奥山 かずお(おくやま かずお、1939年11月11日[1] - 2010年4月4日[2][3])は、日本の児童文学作家。本名は奥山 一夫[2][3]日本児童文芸家協会会員であった[4]

奥山かずお
ペンネーム 奥山 かずお
誕生 奥山 一夫
1939年11月11日
樺太
死没 (2010-04-04) 2010年4月4日(70歳没)
北海道根室市
職業 児童文学作家
国籍 日本の旗 日本
活動期間 1979年 - 2010年
ジャンル 児童文学
代表作 『のどしろの海』
主な受賞歴 講談社児童文学新人賞
小川未明文学賞
デビュー作 『木の上の少年』
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1979年(昭和54年)に『木の上の少年』で講談社児童文学新人賞佳作を、2000年(平成12年)に『のどしろの海』で小川未明文学賞大賞を受賞した[3]

経歴

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1939年(昭和14年)、樺太で生まれる[4]。その後旭川市で育つ[5]。幼少期に読んだ『ロビンソン・クルーソー』に感化され、児童文学作家を志す[1]

海が好きであったことから、海辺の町である根室市に転居する[5]。若いころから創作活動を行い、北方領土の歌などの作詞を手掛けていた[3]1979年(昭和54年)には児童文学の登竜門とされる講談社児童文学新人賞の佳作を『木の上の少年』で受賞した[3]1981年(昭和56年)には北海道放送(HBC)制作のテレビドラマ『鮭を待つ少年』の原作を執筆した[3]。これ以降、執筆構想は持ちながらも筆が進まない日々が続く[5]。当時を振り返り、奥山本人は「当時の作品が評価され、うぬぼれて思うように書けなかった」と述べている[5]

ある時、奥山は北方領土の勇猛なトドの写真を目にし、長年の構想をわずか約10日で一気に物語として書き上げた[5]。こうして完成したのが『のどしろの海』である[5]。2000年(平成12年)10月、61歳で『のどしろの海』が小川未明文学賞の大賞を受賞する[1]。当時創作活動の傍ら、北方四島交流センターで警備員として勤務していた[4]

2003年(平成15年)3月には、ハイビジョン映像株式会社から『のどしろの海』のアニメ映画化の企画が持ち込まれ、四辻たかお監督脚本を務めるとの報道があり[5]、翌月にも制作委員会が発足し、来夏劇場公開予定と報じられた[6]。しかし、実際に公開されることはなかった。2009年(平成21年)8月、『のどしろの海』が中国語に翻訳され、『紅色的海』の題で台湾にて出版された[3]。この知らせを聞いた時には病と闘っていたが、新たな創作意欲を高めたという[3]2010年(平成22年)4月4日午前11時、根室市内の病院肺癌のため死去、70歳であった[2][3]

主な作品

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  • 『木の上の少年』
第20回講談社児童文学新人賞佳作[3]
  • 『鮭を待つ少年』
北海道放送(HBC)制作、高橋正圀脚本、甫喜本宏演出のテレビドラマ[7]。1981年3月7日16:00-16:55に「北方領土返還キャンペーンドラマ」として単発放映された[7]
  • 『ああ故郷は海の彼方に』
北方領土の歌[3]。根室市音楽協会発行『ねむろの唄 : 唄でつづる根室の歴史』(1980年12月)に収録されている[8]
第9回小川未明文学賞大賞[9]知床を舞台として少年の成長を描く物語[2][3]。2009年に台湾で『紅色的海』として翻訳出版された[3]
「広報ねむろ」2001年6月号によると、「ちょっとセンチメンタルな少年少女の物語」であるという[1]。根室市図書館で所蔵する。
  • 奥山かずお「創作 金色のゴン」『児童文芸』第47巻第7号、日本児童文芸家協会 ; 東京、2002年12月、94-102頁、ISSN 0916-9857NAID 40001601271 

脚注

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  1. ^ a b c d ボイス オブ ねむろ 「愛と信頼と勇気」”. 広報ねむろ. 根室市 (2001年6月). 2015年7月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月3日閲覧。
  2. ^ a b c d 共同通信 (2010年4月6日). “奥山かずお氏死去 作家”. 47NEWS. 2015年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月3日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m 釧路新聞 (2010年4月6日). “奥山かずおさん死去”. なまら北海道. 北海道インデックス. 2015年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月3日閲覧。
  4. ^ a b c 奥山かずお”. エルパカBOOKS. HMV. 2015年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月3日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g "「のどしろの海」アニメ化 根室在住・奥山さん原作"朝日新聞2003年3月23日付朝刊、北海道版29ページ
  6. ^ 「のどしろの海」アニメに/知床を舞台、来年夏に公開”. 四国新聞 (2003年4月19日). 2015年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月3日閲覧。
  7. ^ a b 古崎康成. “鮭を待つ少年 - ドラマ詳細データ”. テレビドラマデータベース. 2015年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月3日閲覧。
  8. ^ ねむろの唄 : 唄でつづる根室の歴史/1980.12”. リサーチ・ナビ. 国立国会図書館. 2015年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月3日閲覧。
  9. ^ 学研の新・創作『のどしろの海』”. 学研出版サイト. 学研マーケティング. 2015年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月3日閲覧。

関連項目

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