大沢健夫
日本の数学者
大沢 健夫(おおさわ たけお、1951年 - )は、日本の数学者。名古屋大学名誉教授(大学院多元数理科学研究科)。専攻は、複素解析・多変数関数論、特に複素解析幾何。
来歴
編集富山県生まれ[1]。京都大学理学部卒業[2]、1978年京都大学大学院理学研究科修士課程修了[1]。1981年理学博士[1]。京都大学数理解析研究所助教授を経て、1991年名古屋大学理学部教授、1996年名古屋大学大学院多元数理科学研究科教授[1]、2017年定年退職[3]ののちに名誉教授[4]。
著書
編集- 大沢健夫 (2010). 寄り道の多い数学. 岩波科学ライブラリー. 172. 岩波書店. ISBN 978-4-00-029572-7
- 大沢健夫 (2014). 多変数関数論の建設. 双書・大数学者の数学. 12. 現代数学社. ISBN 978-4-76-870438-7
- 大沢健夫 (2017). 現代複素解析への道標 : レジェンドたちの射程. 現代数学社. ISBN 978-4-7687-0480-6
- 大沢健夫 (2018). 多変数複素解析 増補版. 岩波書店. ISBN 978-4-00-006332-6
- 大沢健夫 (2022). 関数論外伝 -Bergman核の100年-. 現代数学社. ISBN 978-4-76-870592-6
- 大沢健夫 (2023). 孫子算経から高木類体論へ 割算の余りの物語. 現代数学社. ISBN 978-4-7687-0623-7
主な記事・論文
編集京都大学数理解析研究所発行の『数理解析研究所講究録』に収録されたもののうち、主要なもの。
- 大沢健夫「複素Monge-Ampere方程式の最近の動向 : S.Kotodziejの仕事を中心に(ポテンシャル論とその関連分野)」『数理解析研究所講究録』第1553巻、京都大学数理解析研究所、2007年、66-79頁、hdl:2433/80934、ISSN 18802818。
- 大沢健夫「Bergman核と解析幾何 : ひとつの断章(Bergman核と代数幾何への応用)」『数理解析研究所講究録』第1613巻、京都大学数理解析研究所、2008年、101-115頁、hdl:2433/140090、ISSN 18802818。
- 大沢健夫「非消滅定理と収束定理(Bergman核と代数幾何への応用)」『数理解析研究所講究録』第1613巻、京都大学数理解析研究所、2008年、116-124頁、hdl:2433/140089、ISSN 18802818。
- 大沢健夫「ベルグマン核の種々の安定性について(再生核の応用についての研究)」『数理解析研究所講究録』第1618巻、京都大学数理解析研究所、2008年、1-23頁、hdl:2433/140197、ISSN 18802818。
- 大沢健夫「複素葉層の安定集合の幾何と 方程式(葉層の微分幾何とベルグマン核)」『数理解析研究所講究録』第1661巻、京都大学数理解析研究所、2009年、87-98頁、hdl:2433/140964、ISSN 18802818。
- 大沢健夫「リーマン面の塔に沿うベルグマン核の挙動について(ポテンシャル論とベルグマン核)」『数理解析研究所講究録』第1694巻、京都大学数理解析研究所、2010年、35-42頁、hdl:2433/141625、ISSN 18802818。
- 大沢健夫「完備Kähler多様体と関数論」『数学』第38巻第1号、日本数学会、1986年、15-29頁、doi:10.11429/sugaku1947.38.15、ISSN 0039-470X、NAID 130001550902。
- 大沢健夫「 評価式の複素幾何への応用」『数学』第48巻第2号、日本数学会、1996年5月、142-161頁、doi:10.11429/sugaku1947.48.142、ISSN 0039470X、NAID 10002851581。
- 大沢健夫「多変数関数論の成立からーつの展望まで」『数学』第48巻第4号、日本数学会、1996年、415-418頁、doi:10.11429/sugaku1947.48.415。
- 大沢健夫「 評価式とその幾何学への応用」『数学』第53巻第2号、日本数学会、2001年4月、157-171頁、doi:10.11429/sugaku1947.53.157、ISSN 0039470X、NAID 10007411617。
ケンブリッジ大学出版局発行の『Nagoya Mathematical Journal』に収録されたもののうち、主要なもの。
- Ohsawa, Takeo (2001). “On the extension of holomorphic functions V-Effects of generalization”. Nagoya Mathematical Journal (Cambridge University Press) 161: 1-21. CRID 1361699996447050112. doi:10.1017/s0027763000022108. ISSN 00277630 .
注釈
編集出典
編集- ^ a b c d 大沢 2014, p. 228.
- ^ 大沢 2010, p. 125.
- ^ “名古屋大学大学院多元数理科学研究科平成28年度教育・研究活動年次報告書”. p. 3. 2023年12月23日閲覧。
- ^ 大沢 2017, p. 257.
- ^ Ohsawa, Takeo (1979). “Finiteness Theorems on Weakly 1-complete Manifolds”. PRIMS (京都大学数理解析研究所) 15 (3): 853-870. doi:10.2977/prims/1195187880. ISSN 00345318. NAID 110004713398 . "The purpose of this article is to prove the following statement which was conjectured by S. Nakano"
- ^ “解析接続の解析と幾何(2019)第26回沼津改め静岡研究会”. p. 2. 2023年12月23日閲覧。
- ^ Nakano, Shigeo; Tong-Shieng RHAI (1980). “Vector bundle version of Ohsawa's finiteness theorems”. Mathematica Japonica 24 (6): 657-664 .
- ^ Ohsawa, Takeo (1982). “Isomorphism Theorems for Cohomology Groups of Weakly 1-Complete Manifolds”. PRIMS (京都大学数理解析研究所) 18 (1): 191-232. doi:10.2977/prims/1195184021. ISSN 00345318 .
- ^ 大沢 1996.
- ^ 中野茂男、大沢健夫、風間英明、鈴木昌和、安達謙三、佐藤肇、志賀潔、一松信(著)、若林功(編)「問題特集-多変数関数を中心として-」『数学』第32巻第2号、日本数学会、1980年、161-187頁、doi:10.11429/sugaku1947.32.161、ISSN 0039470X、NAID 130001557198。
- ^ Ohsawa, Takeo; Takegoshi, Kensho (1987). “On the extension of holomorphic functions”. en:Mathematische Zeitschrift 195 (2): 197-204. doi:10.1007/BF01166457.
- ^ “ICM Plenary and Invited Speakers” (英語). 2023年12月22日閲覧。
- ^ 京都大学百年史編集委員会『【部局史編 3】第25章: 数理解析研究所』京都大学後援会、1997年9月。hdl:2433/152955 。2024年2月13日閲覧。
- ^ Ohsawa, Takeo (1991). “Cheeger-Goreski-MacPherson's conjecture for the varieties with isolated singularities.”. Mathematische Zeitschrift 206 (1): 219-224. doi:10.1007/BF02571337. NAID 10004197807.
- ^ “幾何学賞受賞者の実績”. 2023年12月23日閲覧。
- ^ “最近の受賞者等 - 名古屋大学大学院多元数理科学研究科・理学部数理学科”. 2023年12月22日閲覧。
- ^ “Kołodziej and Ohsawa Receive Bergman Prize”. 2023年12月23日閲覧。