小春日和

晩秋から初冬にかけての、暖かく穏やかな晴天

小春日和(こはるびより)は、晩から初にかけての、暖かく穏やかな晴天である[1]

春先頃の暖かい日と間違えやすいため注意。

移動性高気圧に覆われるなどして発生する。

冬の季語である(陰暦の冬は旧暦10月12月)。

小春

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小春(しょうしゅん、こはる)は、漢籍旧暦10月の異称である。このころの気候と陽気がに似ているため、小春と呼ばれるようになった[2]

新暦では、おおよそ11月ごろ。より詳細には、小雪11月22日ごろ)を含む朔望月であり、最大で10月23日ごろ~12月22日ごろが旧暦10月になりうる。

小春日和と同様に、冬の季語である。

各地の呼び名

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緯度各地に同様の気候があるが、地域により時期は若干ずれる。

インディアン・サマー
北米(元はニューイングランド)では同様の気候を Indian summer(インディアン・サマー、インディアンの夏)と呼び、小春日和と訳される[3]
アメリカ合衆国国立気象局 (NWS) では、Indian summer
An unseasonably warm period near the middle of autumn, usually following a substantial period of cool weather.
(中秋ごろの、季節はずれに暖かい期間で、通常は涼しい気候が相当期間続いた後に来る) — National Weather Service Glossary[4]
と説明している。
バービエ・レータ
ロシアでは同様の気候を бабье лето (バービエ・レータ、婦人の夏)と呼び、小春日和と訳される[5]
ただし緯度の違いから時期がずれ、初秋[5]8月下旬から9月上旬[6]9月14日から9月21日または27日[7]などとされる。
秋トラ(秋老虎)
中国などの中華圏では同様の気候を秋老虎(チユラオフー、秋のトラ)と呼び、小春日和と訳される[8]
ロシアと同じ、9月から10月までとされることが多く、秋に入ってからより強めの熱気を指す。

その他、中欧や北欧では「老婦人の夏」、イギリスでは「聖マルタンの夏」と呼ばれる[9]

出典

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  1. ^ 気象庁|予報用語 季節現象
  2. ^ 荊楚歲時記
  3. ^ 松田徳一郎 編「Indian summer」『リーダーズ英和辞典研究社、1984年。 
  4. ^ National Weather Service Glossary: Indian Summer
  5. ^ a b бабий」『博友社ロシア語辞典』博友社、1975年。 
  6. ^ ブロックハウス・エフロン百科事典
  7. ^ Толковый словарь живого великорусского языка
  8. ^ 鄧麗婷 (2016年8月10日). “立秋後勁熱 「秋老虎」真來了? 天文台前高層:未必咁準” (中国語). 香港01. 2021年11月30日閲覧。
  9. ^ 饒村曜『こんなにためになる気象の話』ナツメ社、2003年、135頁。ISBN 4-8163-3468-8 

関連項目

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