国鉄ミ170形貨車
国鉄ミ170形貨車(こくてつミ170がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)およびその前身である鉄道省等に在籍した水運車(水槽車)である。
国鉄ミ170形貨車 | |
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基本情報 | |
車種 | 水運車(水槽車) |
運用者 |
鉄道省 運輸通信省 運輸省 日本国有鉄道 |
所有者 |
鉄道省 運輸通信省 運輸省 日本国有鉄道 |
種車 | 蒸気機関車の炭水車* |
改造所 | 苗穂工場 |
改造年 | 1925年(大正14年) - 1927年(昭和2年)** |
改造数 | 23両 |
消滅 | 1956年(昭和31年) |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 5,721 mm |
全幅 | 2,356 mm |
全高 | 2,902 mm |
荷重 | 10 t |
実容積 | 10.9 m3 |
自重 | 11.1 t |
換算両数 積車 | 2.0 |
換算両数 空車 | 1.0 |
軸距 | 1,499 mm + 1,499 mm |
備考 |
*旧形式への種車 **旧形式への改造年 |
上記寸法は一例である |
本形式と同時期に同種類の種車を改造したミ150形についても本項目で解説する。
ミ170形
編集1925年(大正14年)から1927年(昭和2年)11月にかけて廃車となった蒸気機関車の三軸炭水車を種車として10 t積み水運車が6形式(ミ335形、ミ340形、ミ350形、ミ360形、ミ375形、ミ385形)製作された。製造所は苗穂工場、小倉工場、名古屋工場、金沢工場、土崎工場の5か所であった。種車はいずれも三軸炭水車であるがその大きさはまちまちである。
形式名は1928年(昭和3年)5月の車両称号規程改正によりミ170形(ミ170 - ミ176、ミ180 - ミ195)に改名の上統合された。この際何故かミ177 - ミ179が欠番である。
塗色は、黒であり、寸法関係は種車により違いがあるが一例として全長は5,721 mm、全幅は2,356 mm、全高は2,902 mm、軸距は1,499 mm + 1,499 mm、自重は11.1 t、換算両数は積車2.0、空車1.0である。
1956年(昭和31年)7月20日に最後まで在籍したミ189が廃車となり同時に形式消滅となった。
車番履歴
編集ミ170形 | 種車 | 旧車番 | 改造年月 | 改造工場 | 配置局 |
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ミ170 | 5860形蒸気機関車の炭水車 | ミ335 | 大正14年 | 苗穂 | |
ミ171 | 5860形蒸気機関車の炭水車 | ミ336 | 大正14年 | 苗穂 | |
ミ172 | 8450形蒸気機関車の炭水車 | ミ340 | 大正14年 | 小倉 | |
ミ173 | 8450形蒸気機関車の炭水車 | ミ341 | 大正14年 | 小倉 | |
ミ174 | 8450形蒸気機関車の炭水車 | ミ342 | 大正14年 | 小倉 | |
ミ175 | 8450形蒸気機関車の炭水車 | ミ343 | 大正14年 | 小倉 | |
ミ176 | 8450形蒸気機関車の炭水車 | ミ344 | 大正14年 | 小倉 | |
ミ180 | 6350形蒸気機関車の炭水車 | ミ350 | 大正14年 | 小倉 | |
ミ181 | 6350形蒸気機関車の炭水車 | ミ351 | 大正14年 | 小倉 | |
ミ182 | 6350形蒸気機関車の炭水車 | ミ352 | 大正14年 | 小倉 | |
ミ183 | 5630形蒸気機関車の炭水車 | ミ360 | 大正15年4月 | 名古屋 | 名古屋 |
