天文要録(てんもんようろく)は、中国唐代に作られたとされる天文学書籍。全50巻(うち現存26巻)。

序に麟徳元年(664年)に李鳳高宗に奏上したとする記述があるが、中国の正史目録からの確認は出来ない。日本には遅くても平安時代初期までに伝わったとされ、『三代実録貞観18年7月27日876年8月20日)条に五色雲の出現を巡る占文の出典として採用され、以後も天文道において尊重され、安倍氏賀茂氏中原氏などの天文密奏の際に引用されている。

尊経閣文庫所蔵の巻1に記された目録(目次)とその本文内容などから、そのおおよその内容は判明しており、五星二十八宿・石氏・甘氏・巫氏などに分かれ、かつて発生した天文現象やそれにまつわる占星術緯書などの説を類書形式にまとめたものであり、天文異変の際に天文博士らが参照にしたものと考えられている。