大阪王将
大阪王将(おおさかおうしょう)は、イートアンドホールディングスの子会社である株式会社大阪王将が日本を中心に世界に展開している日本の中華料理店チェーンである。餃子の王将ののれん分けに端を発するが、両社間の係争もあり、1985年より現在の名称となる。
種類 | 株式会社 |
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本社所在地 |
日本 〒140-0002 東京都品川区東品川4丁目12番8号 品川シーサイドイーストタワー15階 |
本店所在地 |
〒573-0137 大阪府枚方市春日北町1丁目10番10号 |
設立 | 2020年5月25日 |
業種 | 食料品 |
法人番号 | 9120001229329 |
事業内容 | 外食事業のFC本部及び直営店の運営 他 |
代表者 | 代表取締役社長 植月剛 |
資本金 | 9000万円 |
主要株主 | 株式会社イートアンドホールディングス |
外部リンク |
www |
概要
編集王将フードサービスの創業者である加藤朝雄と親類にあった文野新造が、餃子の王将からのれん分けする形で、1969年9月に大阪府大阪市都島区京橋で営業を開始[1][2][3]。1号店はJR京橋駅近くの裏通りにオープンし、当時のメニューは、餃子、チャーハン、ラーメンの3品であったが、無料試食券などの販促により、連日学生たちが押し寄せ繁盛していたという[4]。
1号店開業から半年後の1970年には、業務形態を「餃子専門店」に変更。メニューを餃子1品に絞り、「大阪初の餃子専門店チェーン」を謳い、チェーン展開を開始した[4]。1977年8月に大阪王将食品株式会社(現・イートアンドホールディングス)として法人化し、同時にチェーン展開を本格化させた[5][4]。1982年には総店舗数100店舗を達成[3]。1988年には日本全国展開。2004年より香港1号店の開店を機に日本国外に進出。現在に至る。
また、『大阪王将』ブランドでの冷凍食品を生協および市販で販売している他[6]、2017年よりカット野菜や仕込み済み食材の使用による調理作業の効率化、調理機械やタブレット端末の導入を直営店舗で試験的に実施。2018年にはフランチャイズ店舗への導入を予定している[7][8][9]。
商標問題
編集大阪王将は餃子の王将からのれん分けした創業初期の頃、『餃子の王将』を店舗名としてそのまま使用していたが[2]、餃子の王将の営業区域である京都府に出店したことにより商標の使用を巡って裁判となり、1985年12月2日、店舗名を現在の『大阪王将』に改めることで一時は和解に至った[10][11]。
しかし、2005年12月、運営会社のイートアンドは商標とその指定商品の類似を理由に、餃子の王将を運営する王将フードサービスを相手取り、『餃子の王将』の商標登録を無効とする審判を特許庁に請求。特許庁は当時王将フードサービス側が使用していた商標2つのうち一つは一部無効、もう一つは非類似のため請求不成立の審決を下したが、これに対し両者はそれぞれの審決結果を不服として提訴。2007年7月19日、知的財産高等裁判所は特許庁の審決を2つとも取り消し、訴訟の費用については両者側がそれぞれ負担するという判決を下した[10]。
沿革
編集- 1969年(昭和44年)9月 - 文野新造が、大阪市都島区京橋にて1号店をオープン。
- 1970年(昭和45年)
- 1971年(昭和46年)9月 - 浪速フードがフランチャイズ加盟[12]。
- 1982年(昭和57年)- 総店舗数100店舗を達成[3]。
- 2001年(平成13年)4月 -「大阪王将」の名を冠した初の市販用冷凍食品「大阪王将餃子」が販売開始[13]。
- 2003年(平成15年)11月 - 東京都新宿区に新宿店がオープン、関東圏に進出[3]。
- 2004年(平成16年)
- 2005年(平成17年)3月 -『大阪王将』ブランドの市販用冷凍食品「たれ付餃子」が発売開始[13]。
- 2006年(平成18年)6月 - 総店舗数150店舗を達成[3]。
- 2009年(平成21年)
- 2011年(平成23年)
- 2012年(平成24年)
- 2013年(平成25年)8月9日 - 東京オフィスを東京ヘッドオフィスに、本社を大阪オフィスに変更し、事実上東京に本社を移転
- 2014年(平成26年)
- 2015年(平成27年)
- 2016年(平成28年)
- 2017年(平成29年)
- 2019年(平成31年)
- 2020年(令和2年)10月1日 - 持株会社体制へ移行。イートアンドが株式会社イートアンドホールディングスへ商号変更。株式会社大阪王将が事業を承継[30]。
- 2021年(令和3年)6月18日 - 初の試みとして居酒屋チェーン「つぼ八」と一店舗を共同運営する西脇店(兵庫県西脇市)をオープン[31]。
店舗展開
編集現行店舗については「大阪王将 店舗検索」を参照。