ミ184 | 5630形蒸気機関車の炭水車 | ミ361 | 大正15年4月 | 名古屋 | 名古屋 |
ミ185 | 5630形蒸気機関車の炭水車 | ミ362 | 大正15年4月 | 金沢 | 名古屋 |
ミ186 | 5630形蒸気機関車の炭水車 | ミ363 | 大正15年4月 | 金沢 | 名古屋 |
ミ187 | 5630形蒸気機関車の炭水車 | ミ364 | 昭和2年11月 | 名古屋 | 名古屋 |
ミ188 | 5630形蒸気機関車の炭水車 | ミ365 | 昭和2年11月 | 名古屋 | 名古屋 |
ミ189 | 5400形蒸気機関車の炭水車 | ミ375 | 昭和2年4月 | 土崎 | 仙台 |
ミ190 | 6200形蒸気機関車の炭水車 | ミ376 | 昭和2年4月 | 土崎 | 仙台 |
ミ191 | 5160形蒸気機関車の炭水車 | ミ385 | 昭和2年4月 | 土崎 | 仙台 |
ミ192 | 5160形蒸気機関車の炭水車 | ミ386 | 昭和2年4月 | 土崎 | 仙台 |
ミ193 | 5160形蒸気機関車の炭水車 | ミ387 | 昭和2年4月 | 土崎 | 仙台 |
ミ194 | 5160形蒸気機関車の炭水車 | ミ388 | 昭和2年4月 | 土崎 | 仙台 |
ミ195 | 5160形蒸気機関車の炭水車 | ミ389 | 昭和2年4月 | 土崎 | 仙台 |
ミ150形
編集鉄道省ミ150形貨車 | |
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基本情報 | |
車種 | 水運車(水槽車) |
運用者 | 鉄道省 |
所有者 | 鉄道省 |
旧形式名 |
ミ330形 フミ30形 |
改造所 | 苗穂工場 |
改造年 |
1928年(昭和3年)* 1944年(昭和19年) |
改造数 | 3両 |
消滅 |
1回目1939年(昭和14年) 2回目1945年(昭和20年) |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 5,725 mm |
全幅 | 2,288 mm |
全高 | 2,370 mm |
荷重 | 5 t |
実容積 | 5.4 m3 |
自重 | 8.3 t |
換算両数 積車 | 1.0 |
換算両数 空車 | 0.6 |
軸距 | 2,743 mm |
備考 | *称号規程改正年 |
1926年(大正15年)3月に廃車となった5450形蒸気機関車の二軸炭水車を種車として5 t 積み水運車が苗穂工場にて2両製作された。日本の水運車の中で最小積載荷重の形式である。形式名はミ330形と定められたが、1928年(昭和3年)5月の車両称号規程改正によりミ150形(ミ330 - ミ331→ミ150 - ミ151)に変更された。落成後全車札幌鉄道局に配属された。
塗色は、黒であり、寸法関係は全長は5,725 mm、全幅は2,288 mm、全高は2,370 mm、軸距は2,743 mm、自重は8.3 t、換算両数は積車1.0、空車0.6である。
大型蒸気機関車1両の炭水車を半分の量にさせることもできない小荷重の為[注 1]早期に用途廃止となり、ミ151は1934年(昭和9年)8月2日に、ミ150は1939年(昭和14年)6月28日にそれぞれ廃車となった。
全車が廃車となり一旦形式消滅したが1944年(昭和19年)に、樺太鉄道局の8 t 積みフミ30形フミ32が改番によりミ150形ミ152へ附番された。しかし1年後に戦局の悪化により樺太は車両残留のまま放棄され1945年(昭和20年)に除籍となり再度形式消滅となった。
注釈
編集- ^ 8620形蒸気機関車では約13 t。
出典
編集参考文献
編集- 吉岡心平『3軸貨車の誕生と終焉(戦後編)』(初版)ネコ・パブリッシング〈RM LIBRARY 9〉、2000年4月1日。ISBN 4-87366-198-6。
- 貨車技術発達史編纂委員会『日本の貨車-技術発達史-』(初版)日本鉄道車輌工業会、2008年3月1日。