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大小磨刀

大小磨刀（だいしょうまとう、英語: The Brothers、Tai Siu Mo To、Da Siu Mo To[1]）は、香港の龍鼓水道に位置する島々[2]。大小磨刀洲（だいしょうまとうす、Tai Siu Mo To Chau）、磨刀洲（まとうす、Mo To Chau[3]）ともいい、香港のランタオ島（大嶼山）の北側にある3つの小島[4]、すなわち大磨刀（だいまとう、英語: West Brother、Tai Mo To）、小磨刀（しょうまとう、英語: East Brother、Siu Mo To）と、匙羹洲（しかんす、英語: Tsz Kan Chau）の総称。

香港における大磨刀の位置を矢印で示した地図。小磨刀は、その東隣の島。
1595年（明朝萬暦二十三年）『粤大記』「広東沿海図」部分。図の上方向が南、左方向が東。図の右手中断に、「下磨刀」、「上磨刀」と（右から左へ）記されている。
小磨刀洲。VOR/DMEが見える。
大磨刀洲。

大磨刀洲には、かつてはグラファイト（石墨）の採掘場「五福礦場」があった[5]。グラファイトの採掘が行われたのは[6]、1952年から1971年にかけてであった[7]。1964年の時点で、採掘は海面下90mの深さに及んでいた[8]。

小磨刀洲には、航空管制関係の施設である超短波全方向式無線標識 (VOR)/距離測定装置 (DME) が設けられている[9]。

1990年代、香港の赤鱲角に香港国際空港が新設された際、大小磨刀は飛行機の離着陸の障害とならないよう、平坦に削られた。その土砂を使って空港用地の埋立地が造成された[7]。平坦に削られる前には、大磨刀は標高68m、小磨刀は標高63mであった[7]。現在の大小磨刀は、いずれも居住者のいない無人島であり、公共のヘリコプター発着所と、小規模な気象観測施設、航空管制関係の施設だけが設けられている。

2007年3月、食物環境衛生署（中国語版）が、塔門洲の東側、東龍洲の東側、大小磨刀の東側、西博寮海峡（中国語版）の南側に、合わせて4か所の「海葬区」（海洋散骨のための海域）を設定した。このうち大小磨刀については、事前に知らされていなかった屯門区議会（中国語版）から猛烈な反対を受けたため、当局は、当面の間この海域を海葬場とすることを止め、新たな場所を選び直すこととなった[10]。

2016年12月30日、この一帯は、海岸公園（中国語版）に指定され、大小磨刀海岸公園（中国語版）となった[11]。一帯の海域は、シナウスイロイルカ（中華白海豚）の生息地として知られている[2][11]。

おもな事故

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脚注

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  1. ^ 英語の正式名称は「The Brothers」で、これがよく使われており、粤語拼音に基づく音写が英文で用いられることは少ない。
  2. ^ a b 呉志茵 (2016年3月11日). “填海補償效果成疑 新海岸公園恐報廢” (中国語). 香港01. 2019年12月4日閲覧。 “機場北面的龍鼓水道是高速船及貨櫃船往來之地帶，原本白海豚仍有空間往來穿梭於沙洲及龍鼓洲及大小磨刀洲一帶 ...”
  3. ^ この英字名称は、「磨刀洲」の3文字の音写であり、「The Brothers」と同様の意味である。
  4. ^ 一部には、「大小磨刀」ないし「The Brothers」は、大磨刀と小磨刀の2島を指し、匙羹洲は含まないと考える者もいる。
  5. ^ 星島日報 (2015年5月12日). “遺址話你知” (中国語). 香港: yahoo! 新聞. 2019年12月4日閲覧。
  6. ^ hku.hk Metallic Mineral Resources Archived 2010−05−28, at the Wayback Machine.
  7. ^ a b c Plant, G.W.; Covil, C.S; Hughes, R.A.; Airport Authority Hong Kong (1998). Site Preparation for the New Hong Kong International Airport. Thomas Telford. pp. 26, 47–48. ISBN 978-0-7277-2696-4. https://books.google.com/books?id=NVlGrr9WOp4C&printsec=frontcover 
  8. ^ Catalogue of Hong Kong Tunnels (December 2008) Archived 2012-03-18 at the Wayback Machine.
  9. ^ “Item for Finance Committee” (PDF). 香港: 立法會 (2004年4月30日). 2019年12月4日閲覧。
  10. ^ “大小磨刀海葬擱置”. 太陽報網頁 (2007年6月9日). 2019年12月4日閲覧。
  11. ^ a b “WWF歡迎漁護署設立大小磨刀海岸公園”. 世界自然基金會 (2016年12月30日). 2019年12月4日閲覧。
  12. ^ “審訊英京輪船沉没案”. 華字日報. (1908年8月12日) 
  13. ^ “三記英京沉没”. 華字日報. (1908年7月31日) 
  14. ^ “嶺南丸遭難始末記 航途中遇飛機掃射投彈 搭客四百餘百二人獲救”. 華僑報第肆版. (1944年12月31日) 
  15. ^ “嶺南丸被炸沉”. 西南日報第一版. (1945年1月4日) 

関連項目

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