国鉄タキ10600形貨車(こくてつタキ10600がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍したタンク車である。

国鉄タキ10600形貨車
基本情報
車種 タンク車
運用者 日本国有鉄道
日本貨物鉄道(JR貨物)
製造所 川崎重工業
製造年 1968年昭和43年) - 1971年(昭和46年)
製造数 70両
消滅 2000年平成12年)
常備駅 糸魚川駅香春駅
主要諸元
車体色
専用種別 セメント
化成品分類番号 なし
軌間 1,067 mm
全長 10,800 mm
全幅 2,720 mm
全高 3,490 mm
タンク材質 耐候性高張力鋼
荷重 35 t
実容積 28.0 m3
自重 13.9 t
換算両数 積車 5.0
換算両数 空車 1.4
台車 TR41C
車輪径 860 mm
軸距 1,650 mm
台車中心間距離 6,700 mm
最高速度 75 km/h
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概要

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本形式はセメント輸送用として1968年(昭和43年)4月15日から1971年(昭和46年)6月17日にかけて川崎重工業 1社にて70両(タキ10600 - タキ10669)が製作された35 t 積の私有貨車である。

記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「タキ」と標記する。

落成時の所有者は、明星セメントの1社のみでありその常備駅は北陸本線(現・えちごトキめき鉄道)の糸魚川駅であった。1982年(昭和57年)12月21日に18両(タキ10600 - タキ10605、タキ10607 - タキ10611、タキ10619 - タキ10622、タキ10642、タキ10644 - タキ10645)が日本セメントへ名義変更され常備駅は、日田彦山線香春駅となった。

タンク体は耐候性高張力鋼製であり、荷役方式はエアスライドと圧送式の併用である。

全長は10,800 mm、全幅は2,720 mm、全高は3,490 mm、台車中心間距離は6,700 mm、タンク実容積は28.0 m3、自重は13.9 t、換算両数は積車5.0、空車1.4であり、台車はベッテンドルフ式のTR41Cであった。

1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には21両(タキ10612 - タキ10618、タキ10627- タキ10631、タキ10635、タキ10652、タキ10653、タキ10662、タキ10665 - タキ10669)の車籍がJR貨物に継承され、1995年平成7年)度末時点では18両(タキ10612 - タキ10618、タキ10627- タキ10629、タキ10631、タキ10635、タキ10652、タキ10653、タキ10662、タキ10665 - タキ10667)が現存していたが、2000年(平成12年)9月に最後まで在籍した3両(タキ10665 - タキ10667)が廃車となり同時に形式消滅となった。

年度別製造数

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各年度による製造会社と両数、所有者は次のとおりである。(所有者は落成時の社名)

  • 昭和43年度 - 27両
    • 川崎重工業 12両 明星セメント(タキ10600 - タキ10611)
    • 川崎重工業 15両 明星セメント(タキ10612 - タキ10626)
  • 昭和44年度 - 10両
    • 川崎重工業 10両 明星セメント(タキ10627 - タキ10636)
  • 昭和45年度 - 15両
    • 川崎重工業 15両 明星セメント(タキ10637 - タキ10651)
  • 昭和46年度 - 18両
    • 川崎重工業 18両 明星セメント(タキ10652 - タキ10669)

参考文献

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  • 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシングISBN 978-4-7770-0583-3
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

関連項目

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