2024年4月14日時点では、日本全国に329店舗が展開されている[32]が、栃木県・山梨県には未出店。また山形県・岐阜県・三重県・長崎県からは撤退しており店舗が存在しない[32]。中国・台湾・ミャンマー・シンガポール・インドネシア・ベトナム・フィリピン・タイの8か国・地域にそれぞれ出店している[32]。かつては韓国に出店していたこともある[15]。
東京都内には店内に飲食スペースを設けず、テイクアウトと宅配専門の店舗が数店舗存在する。ただし、白山店(東京都文京区)は宅配専門店としながらも店内に飲食スペースを設けて店内での飲食も可能。
兵庫県西脇市の西脇店では居酒屋チェーン「つぼ八」と同一店舗を共同運営するシェアレストランのスタイルを取っている[31]。同場所でつぼ八を運営しているフランチャイジー企業が神戸市などで大阪王将のフランチャイズ展開も行っていたことから、つぼ八の店舗を改装しシェアレストランとしてリニューアルした[31]。
浪速フードがフランチャイジーとして運営する店舗については直営店とは異なる独自のメニューで営業が行われている[33]。
メニュー
編集餃子を中心に、ご飯もの(天津飯やチャーハンなど)、ラーメン、一品料理といったメニューを提供している[34]。特に看板メニューである餃子には、普通のものよりにおいの成分を少なくしたニンニクが使用されている[35]。これは、収穫後に独自製法の肥料に漬けることにより、においの素となるアリインの酵素反応を抑え、においの発生を減らしたものであり、2012年より大阪王将を含めたイートアンド運営の飲食店で使用されている[35][2]。また、大阪王将で提供される餃子は、具と皮が別々の状態で納品され、店舗で手巻きで作られている[36]。また、餃子を包む際には手離れを素早く行い、劣化を防ぐためにヒダも一つだけと定められている[37]。
CM
編集2021年9月より、イメージキャラクターとしてモデル・タレントの香里奈を起用しているCM一覧サイト。過去には、モデル・タレントの鈴木奈々[38]や、歌手の錦野旦を起用していたこともある[39]。トミーズ(両方)と宇都宮まきが出演していた大阪王将CM「餃子家族」は現在でもCM曲として流している店もある[要出典]。
CMへのクレーム
編集2017年10月に市販用冷凍食品「大阪王将 羽根つき餃子」のCM『これは羽根つき』篇が放送された際、同CMに出演する鈴木奈々が脚を大きく開いて腰を回す場面があることに対し、視聴者から「下品」または「不快」だとする苦情の声が上がり、一部で「餃子の王将」との混同も発生した。
不祥事
編集フランチャイズ店舗の衛生状態を巡る告発
編集2022年7月、ファイブエム商事[注 1]が運営する仙台中田店の元従業員を名乗る人物が、同店の食器や調理器具、冷蔵庫から恒常的にナメクジが発生していたこと、ホールにゴキブリが出没することもあったことなど衛生面に問題があったことをTwitter上にて告発[41]。更に、店内で野良猫を飼っており、従業員が抱っこをした後にそのまま調理していたことや、豆腐を常温で保存しており、腐った状態のまま麻婆豆腐を提供していたことなども併せて告発している[42]。大阪王将は同月25日に公式サイト上で謝罪を発表し、仙台中田店及び同じくファイブエム商事が運営する仙台西多賀ベガロポリス店を当面の間、臨時休業することとした[42][43]。同日にはファイブエム商事も公式サイト上に謝罪文を掲載した[44]。その後、大阪王将は2022年8月26日にファイブエム商事とのフランチャイズ契約を解除し、仙台中田店と仙台西多賀ベガロポリス店の2店を同日付で閉店することを発表した[45][46]。
なお、ファイブエム商事はSNSへの投稿により業務を妨害されたとして、2023年12月に宮城県警察に被害届を提出。2024年2月に元従業員を威力業務妨害の疑いで逮捕している[47][48]。同年3月5日、仙台地検は男を偽計業務妨害罪で起訴した[49]。投稿写真に写っていたナメクジは1匹だが、大量にいるとした点が人を欺く行為に当たると判断し、地検は罪名を変更したとみられる[50]。同年5月9日、仙台地検は男を店長に対する侮辱、名誉毀損の罪で追起訴した[51]。同年10月24日、仙台地裁は男に懲役1年の実刑判決を言い渡した[52]。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ “【客を呼ぶ!フードビジネス最前線】「大阪王将」イートアンド社長・文野直樹さん(上)”. ZAKZAK (産経デジタル). (2009年12月7日). オリジナルの2018年1月6日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b c 京都と大阪!「餃子の王将」と「大阪王将」あなたはどっち派?icotto、2018年1月6日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 大阪王将とは - 大阪王将2018年1月6日閲覧。
