大学』(だいがく)は、儒教経書の一つ。南宋以降、『中庸』『論語』『孟子』と合わせて四書とされた。もともとは『礼記』の一篇であり、曾子によって作られたとも秦漢の儒家の作とも言われる。

内容

編集

朱子学において、自己修養から始めて人々を救済する政治へと段階的に発展していく基本綱領が示されているとして重要視された。その内容には「明明徳」「親民」「止於至善」の三綱領と「格物」「致知」「誠意」「正心」「修身」「斉家」「治国」「平天下」の八条目が提示されている。

受容

編集

四書に含まれたことにより、東アジア全域で広く読まれた。特に江戸時代後期の日本では、『経典余師』などの注釈書訓蒙書が盛んに作られ、向学心のある庶民に広く読まれた[1]。一説には、二宮金次郎が薪を背負いながら読んでいるのも本書であるとされる[2][1]。また、パロディの対象にもなり、例えば関亭京鶴著『傾城情史 大客』などの戯作洒落本[1][3]や、古典落語廓噺の演目『廓大学』[4]などが作られた。

現代語訳

編集

関連項目

編集

脚注

編集
  1. ^ a b c 鈴木俊幸「第3章 『経典余師』というモデル」『江戸の読書熱―自学する読者と書籍流通』平凡社、2007年。ISBN 9784582842272 
  2. ^ 少年二宮金次郎像の変容【日本古書通信 編集長だより27】”. 八木書店 (2018年). 2021年3月28日閲覧。
  3. ^ 洒落本大成編集委員会『洒落本大成』第28巻、中央公論社、1987年。ISBN 978-4124007787
  4. ^ ひねりや、にせ金、磯の鮑――「禁演落語」の夏が終わる : 長井好弘’s eye : エンタメ・文化 : ニュース”. 読売新聞オンライン (2020年9月4日). 2021年3月28日閲覧。

外部リンク

編集