奥野春菜
奥野 春菜(おくの はるな、1999年3月18日 - )は、三重県出身の女子レスリング選手。階級は53㎏級と55kg級。身長158cm[1]。
獲得メダル | ||
---|---|---|
日本 | ||
女子 レスリング・フリースタイル | ||
世界選手権 | ||
金 | 2017 パリ | 55kg級 |
金 | 2018 ブダペスト | 53kg級 |
金 | 2023 ベオグラード | 55kg級 |
アジア競技大会 | ||
銅 | 2018 ジャカルタ | 53kg級 |
U-23世界選手権 | ||
金 | 2017 ブィドゴシュチュ | 55kg級 |
金 | 2019 ブダペスト | 53kg級 |
金 | 2022 ポンテベドラ | 53kg級 |
世界ジュニア選手権 | ||
金 | 2019 タリン | 53kg級 |
世界カデット選手権 | ||
金 | 2016 トビリシ | 52kg級 |
銅 | 2014 スニナ | 52kg級 |
来歴
編集2歳半の時にオリンピック3連覇の吉田沙保里を輩出した一志ジュニア教室で姉に続いてレスリングを始めた[2]。久居西中学時代はジュニアクイーンズカップや全国中学生選手権52kg級などで優勝を飾った[1]。久居高校時代にはインターハイで女子史上2人目の3連覇を果たした[3]。また、1年の時には世界カデット選手権で3位、2年の時にはアジアカデット選手権で優勝、3年の時には世界カデット選手権で優勝した[1]。
2017年には至学館大学へ進学した。1年の時には全日本選抜の55kg級に出場すると、初戦でライバルである安部学院高校3年の南條早映を破ると、決勝では元世界チャンピオンの浜田千穂に競い勝って初優勝を飾った[4][5]。その後の強化合宿での内容などを踏まえて世界選手権代表に選ばれた[6]。世界選手権では準決勝まで圧勝するも、決勝ではナイジェリアのオデュナヨ・アデクオロイに5-4で競い勝って18歳にして世界チャンピオンとなった[7][8]。続いて初開催となった23歳以下の世界一を決める大会であるU-23世界選手権では決勝で世界選手権3位のベラルーシのイリナ・クラチキナを5-2で破って55kg級の初代世界チャンピオンとなった[1][9][10]。全日本選手権では新階級の53kg級に出場して優勝を飾った[11]。2018年3月に高崎で開催されたワールドカップでは日本チームの優勝に貢献した[12]。
2年の時には全日本選抜選手権で優勝して世界選手権代表に選ばれた[1]。アジア大会では準決勝で北朝鮮のパク・ヨンミに敗れて3位だった[13]。世界選手権では決勝でアメリカのサラ・ヒルデブラントに11-0でテクニカルフォール勝ちして、前年の55㎏級に続いて大会2連覇を飾った[14][15][16]。
3年の時にはジュニアクイーンズカップ決勝で至学館大学の今井佑海を6-1で破って優勝した[17]。全日本選抜選手権では決勝で55kg級世界チャンピオンの向田真優に1-2で敗れて、世界選手権代表にはなれなかった[18]。7月には非オリンピック階級である55kg級の世界選手権代表選考プレーオフで入江ななみに敗れて、この階級でも世界選手権代表にはなれなかった[19]。世界ジュニア53㎏級では優勝を飾った[20]。これにより、史上初となる4部門(カデット、ジュニア、U-23及びシニア)での世界チャンピオンとなった[21]。U-23世界選手権では53kg級で優勝して、2年前の55kg級に続いて2階級制覇を果たした[1][22]。成田で開催されたワールドカップでは全勝して日本チームの大会5連覇に貢献した[23][24]。全日本選手権では決勝で入江を破って優勝した[1]。
2021年からは自衛隊体育学校の所属になった[1]。2022年の全日本選抜選手権では決勝で世界チャンピオンである日体大1年の藤波朱理に敗れて2位だった[1]。U-23世界選手権では3度目の優勝を飾った[25]。全日本選手権では準決勝でオリンピックチャンピオンの志土地真優を破るも、決勝で藤波に0-5で敗れて2位だった[26]。7月には非オリンピック階級である世界選手権55㎏級の代表決定プレーオフで優勝した[1]。世界選手権では決勝でアメリカのジャッカラ・ウィンチェスターを4-2で破って、世界選手権3度目の優勝を飾った[27]。12月の全日本選手権では決勝で育英大学2年の清岡もえに敗れて2位だった[28]。2024年5月の全日本選抜選手権には村山姓で出場して優勝するも、世界選手権代表決定プレーオフで清岡に2-3で敗れた[29]。
主な戦績
編集- 2011年 - ジュニアクイーンズカップ 中学生の部 3位(48kg級)
52kg級での戦績
- 2012年 - ジュニアクイーンズカップ 中学生の部 3位
- 2012年 - JOC杯カデットの部 3位
- 2012年 - 全国中学生選手権 3位
- 2012年 - 全日本女子オープン選手権(中学生の部) 優勝
- 2013年 - ジュニアクイーンズカップ 中学生の部 優勝
- 2013年 - JOC杯カデットの部 3位
- 2013年 - 全日本女子オープン選手権(中学生の部) 優勝
- 2013年 - 全国中学生選手権 優勝
- 2013年 - 全国中学選抜選手権 優勝
- 2014年 - ジュニアクイーンズカップ カデットの部 2位
- 2014年 - JOC杯カデットの部 2位
- 2014年 - 世界カデット選手権 3位
- 2014年 - インターハイ 優勝
