが決勝点となり敗戦投手となった[13]。4月11日の対阪神タイガース戦では0-0の8回に2番手で起用され、1回を無失点に抑え、その裏にチームが先制したため、同年初勝利を挙げた[14]。この年は勝ち運に恵まれ、最終的には床田寛樹と並ぶ球団トップタイの11勝をすべて救援で挙げた[15]。
プレースタイル・人物
編集ストレートの最速は158km/h[16][注 1]。直球主体のピッチングでフォーク、チェンジアップを交え空振りを奪うのが持ち味[2]。
手本にするのは大学の先輩で同じく広島の大瀬良大地。「大瀬良さんを目標というにはあまりにも遠すぎて・・・」と謙遜するものの、九共大上原忠監督から「大瀬良は練習が終わった後に一人で走っていた」と聞くと「プロに行くためには、自分もやらなくてはいけないと思った」と2月から練習日には欠かさずポール間を走り始めた[4]。
球団スカウトによると、同学年で島内と同じく指名順位を入団条件としていた、当時名城大学の栗林良吏(栗林は2位指名以内)と2位指名を迷ったあげく島内を指名した経緯があった。2年後栗林が社会人野球を経て入団、島内とチームメイトとなった際に『お前のせいで、大学の時にプロに入れなかったんだぞ』と、栗林から冗談を言われたという[18]。
詳細情報
編集年度別投手成績
編集年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2019 | 広島 | 25 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 127 | 28.2 | 19 | 1 | 19 | 1 | 2 | 33 | 1 | 0 | 15 | 14 | 4.40 | 1.33 |
2020 | 38 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 4 | 1.000 | 166 | 37.2 | 29 | 1 | 28 | 2 | 1 | 48 | 1 | 0 | 23 | 19 | 4.54 | 1.51 | |
2021 | 51 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 15 | .000 | 205 | 49.0 | 44 | 4 | 14 | 0 | 0 | 51 | 2 | 0 | 20 | 17 | 3.12 | 1.18 | |
2022 | 22 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 7 | .000 | 91 | 19.0 | 21 | 2 | 11 | 1 | 1 | 20 | 2 | 0 | 13 | 8 | 3.79 | 1.68 | |
2023 | 62 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 2 | 39 | .500 | 235 | 58.1 | 50 | 3 | 17 | 0 | 0 | 64 | 4 | 1 | 17 | 15 | 2.31 | 1.15 | |
2024 | 58 | 0 | 0 | 0 | 0 | 11 | 6 | 0 | 24 | .647 | 238 | 55.1 | 43 | 2 | 27 | 2 | 2 | 53 | 4 | 0 | 20 | 17 | 2.77 | 1.27 | |
通算:6年 | 256 | 0 | 0 | 0 | 0 | 15 | 14 | 2 | 89 | .517 | 1062 | 248.0 | 206 | 13 | 116 | 6 | 6 | 269 | 14 | 1 | 108 | 90 | 3.27 | 1.30 |
- 2024年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
年度別守備成績
編集年 度 |
球 団 |
投手 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2019 | 広島 | 25 | 3 | 3 | 0 | 0 | 1.000 |
2020 | 38 | 0 | 4 | 1 | 2 | .800 | |
2021 | 51 | 1 | 7 | 0 | 0 | 1.000 | |
2022 | 22 | 0 | 6 | 0 | 0 | 1.000 | |
2023 | 62 | 1 | 6 | 0 | 0 | 1.000 | |
2024 | 58 | 3 | 8 | 0 | 0 | 1.000 | |
通算 | 256 | 8 | 34 | 1 | 2 | .977 |
- 2024年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
タイトル
編集- 最優秀中継ぎ投手:1回(2023年)
記録
編集- 初記録
- 投手記録
- 初登板:2019年3月30日、対読売ジャイアンツ2回戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)、9回表に5番手で救援登板・完了、1回1失点
