山本真千子

日本の検察官

山本 真千子(やまもと まちこ、1963年10月9日 - )は、日本検察官札幌高等検察庁検事長。大阪地方検察庁特別捜査部長として森友学園問題の捜査を指揮し、籠池泰典諄子夫妻を逮捕[1]。公文書改ざんをめぐっては、告発のあった財務省関係者38人全員を不起訴処分とした[2]

やまもと まちこ

山本 真千子
生誕 (1963-10-09) 1963年10月9日(61歳)
日本の旗 兵庫県
国籍 日本の旗 日本
出身校 大阪市立大学法学部
職業 検察官
著名な実績 大阪地方検察庁特別捜査部
大阪地方検察庁検事正
札幌高等検察庁検事長
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来歴・人物

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兵庫県出身。大阪市立大学法学部卒業[3]。1991年検事任官、東京地方検察庁検事。1992年大阪地方検察庁堺支部検事。1994年神戸地方検察庁検事。1996年徳島地方検察庁検事。1998年京都地方検察庁検事。2000年京都地方検察庁舞鶴支部長兼京都地方検察庁宮津支部検事兼京都地方検察庁福知山支部検事。2002年大阪地方検察庁検事。2005年大津地方検察庁三席検事。2007年大阪地方検察庁検事。2008年金沢地方検察庁次席検事。2010年大阪地方検察庁刑事部副部長。2011年京都地方検察庁特別刑事部長。2012年東京高等検察庁検事兼東京地方検察庁総務部副部長。2013年東京地方検察庁刑事部副部長[4]。同年東京高等検察庁検事を経て、法務省人権擁護局総務課長兼法務総合研究所教官[5]

2015年10月2日、女性初の大阪地方検察庁特別捜査部長に就任[6]

森友学園問題の捜査

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2017年3月29日、学校法人森友学園が取得した大阪府豊中市の国有地で開校を目指した小学校建設にからみ、大阪地検特捜部は、学園の籠池泰典理事長が国の補助金を不正に支出させたとする補助金適正化法違反容疑の告発状を受理した[7]。さらに特捜部は4月5日、国有地売却をめぐって豊中市議会議員の木村真らが出していた財務省近畿財務局職員に対する背任容疑の告発状を受理し、山本の指揮の下で本格的に捜査に乗り出した[8][9]。同年7月31日、特捜部は詐欺などの疑いで籠池泰典・諄子夫妻を逮捕した[1]

同年4月から7月にかけて、特捜部は大阪航空局や国交省本省の航空局の幹部職員に対する事情聴取を中心に捜査を行った。犯行の意思の立証には安倍晋三昭恵夫妻と土地取引との関わりを追う必要があり、背任容疑による逮捕は困難を極めた。山本は近畿財務局のコンピュータから押収したデータをもとに、先に公文書の変造容疑を固めることにした。同年夏以降、DF(デジタルフォレンジック)センター準備室がデータの復元および解析を行い、決済文書改ざんの痕跡を突き止めた[10]。山本は2018年3月には不起訴処分とし、捜査を終結させようとしていたが[10]、同年3月2日に朝日新聞が一面トップで、国有地取引をめぐる決裁文書が書き換えられている疑いを報じた[11]ため、捜査は仕切り直された。

2018年5月31日、特捜部は告発のあった財務省関係者38人全員を不起訴処分とした[2][12]。山本は不起訴処分にしたことに関し報道陣へ説明する異例の対応を行い「特殊性に鑑みた」と話した[13]

同年6月25日、函館地方検察庁検事正に就任。同期の中で最も早く検事正に就いた一人となり、「最高検察庁の指示通りに不起訴にした論功行賞だ」と噂された[14]

2019年、大阪地方検察庁次席検事に就任[15]。2021年、大阪高等検察庁次席検事兼法務総合研究所大阪支所長に就任[16]

2022年6月24日、女性初の大阪地方検察庁検事正に就任し[17][18]下級裁判所裁判官指名諮問委員会地域委員会(大阪) 委員兼務[19]