- ^ a b c 大阪王将の店舗についてイートアンド 食料品販売事業ホームページ、2018年1月6日閲覧。
- ^ https://www.eat-and.jp/company/about/history.php
- ^ 商品情報イートアンド 食料品販売事業ホームページ、2018年1月6日閲覧。
- ^ “外食、苦肉の省力調理 杵屋は手打ちやめ製麺機”. 日本経済新聞 (2017年8月21日). 2018年8月8日閲覧。
- ^ “中華料理店が中華鍋をリストラ!? 大阪王将のハイテク「職人レス店舗」とは”. ITmedia ビジネスオンライン (2018年5月30日). 2018年8月8日閲覧。
- ^ “大阪王将が人手不足対策で”職人レス化”進める チャーハンを機械で調理、次世代型店舗を続々出店”. キャリコネニュース (2018年5月30日). 2018年8月8日閲覧。
- ^ a b 判決言渡 平成19年7月19日 (PDF) 知的財産高等裁判所、2019年11月30日閲覧。
- ^ 【続】『氷山事件』は怒っている-商標法第4条第1項第11号「商標の類似」と「取引の実情」について- (PDF) 日本弁理士会、2019年11月30日閲覧。
- ^ 守口市で一号店をオープン後、 1978年に「浪速フード株主会社」として法人化。2022年現在、大阪府下で20店舗を運営
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- ^ 外食企業物語「イートアンド編」おなかいっぱいの幸せを 生活食文化の向上に貢献する - お客様に「プラスアンドの価値」をご提供する総合フードサービス企業:第1回 大阪王将誕生 - 暖簾わけで店舗拡大外食.biz、2018年8月17日閲覧。
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- ^ 美味しさへの取り組み
- ^ “全国350店舗の大阪王将 ギョーザのヒダは1つと定めている”. NEWSポストセブン (2014年1月24日). 2018年1月6日閲覧。
- ^ 『大阪王将発、世界初のマンガリッツァ豚を使用した プレミアム餃子「絶品国宝豚餃子」新TV-CM 天真爛漫でハイテンションな鈴木奈々が 餃子の美味しさを全身を使って表現!「ジューシー」篇』(プレスリリース)イートアンド、2014年7月1日 。2018年1月6日閲覧。
- ^ にしきのあきらのCM出演情報 ORICON NEWS、2018年1月16日閲覧。
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- ^ フランチャイズ店舗に関する一連の書き込みに関しまして - 大阪王将 2022年7月25日 (PDF) (アーカイブ)
- ^ 令和4年7月25日「お客様、関係者各位」ファイブエム商事(アーカイブ)
- ^ “大阪王将、ナメクジ告発の店舗閉店へ 運営元とのフランチャイズ契約を解除”. ねとらぼ (2022年8月26日). 2022年8月26日閲覧。
- ^ ““ナメクジ騒動”の「大阪王将 仙台中田店」、閉店 大阪王将が運営元とFC契約解除”. ITmedia ビジネスオンライン (2022年8月26日). 2022年8月26日閲覧。
- ^ “不衛生とSNSに投稿 飲食店の業務を妨害か 25歳の男を逮捕”. 東日本放送 (2024年2月13日). 2024年2月15日閲覧。
- ^ 東北放送 (2024年2月15日). “「ナメクジ大量にいる」SNSに"不衛生書き込み"飲食店への威力業務妨害容疑で25歳の男逮捕「間違いない」容疑認める 仙台”. TBS NEWS DIG. 2024年2月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年2月15日閲覧。
- ^ 「「店内に大量のナメクジ」とウソ投稿、元従業員を起訴…「勇気ある告発」と炎上して店は休業に」『読売新聞』2024年3月6日。2024年3月7日閲覧。
- ^ 「大阪王将「ナメクジ」告発の男を起訴 SNS投稿、偽計業務妨害罪で」『サンスポ』2024年3月6日。2024年3月7日閲覧。
- ^ “店長の名誉毀損で追起訴、仙台 SNSで「ナメクジ」投稿の男”. 共同通信. (2024年5月10日). オリジナルの2024年5月11日時点におけるアーカイブ。 2024年5月11日閲覧。
- ^ 「「店に大量ナメクジ」元従業員、SNSに虚偽投稿で実刑 仙台地裁」『サンスポ』2024年10月24日。2024年10月24日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 大阪王将ブランドサイト
- 店舗公式ウェブサイト
- 大阪王将CM一覧
- 大阪王将 (@osaka_ohsho) - X(旧Twitter)
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