国鉄タキ10950形貨車
国鉄タキ10950形貨車(こくてつタキ10950がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍している私有貨車(タンク車)である。
国鉄タキ10950形貨車 | |
---|---|
基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 |
日本国有鉄道 日本貨物鉄道(JR貨物) |
所有者 | 日産化学工業 |
製造所 | 富士重工業 |
製造年 | 1980年(昭和55年) |
製造数 | 1両 |
消滅 | 2004年(平成16年) |
常備駅 | 速星駅 |
主要諸元 | |
車体色 | 銀色(ステンレス地色) |
専用種別 | 甲種硝酸→希硝酸 |
化成品分類番号 | 侵81 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 11,400 mm |
全幅 | 2,566 mm |
全高 | 3,577 mm |
タンク材質 | ステンレス鋼 |
荷重 | 35 t → 28 t |
実容積 | 21.6 m3 |
自重 | 15.7 t |
換算両数 積車 | 5.0 |
換算両数 空車 | 1.6 |
台車 | TR213C |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 1,650 mm |
台車中心間距離 | 7,300 mm |
最高速度 | 75 km/h |
本形式と同一の専用種別であるタキ12050形についても本項目で解説する。
タキ10950形
編集タキ10950形は、甲種硝酸専用の35t 積タンク車として1980年(昭和55年)11月5日に1両(コタキ10950)が、富士重工業にて製作された。
記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「コタキ」と標記する。
化成品分類番号は、侵81(侵食性の物質、腐食性物質、危険性度合2(中))が標記された。
本形式の他に甲種硝酸を専用種別とする形式には、タキ6200形、タキ8200形、タキ12050形(後述)の3形式があった。
所有者は、日産化学工業でありその常備駅は高山本線の速星駅であった。
ステンレス鋼 (SUS316) 製のタンク体を持ち荷役方式は、マンホールからの上入れ、液出管と空気管使用による上出し方式である。液出管と空気管はS字管を装備した。
1986年(昭和61年)頃専用種別が甲種硝酸から希硝酸に変更され、同時に積載荷重も28t へ減トンされた。
車体色は銀色、寸法関係は、全長は11,400mm、全幅は2,566mm、全高は3,577mm、台車中心間距離は7,300mm、実容積は21.6m3、自重は15.7t、換算両数は積車5.0、空車1.6であり、台車はベッテンドルフ式のTR213Cである。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には車籍がJR貨物に承継されたが、2004年(平成16年)10月に廃車となり同時に形式消滅となった。
タキ12050形
編集国鉄タキ12050形貨車 | |
---|---|
基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 |
日本国有鉄道 日本貨物鉄道(JR貨物) |
所有者 | 日産化学工業→日本石油輸送 |
種車 | タキ1500形 |
改造所 | 富士重工業 |
改造年 | 1982年(昭和57年) |
改造数 | 1両 |
消滅 | 1998年(平成10年) |
常備駅 | 速星駅 |
主要諸元 | |
車体色 | 銀色(ステンレス地色) |
専用種別 | 甲種硝酸→希硝酸 |
化成品分類番号 | 侵(禁水)84 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 13,700 mm |
全幅 | 2,588 mm |
全高 | 3,485 mm |
タンク材質 | ステンレス鋼 |
荷重 | 38 t → 35 t |
実容積 | 23.4 m3 |
自重 | 15.7 t |
換算両数 積車 | 5.5 |
換算両数 空車 | 1.6 |
台車 | TR41C |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 1,650 mm |
台車中心間距離 | 9,600 mm |
最高速度 | 75 km/h |
1982年(昭和57年)11月29日にタキ1500形1両(タキ15598)が、富士重工業にて専用種別変更改造が行われ、甲種硝酸専用の38t 積タンク車として落成した。形式名は新形式であるタキ12050形とされた。
化成品分類番号は、何故かタキ10950形とは異なる侵(禁水)84(侵食性の物質、水と反応する物質、腐食性物質、禁水指定のもの)が標記された。
所有者である日産化学工業は種車を所有していなかったため、同年11月15日に日本石油輸送より購入した。種車は1962年(昭和37年)12月5日に製造された日本車輌製造製であった。
1998年4月の廃車直前には日本石油輸送に名義変更された。
タンク体は新製のステンレス鋼(SUS316)製のものに取り換えられ荷役方式は、マンホールからの上入れ、液出管と空気管使用による上出し方式である。液出管と空気管はS字管を装備した。
1987年(昭和62年)7月22日に専用種別が甲種硝酸から希硝酸に変更され、同時に積載荷重も35t へ減トンされた。
車体色は銀色、寸法関係は、全長は13,700mm、全幅は2,588mm、全高は3,485mm、台車中心間距離は9,600mm、実容積は23.4m3、自重は15.7t、換算両数は積車5.5、空車1.6であり、台車はベッテンドルフ式のTR41Cである。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には車籍がJR貨物に承継されたが、1998年(平成10年)4月に廃車となり同時に形式消滅となった。
参考文献
編集- 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)