小曽戸洋

日本の医史学者、薬剤師、鍼灸師 (1950-)

小曽戸 洋(こそと ひろし、1950年8月16日[1] - )は、日本の医史学者医学博士文学博士薬剤師鍼灸師北里大学東洋医学総合研究所医史学研究部部長、第11代日本医史学会理事長[2]日本東洋医学会理事[3]日本薬史学会評議員[4]

略歴

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1950年、山口県下関市生まれ。1974年東京薬科大学卒業。1976年東京高等鍼灸専門学校卒業後、近畿大学東洋医学研究所研究員(1976年-1979年)、鹿児島大学医学部第一生理学研究生(1977年-1981年)を経て、1982年より北里研究所東洋医学総合研究所に勤務し、東洋医学史の研究に従事[5][6]、前北里研究所教授。

父の丈夫(薬剤師薬史学者、医史学者)が戦時中、中国において矢数道明の弟の有道に漢方の指導を受けていた縁で、1975年に矢数道明の門下に入り、以後、医史学漢方医学の世界に身を置くこととなる[7]

1985年日本大学医学部(生化学)にて医学博士号取得[8]2009年、日本大学文理学部にて「中国医学古典と日本 書誌と伝承」で文学博士号取得。

受賞歴

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  • 平成5年(1993):日本医史学会第5回矢数医史学賞:小曽戸洋・真柳誠『小品方・黄帝内経明堂』エンタプライズ[9]
  • 平成9年(1997):日本医史学会第9回矢数医史学賞:小曽戸洋『中国医学古典と日本―書誌と伝統』塙書房[9]
  • 平成11年(1999):第13回間中賞[10]
  • 平成20年(2008):第24回大塚敬節記念東洋医学賞(日本東洋医学会)

著書

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  • 『中国医学古典と日本:書誌と伝承』塙書房、1996年
  • 『漢方の歴史:中国・日本の伝統医学』大修館書店<あじあブックス>、1999年
  • 『日本漢方典籍辞典』大修館書店、1999年
  • 『NHK知るを楽しむ―歴史に好奇心-漢方なるほど物語』日本放送出版協会、2007年

共編著・監修

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  • 小曽戸丈夫共編著『意釈医経解惑論:玉函書』全2巻、築地書館、1981年
  • 監修、篠原孝市ほか編:『東洋医学善本叢書8:解題・研究・索引』東洋医学研究会、1981年
  • 真柳誠共編『和刻漢籍医書集成』第1-16輯、エンタプライズ、1988-1992年
  • 北里研究所附属東洋医学総合研究所医史文献研究室編:『小品方・黄帝内経明堂古鈔本残巻』、北里研究所東洋医学総合研究所、1992年
  • 長谷部英一町泉寿郎共著『五十二病方』東方書店<馬王堆出土文献訳注叢書>、2007年
  • 武田科学振興財団杏雨書屋編集:『杏雨書屋所蔵医家肖像集』武田科学振興財団、2008年
  • 『針灸の歴史 悠久の東洋医術』天野陽介共著. 大修館書店(あじあブックス 2015

研究助成

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  • 小曽戸洋(研究代表者):国宝・上杉本『史記』扁鵲倉公伝における月舟寿桂注の医史学的研究、文部省科学研究費補助金(一般研究C)、1994~1995年度[11]
  • 小曽戸洋(研究代表者):江戸時代医学・本草学資料の整理と研究、文部科学省科学研究費補助金(特定領域研究)、2002~2003年度[11]
  • 小曽戸洋(研究代表者):江戸時代医学・本草学資料の整理と研究、文部科学省科学研究費補助金(特定領域研究)、2004~2005年度[11]
  • 小曽戸洋(研究代表者):江戸時代医学・本草学資料の整理と研究 Ⅲ、文部科学省科学研究費補助金(基盤研究C)、2012年4月1日~2015年3月31日[11]

脚注

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  1. ^ 『著作権台帳』
  2. ^ (社)日本医史学会沿革
  3. ^ 「東洋医学会について:役員一覧」日本東洋医学会公式webページ、2009年2月23日閲覧
  4. ^ 「日本薬史学会役員一覧」日本薬史学会公式webページ、2009年2月23日閲覧
  5. ^ 小曽戸洋監修『東洋医学善本叢書8:解題・研究・索引』東洋医学研究会、1981年、主編者略歴より
  6. ^ 稲木一元、小曽戸洋『金匱要略』全三巻、ツムラ、1992年、p306(執筆者略歴より)
  7. ^ 大塚恭男ほか「矢数道明先生を偲ぶ」『漢方の臨床』2002年、49巻、12号、p1638
  8. ^ 小曽戸洋ほか「特別企画座談会:総合医学としての漢方を見る:その歴史と展望」『月刊漢方療法』2007年、10巻、10号、p727
  9. ^ a b 「矢数医史学賞受賞者一覧」日本医史学会公式webページ、2018年4月8日閲覧
  10. ^ 『医道の日本』1999年10月号(Vol.58、No.10、665号)
  11. ^ a b c d 科学研究費助成事業データベース

外部リンク

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脚注

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