居眠り
居眠り(いねむり、英: snooze)は、公共の場や職務中において睡眠すること。日本において顕著に観察される慣習である[1][2]。
概要
編集「その場で寝る」を表す日本語由来の語として日本国外で参照されることがある[3]。従業員が職務への忠誠を間接的に示す方法という解釈もある。長時間労働による自宅睡眠時間の短縮化の帰結として居眠りを強いられているという訳である。上司に自身のハードワークを認識させる目的で、故意に居眠りを装うこともあるとされる[1]。
NASAの実験によれば、日中の睡眠によりワーキングメモリの効率が高まる。つまり他の作業に関わる情報を忘れずに記憶しつつ、目の前の作業により集中できるようになる。ワーキングメモリは簡単ではない作業を行う際に特に必要となる基礎機能とされる[4]。
国会を始め、議会での議員の議場での居眠りは批判されることが多い。一方で、国会が形式的なものとなっており、全員が出席して黙って座っている今の国会の審議の在り方を変えるべきだという意見もある[5][6]。一部の議会では、酸素ボックスを設置する[7]、議員の顔をカメラで写し、配信する[8]などの対策が取られている。
脚注
編集- 出典
- ^ a b Winterman, Denise (28 November 2007). “Are you getting enough?”. BBC News Magazine 15 June 2013閲覧. "Napping at work isn't acceptable in the UK, but in Japan dozing anywhere from Parliament to business meetings is allowed. It's called inemuri, which literally means "to be asleep while present"."
- ^ ブリギッテ・シテーガ『世界が認めたニッポンの居眠り』(阪急コミュニケーションズ 2013年)
- ^ Sleeping through Class to Success, Japanese notions of time and diligence, Brigitte Steger, Time & Society, VOL. 15 No. 2/3 (2006), σελ. 197–214, SAGE (London, Thousand Oaks, CA and New Delhi), 0961-463X DOI: 10.1177/0961463X06066952
- ^ NASA Naps 15 June 2013閲覧, ""To our amazement, working memory performance benefited from the naps, [but] vigilance and basic alertness did not benefit very much," says Dinges."
- ^ “センセイ方、居眠りや読書はNO! 市議会の中継動画で議席を写し始めて議員に生まれた変化:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2023年1月23日閲覧。
- ^ “国会での居眠り「そりゃ寝ますよ」 儀式になっている現状が問題だ”. 文化放送 (2022年11月25日). 2023年1月23日閲覧。
- ^ “設置から半世紀以上 国会に謎の「酸素ボックス」 居眠り防止”. 毎日新聞. 2023年1月23日閲覧。
- ^ 日本放送協会. “居眠りなど防止 議員の顔わかる映像を中継 千葉 市川市議会 | NHK”. NHKニュース. 2023年1月23日閲覧。