山口 牧生(やまぐち まきお、1927年6月20日 - 2001年12月16日)は、日本石彫彫刻家

やまぐち まきお

山口 牧生
生誕 1927年昭和2年)6月20日
日本の旗 日本福岡県戸畑市
死没 2001年平成13年)12月16日
京都府亀岡市
国籍 日本の旗 日本
職業 彫刻家
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略歴

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1927年福岡県戸畑市生まれ。13歳の頃に兵庫県西宮市に移りその後終戦をむかえる。

京都大学印度哲学科に入学するが2ヶ月で美学科に転科。

大学卒業後は大阪市立美術研究所に入所、美術の道に進む。

初期は木彫から始まりセメント廃材を素材としていた。

団体展への出品や画廊での個展を経て、野外彫刻(公共彫刻)に可能性を見出し、1968年に小林陸一郎、増田正和らと「環境造形Q」を結成[1]。その時に石という素材に出会い、その後は石彫作品を主に制作。

大阪府能勢町に産する能勢黒(のせぐろ)と呼ばれる良質な御影石に惚れ込み、娘の山口さとことともに採掘所の一角や亀岡市西別院町に設けたアトリエで能勢黒を素材に作品制作に励んだ。

制作した石彫作品は京都国立近代美術館兵庫県立美術館など多くの施設でパブリックコレクションとして収蔵され、現在も日本各地で見ることができる。

西別院町のアトリエの隣りには「ミチ・ガーデン」という野外彫刻の庭があり、多くの作品を見ることが出来る。

令和3年度にかめおか霧の芸術祭で山口牧生を取り上げたことを機に、作品の一部は山口さとこから亀岡市に寄贈され、亀岡市役所内(ロータリー北側、開かれたアトリエ前)や亀岡駅北側のかめきたリバーサイドパークに移設して展示されている[2]

 
亀岡駅北の公園に設置されている作品

主な受賞歴

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  • 1974年 - 第4回神戸須磨離宮公園現代彫刻展で京都国立近代美術館賞(『股間の鳥』)[3]
  • 1975年 - 第6回現代日本彫刻展で兵庫県立近代美術館賞(『日の鞍』)[4]
  • 1976年 - 第5回神戸須磨離宮公園現代彫刻展で神奈川県立近代美術館賞(『棒状の石あるいはCosmic Nucleus』)[5]
  • 1979年 - 第8回現代日本彫刻展で北九州市立美術館賞(『四角い石』)[6]
  • 1980年 - 第7回須磨離宮公園現代彫刻展で神戸市教育委員会賞
  • 1982年 - 第8回須磨離宮公園現代彫刻展で国立国際美術館賞(『15°』)
  • 1983年 - 第14回中原悌二郎賞(『15°』[注釈 1][7]
  • 1984年 - 名古屋市都市景観大賞(環境造形Q『水の城』)
  • 1985年 - 第2回本郷新賞(環境造形Q『水の城』)
  • 1987年 - 第12回現代日本彫刻展で大賞(『SUN SADDLE ‘87』)[8]

主なパブリックコレクション

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北海道・東北

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関東・中部

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近畿

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中国・四国・九州

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脚注

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注釈

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  1. ^ 受賞作品の『15°』は受賞時には既に神戸須磨離宮公園現代彫刻展に出品されていたため、常磐公園にはその代替作品として『傾くかたち '84』が制作・設置された。