- 2014年 - 全日本女子オープン選手権(高校生の部) 優勝(56kg級)
- 2014年 - 全日本選手権 3位(55kg級)
- 2015年 - クリッパン女子国際大会 カデットの部 優勝
- 2015年 - ジュニアクイーンズカップ カデットの部 2位
- 2015年 - JOC杯カデットの部 優勝(56kg級)
- 2015年 - アジアカデット選手権 優勝
- 2015年 - インターハイ 優勝
- 2015年 - 全日本女子オープン選手権(高校生の部) 優勝(56kg級)
- 2015年 - 全日本選手権 5位(53kg級)
- 2016年 - クリッパン女子国際大会 カデットの部 優勝
- 2016年 - ジュニアクイーンズカップ カデットの部 優勝
- 2016年 - インターハイ 優勝
- 2016年 - 世界カデット選手権 優勝
- 2016年 - 全日本女子オープン選手権(シニアの部) 3位(53kg級)
- 2016年 - 全日本選手権 5位(53kg級)
- 2017年 - クリッパン女子国際大会 優勝(53kg級)
55kg級での戦績
- 2017年 - ジュニアクイーンズカップ ジュニアの部 優勝
- 2017年 - JOC杯 ジュニアの部 優勝
- 2017年 - 全日本選抜 優勝
- 2017年 - 世界選手権 優勝
- 2017年 - U-23世界選手権 優勝
53kg級での戦績
- 2017年 - 全日本選手権 優勝
- 2018年 - ワールドカップ 優勝
- 2018年 - ジュニアクイーンズカップ ジュニアの部 優勝
- 2018年 - 全日本選抜選手権 優勝
- 2018年 - アジア大会 3位
- 2018年 - 世界選手権 優勝
- 2019年 - ジュニアクイーンズカップ ジュニアの部 優勝
- 2019年 - 全日本選抜選手権 2位
- 2019年 - 世界ジュニア 優勝
- 2019年 - 全日本学生選手権 優勝
- 2019年 - U-23世界選手権 優勝
- 2019年 - ワールドカップ 優勝
- 2019年 - 全日本選手権 優勝
- 2021年 - 全日本選抜選手権 3位
- 2021年 - 全日本選手権 3位
- 2022年 - 全日本選抜選手権 2位
- 2022年 - U-23世界選手権 優勝
- 2022年 - 全日本選手権 2位
- 2023年 - 全日本選抜選手権 3位
55㎏級での戦績
(出典[1])
脚注
編集- ^ a b c d e f g h i j k JWF WRESTLERS DATABASE : 日本レスリング協会 奥野春菜
- ^ 吉田沙保里の遺伝子を次ぐ次世代姉妹
- ^ 奥野春菜(三重・久居)が女子史上2人目の3年連続優勝を達成
- ^ 18歳奥野、誇れる初V=全日本選抜レスリング 時事通信
- ^ 18歳奥野、強豪を次々撃破で初制覇「ずっと優勝するつもりでやってきた」/レスリング サンケイスポーツ
- ^ 世界選手権女子55キロ級代表に18歳奥野/レスリング サンケイスポーツ 2017年6月28日
- ^ レスリング世界選手権 18歳奥野が初優勝 NHK 2017年8月24日
- ^ World Championships 2017
- ^ 奥野春菜ら4階級で日本勢V U-23世界選手権 産経新聞 2017年11月24日
- ^ 奥野春菜(至学館大)ら4選手が優勝…U-23世界選手権
- ^ 川井梨紗子、高橋侑希らが優勝 レスリング全日本 日刊スポーツ 2017年12月23日
- ^ 日本、中国下し4連覇 レスリング女子W杯 日本経済新聞 2018年3月18日
- ^ レスリング入江、決勝で敗れ銀メダル 川井と奥野は銅/アジア大会 サンケイスポーツ 2018年8月20日
- ^ 奥野が金メダル=世界レスリング 時事通信 2018年10月26日
- ^ 【レスリング世界選手権】奥野春菜が女子53キロ級で金 ケガと恐怖心克服した超攻撃 東京スポーツ 2018年10月26日
- ^ Athletes&Results
- ^ 世界女王・奥野が復帰戦無失点V「とにかく試合がしたかった」 スポーツ報知 2019年4月3日
- ^ 川井梨、伊調破り優勝=土性、文田ら代表入り-全日本選抜レスリング 時事通信 2019年6月16日
- ^ 太田忍(ALSOK)が63kg級で勝つ、30年ぶりに男子高校生が代表へ…非オリンピック階級世界選手権代表選考プレーオフ
- ^ 奥野ら優勝=レスリング世界ジュニア 時事通信 2019年8月17日
- ^ 【記録】奥野春菜(至学館大)が世界初の4部門の世界チャンピオンへ
- ^ 奥野、南條ら4階級で優勝 U-23世界選手権/レスリング サンケイスポーツ 2019年11月2日
- ^ レスリング女子W杯、日本V5 決勝で米国下す 47NEWS 2019年11月17日[リンク切れ]
- ^ “レスリング女子W杯、日本V5 決勝で米国下す”. 共同通信 (2019年11月17日). 2022年5月12日閲覧。
- ^ 奥野春菜、南條早映、尾﨑野乃香、森川美和が優勝
- ^ 藤波朱理が106連勝でV3 パリ五輪へまっしぐら レスリング全日本選手権 スポーツニッポン 2022年12月25日
- ^ 55キロ級の奥野春菜が3度目の金メダル 東京スポーツ 2023年9月20日
- ^ 清岡もえ(育英大)が世界女王の奥野春奈(自衛隊)を破って連覇達成
- ^ 清岡らが代表入り レスリング 時事通信 2024年5月25日