地中レーダー探査
(地中レーダから転送)
地中レーダー探査(ちちゅうレーダーたんさ)とは、高周波の電磁波を地中に向けて放射し、ある地中の箇所より跳ね返ってくる反射波の走時を測定することによって、地中の様子を探査する方法で、物理探査の一手法である。(電磁波レーダ手法)
概要
編集電磁波の速度は地表面の状態や地下媒体によって異なるが、反射波の走時を測定すれば、その深度がわかる。また、反射強度や波形によって反射物が何であるか予測できる。
地中レーダーは道路やトンネルの地下埋設管(ガス管・水道管・電線管等)調査、空洞調査、油田や鉱脈、近年では地雷の除去や考古学的な調査にも応用されている。
地中レーダーはアメリカ(GSSI社:応用地質株式会社)で製造されているものが多いが、日本でもNTTグループのアイレック技建株式会社をはじめ、複数のメーカーが開発・製造を行っている。
土質、含水量によって電磁波の減衰及び到達距離が異なるので周波数帯を使い分ける。
波長が長い電磁波の方が深くまで到達するが、指向性及び、分解能が下がる。周波数が高いと地表で反射したり減衰量が大きく、探査深度が限られる。
連続波地中レーダー
編集連続波地中レーダーは一般的な地中レーダよりも数倍の探査深度がある[2]。
用途
編集脚注
編集参考文献
編集- 岡田真澄, 道口由博, 大高敏秀「地中レーダーの開発」『土木学会論文集』第1987巻第385号、土木学会、1987年、150-152頁、doi:10.2208/jscej.1987.385_150、ISSN 0289-7806、NAID 130003980698。
- 西田道夫「地中レーダーの現況」『測量』第40巻、1990年、67-74頁、NAID 10003879103。
- 笠井弘幸, 阿部信太郎, 鈴木浩一、「活断層の地中レーダ法によるイメージング: その現状と展望」 『活断層研究』 1996年 1996巻 15号 p.73-86, doi:10.11462/afr1985.1996.15_73
- 西堀俊幸, 宮本英昭, 真鍋武嗣 ほか、「火星探査ローバー搭載用地中レーダーの検討状況.」 『第15回宇宙科学シンポジウム 講演集』 2015年
- 鈴木敬一, 林泰幸, 西山英一郎, 「連続波レーダトモグラフィの適用試験」報告書番号:JNC TJ7420 98-005, 1998-09, 日本原子力研究開発機構(JAEA)
- 連続波レーダによる高精度地下探査技術