国鉄1025形蒸気機関車
概要
編集この機関車は1913年(大正2年)、ドイツのアーノルト・ユンクが中越鉄道向けに1両(製造番号2061)を製造した、車軸配置0-6-0(C)の飽和式・2気筒単式のサイド・ウェルタンク機関車である。水タンクは、サイドタンクの前半部、通常のウェルタンクと同様のボイラー下部の台枠内のほか、台枠の後端部内にも設けられている。これは重量配分の関係であると推定される。石炭庫はサイドタンクの後半部分であるが、後年運転室後部に増設された。形態的には、当機の1年前に製造された新宮鉄道B形(後の鉄道省70形)との類似点が認められる。
本形式は、中越鉄道の甲4形(6)で、1920年(大正9年)9月1日付けで同鉄道が買収されたことにより、鉄道省籍を得たものである。国有化に際して、1025形(1025)と改番されたが、1923年(大正12年)には加越鉄道(後の加越能鉄道加越線)に払い下げられ、同社の3として1952年(昭和27年)まで使用された。
主要諸元
編集- 全長 : 6,436mm
- 全高 : 3,293mm
- 全幅 : 2,204mm
- 軌間 : 1,067mm
- 車軸配置 : 0-6-0(C)
- 動輪直径 : 813mm
- 弁装置 : ワルシャート式
- シリンダー(直径×行程) : 330mm×400mm
- ボイラー圧力 : 12.0kg/cm2
- 火格子面積 : 0.65m2
- 全伝熱面積 : 42.3m2
- 煙管蒸発伝熱面積 : 38.1m2
- 火室蒸発伝熱面積 : 4.2m2
- 小煙管(直径×長サ×数) : 44.5mm×2,398mm×108本
- 機関車運転整備重量 : 20.73t
- 機関車空車重量 : 16.76t
- 機関車動輪上重量(運転整備時) : 20.73t
- 機関車動輪軸重(各軸均等) : 6.9t
- 水タンク容量 : 2.05m3
- 燃料積載量 : 0.88t
- 機関車性能
- シリンダ引張力(0.85P): 5,160kg
- ブレーキ装置 : 手ブレーキ、蒸気ブレーキ