出典

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  1. ^ 山口牧生の詳細 - 作家詳細情報 - 徳島県立近代美術館”. art.bunmori.tokushima.jp. 2024年11月7日閲覧。
  2. ^ かめおか霧の芸術祭 - Facebook”. Facebook. 2024年11月7日閲覧。
  3. ^ 山口牧生《股間の鳥-サドル》”. アートプラットフォームジャパン. 2024年11月7日閲覧。
  4. ^ a b 山口牧生 第6回現代日本彫刻展”. ときわ公園. 2024年11月7日閲覧。
  5. ^ 国立新美術館 ANZAÏ フォトアーカイブ”. www.nact.jp. 2024年11月7日閲覧。
  6. ^ a b 山口牧生 第8回現代日本彫刻展”. ときわ公園. 2024年11月7日閲覧。
  7. ^ 第14回 中原悌二郎賞 代替作品 傾くかたち’84 | 旭川市”. www.city.asahikawa.hokkaido.jp. 2024年11月7日閲覧。
  8. ^ https://www.tokiwapark.jp/museum/xoops/exhibition/12/19.htm
  9. ^ 山口牧生「傾くかたち 84」 旭川の野外彫刻(46) - 北海道美術ネット別館”. goo blog. 2024年11月7日閲覧。
  10. ^ 旭川の野外彫刻 傾くかたち’84 | 旭川市”. www.city.asahikawa.hokkaido.jp. 2024年11月7日閲覧。
  11. ^ 『ふくらみのあるかたち』 山口 牧生”. sculpture-japan.com. 2024年11月7日閲覧。
  12. ^ 宗教法人長泉院附属現代彫刻美術館 » 当館のご案内”. 2024年11月7日閲覧。
  13. ^ 山口牧生 / 棒状の石あるいはCosmic Nucleus “A Bar of Stone, or Cosmic Nucleus””. @ART (2014年5月14日). 2024年11月7日閲覧。
  14. ^ Gallery Yamaguchi kunst-bau”. g-yamaguchi.com. 2024年11月7日閲覧。
  15. ^ https://spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/_archive/collection/item/S_12_762_J.html
  16. ^ 『傾くかたち-四角柱』 山口 牧生”. sculpture-japan.com. 2024年11月7日閲覧。
  17. ^ pigmonm (2019年12月25日). “岐阜市(6)岐阜県図書館周辺 彫刻放浪:豊田市と岐阜市(11)”. かけらを集める(仮)。. 2024年11月7日閲覧。
  18. ^ MICHI GARDEN ミチ・ガーデン 山口牧生”. www.gallerykai-kobe.com. 2024年11月7日閲覧。
  19. ^ 山口牧生 / 股間の鳥―サドル “Bird in Croth Saddle””. @ART (2014年2月15日). 2024年11月7日閲覧。
  20. ^ https://jmapps.ne.jp/otanimuseum/sakka_det.html?list_count=10&person_id=212
  21. ^ 会館施設ご案内”. 西宮神社会館 - 結婚式、披露宴、ブライダルフェア、お宮参り、七五三、ご宴会、会議、レセプション. 2024年11月7日閲覧。
  22. ^ けやき坂中央公園 彫刻プロムナード”. Public ART (2024年6月1日). 2024年11月7日閲覧。
  23. ^ 芸術コース” (PDF). 大阪大学総合学術博物館. 2024年11月7日閲覧。
  24. ^ 文化遺産データベース”. bunka.nii.ac.jp. 2024年11月7日閲覧。
  25. ^ パラミタミュージアム | 常設展”. paramitamuseum.com. 2024年11月7日閲覧。
  26. ^ ART, Public (2024年10月19日). “「夏至の日のランドマーク」高さ5mの無垢石を磨いた石柱は特徴的な山口牧生の彫刻作品”. Public ART. 2024年11月7日閲覧。
  27. ^ [ID:21534] SUN SADDLE ’87 : 資料情報 | 彫刻データベース(山口県宇部市) | UBE BIENNALE”. UBE BIENNALE - 彫刻データベース(山口県宇部市). 2024年11月7日閲覧。
  28. ^ pigmonm (2019年1月16日). “下関市立美術館 [岩国・錦帯橋→和木→大竹→下関→門司→小倉・第2日(2)]”. かけらを集める(仮)。. 2024年11月7日閲覧。
  29. ^ 四角い石と丸い石たち - コレクション - 広島市現代美術館 | Hiroshima MOCA”. 広島市現代美術館 | Hiroshima MOCA - 緑豊かな比治山公園に位置する、公立では全国初の現代美術専門館。2023年リニューアル! (2024年6月18日). 2024年11月7日閲覧。
  30. ^ くまの議会だより70号 「バランス・ストーン」 ~ vol.2 シリーズ石造物 ~” (PDF). 熊野町. 2024年11月7日閲覧。
  31. ^ しまなみ海道・生口島の『島ごと美術館』全17作品の 見所・行き方を徹底解説!/広島県尾道市 | 瀬戸内Finder”. www.setouchi.travel. 2024年11月7日閲覧。
  32. ^ ART, Public (2024年10月20日). “「平成のふたつ岩」寓話にもとづいた親しみのあるパブリックアートは多くの実績を遺した山口牧生の質の高い作品”. Public ART. 2024年11月7日閲覧。
  33. ^ https://art.bunmori.tokushima.jp/text/yomi/1120146_1.html
  34. ^ 小豆島に集まれ!たくさんの笑顔たち:八拾八ヶ所 - livedoor Blog(ブログ)”. blog.livedoor.jp. 2024年11月7日閲覧。

外部リンク

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