- 初奪三振:同上、9回表に陽岱鋼から空振り三振
- 初ホールド:2020年8月19日、対横浜DeNAベイスターズ10回戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)、7回表に2番手で救援登板、1回無失点
- 初勝利:2020年10月31日、対中日ドラゴンズ24回戦(ナゴヤドーム)、7回裏一死に3番手で救援登板、2/3回無失点[19]
- 初セーブ:2023年5月28日、対東京ヤクルトスワローズ9回戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)、9回表に3番手で救援登板・完了、1回無失点[20]
- 打撃記録
- 初打席:2019年6月21日、対オリックス・バファローズ1回戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)、5回裏に山岡泰輔から投前犠打
背番号
編集- 43(2019年 - )
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 「広島 - 契約更改 - プロ野球」『日刊スポーツ』。2024年12月7日閲覧。
- ^ a b c d e f 「島内 颯太郎」『週刊ベースボールONLINE』。2021年9月25日閲覧。
- ^ 「第46回秋季リーグ表彰選手」『福岡6大学野球連盟』。2021年12月2日閲覧。
- ^ a b c d 「ドラフト待つ“大瀬良の後輩”152キロ右腕 九共大・島内、今秋に評価再上昇」『西日本スポーツ』2018年10月13日。2021年9月25日閲覧。
- ^ 「九州共立大V2、島内→久保のドラ指名リレーで神宮」『日刊スポーツ』2018年10月27日。2019年4月17日閲覧。
- ^ 「近大が筑波大を下し2回戦進出/明治神宮大会詳細」『日刊スポーツ』2018年11月10日。2019年4月17日閲覧。
- ^ 「2018ドラフト会議、12球団指名選手一覧」『ベースボールチャンネル』2018年10月25日。2021年9月25日閲覧。
- ^ 「広島2位島内「大瀬良投手みたいに」最多勝に挑戦」『日刊スポーツ』2018年11月16日。2021年9月25日閲覧。
- ^ 「広島東洋カープ【2019-2020】」『BASEBALL KING』2019年11月24日。2021年9月25日閲覧。
- ^ 「広島島内400万増でサイン「もっと上を目指す」」『日刊スポーツ』2020年12月1日。2021年9月25日閲覧。
- ^ 「栗林につなぐ“8回の男”を担えるか。4年目を迎えた島内颯太郎にかかる期待。昨季大きく変わったのは・・」『アスリートマガジンWEB』2022年2月3日。2024年7月9日閲覧。
- ^ 「【広島】島内颯太郎が最優秀中継ぎ投手賞 自身初、球団初タイトル「来年も取れるように」」『東スポWEB』2023年11月28日。2023年12月9日閲覧。
- ^ 「広島カープ 今季 初勝利つかむ アドゥワ誠の熱投 開幕3連戦振り返り “初の開幕投手” 九里亜蓮 いきなり猛打賞の小園海斗」『TBS NEWS DIG』2024年4月1日。2024年7月8日閲覧。
- ^ 「広島カープ 虎の子の1点死守 美技好捕 連発 甲子園で2年ぶり勝ち越し 3年目・田村俊介が初ヒーローに」『TBS NEWS DIG』2024年4月12日。2024年7月8日閲覧。
- ^ 「広島・島内 35年ぶり珍事!救援投手なのに床田と並ぶチームトップ11勝 「素直に喜ぶことはできない」」『スポーツニッポン』2024年10月4日。2024年10月8日閲覧。
- ^ 「広島・島内 自己最速158キロ!1軍再昇格いきなり八回任されピシャリ 復活「もうこれを続けていくだけ」」『デイリースポーツ』2024年7月27日。2024年10月21日閲覧。
- ^ 「球速「164」球界4位!? 広島島内颯太郎に佐々岡監督「本当かな?」」『日刊スポーツ』2021年9月24日。2021年9月25日閲覧。
- ^ 「8回・島内颯太郎。9回・栗林良吏。“運命の糸”で結ばれた同学年による投手リレー」『ATHLETE MAGAZINE』2022年1月11日。2024年8月17日閲覧。
- ^ 「広島・長野が通算150号 史上176人目 今季最多タイ4連勝に貢献 島内は5球で待望プロ初勝利」『スポーツニッポン』2020年10月31日。2021年9月25日閲覧。
- ^ 「広島、3連勝&貯金2で交流戦へ 好投のアンダーソン3勝目、島内プロ初セーブ」『BASEBALL KING』2023年5月28日。2023年5月28日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 個人年度別成績 島内颯太郎 - NPB.jp 日本野球機構
- 選手の各国通算成績 Baseball-Reference (Japan)、The Baseball Cube
- 43 島内 颯太郎 - 広島東洋カープ公式サイト
- 選手情報 - 週刊ベースボールONLINE
- 島内颯太郎 (@shimauchi8246) - Instagram