2024年2月29日、札幌高等検察庁検事長に就任[20][21] (女性初) 。

脚注

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  1. ^ a b 今西憲之 (2017年7月31日). “籠池夫妻ついに逮捕 安倍昭恵氏、近畿財務局への告発も大注目”. AERA dot.. 2023年5月23日閲覧。
  2. ^ a b 森友改ざん・背任容疑、佐川氏ら全員を不起訴 大阪地検”. 朝日新聞 (2018年5月31日). 2023年4月19日閲覧。
  3. ^ 大阪地検検事正に初の女性、山本真千子氏「一つ一つの事件に誠実に向き合う」産経新聞2022/6/28 20:33
  4. ^ 「検事正あいさつ」検察庁
  5. ^ 「人事、法務省」日本経済新聞(2013/7/5 5:00)
  6. ^ 大阪地検特捜部に初の女性部長”. 産経新聞 (2015-10-61). 2023年5月23日閲覧。
  7. ^ 森友学園:大阪地検、籠池氏捜査へ…補助金不正受給容疑”. 毎日新聞 (2017年3月29日). 2023年5月23日閲覧。
  8. ^ 近畿財務局を本格捜査へ 特捜部が告発受理”. テレビ朝日 (2017年4月6日). 2023年5月23日閲覧。
  9. ^ “民進・江田憲司氏のツイートが炎上「大阪地検の女性特捜部長のリーク…」”. 産経新聞 (産経新聞社). (2018年4月6日). https://www.sankei.com/article/20180406-7NKM5RE5KFPXRGAOCQGWBYSJN4/ 2018年4月7日閲覧。 
  10. ^ a b 森功 2019, pp. 11–12, 161–165.
  11. ^ スクープの裏側 「森友学園にまつわる公文書改ざん報道」から見る、記者たちの姿勢 ちょい読みで、わたしが広がる。”. 朝日新聞. 2023年5月16日閲覧。
  12. ^ 処分通知書(2018年6月1日)”. 大阪地方検察庁 (2018年6月1日). 2023年4月21日閲覧。
  13. ^ 佐川氏ら不起訴 「森友」文書改ざん 大阪地検日本経済新聞2018/5/31 15:11
  14. ^ “佐川不起訴”の女特捜部長がご栄転 函館地検トップに”. デイリー新潮 (2018年7月14日). 2023年5月23日閲覧。
  15. ^ 人事 法務省毎日新聞2019年11月8日 東京朝刊
  16. ^ 人事、法務省”. 日本経済新聞 (2021年4月8日). 2021年4月8日閲覧。
  17. ^ 人事 法務省”. 毎日新聞. 2022年6月23日閲覧。
  18. ^ 日本放送協会. “大阪地検初の女性検事正就任 “検察の使命果たしたい”と抱負|NHK 関西のニュース”. NHK NEWS WEB. 2022年6月29日閲覧。
  19. ^ 下級裁判所裁判官指名諮問委員会 地域委員会 地域委員名簿(各地域ごとに五十音順)
  20. ^ 法務省人事(29日付):朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2024年2月14日). 2024年2月14日閲覧。
  21. ^ 「性別問わず活躍できる職場に」 札幌高検に女性初 山本検事長が着任:北海道新聞デジタル”. 北海道新聞デジタル. 2024年3月9日閲覧。

参考文献

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  • 森功『官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪』文藝春秋、2019年5月30日。ISBN 978-4-16-391027-7 

関連項目

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外部リンク

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先代
西村尚芳
大阪地方検察庁特捜部長
2015年 - 2018年
次代
小橋常和
先代
宇川春彦
函館地方検察庁検事正
2018年 - 2019年
次代
森隆志
先代
畝本毅
大阪地方検察庁次席検事
2019年 - 2021年
次代
八沢健三郎
先代
畝本毅
大阪高等検察庁次席検事
2021年 - 2022年
次代
八沢健三郎
先代
畝本毅
大阪地方検察庁検事正
2022年 - 2024年
次代
小弓場文彦
先代
神村昌通
札幌高等検察庁検事長
2024年 -
次代
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