国民民主勢力
国民民主勢力(こくみんみんしゅせいりょく、ビルマ語: အမျိုးသားဒီမိုကရေစီအင်အားစု、英語: National Democratic Force、略称NDF、あるいはUnited Democratic Front)は、ミャンマー(ビルマ)の政党。解体を命じられた国民民主連盟(NLD)のメンバーのうち、2010年ミャンマー総選挙に出馬することを選択した勢力によって結成された。議長(党首)はタン・ニェイン(Than Nyein)[1]。本部は旧首都ヤンゴンのタムウェに置かれている。民族に関する政治的な問題は民主主義や人権問題と並んで解決されるべきであるというのが主張である。
国民民主勢力 အမျိုးသားဒီမိုကရေစီအင်အားစု | |
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議長 | タン・ニェイン |
本部所在地 | ヤンゴン |
人民代表院議席数 |
8 / 440 (2%) |
民族代表院議席数 |
4 / 224 (2%) |
シンボル | 農民笠(ခမောက်) |
公式サイト | National Democratic Force,Myanmar |
2010年7月9日に選挙管理委員会によって38番目の政党として登録され[2]、総選挙では約160人の候補者を擁立した[3]。国民民主同盟によれば、NDFは国民統一党、連邦団結発展党と並んで全国的に有権者に訴えかけている3大政党のうちの一つである。しかしアウンサンスーチーを欠いた民主化勢力は知名度が広がらず、スーチー自身が総選挙には正当性がないとしてボイコットを訴えていることもあり微妙な位置に立たされているとされる[4]。また、NDFのような民主化勢力が選挙に参加することは、軍事政権側にとっても選挙の正当性を主張するのに都合が良いと見る意見もある[2]。
選挙の結果、NDFは連邦議会で12名(人民代表院8名+民族代表院4名)、地域・州議会では4名の候補が当選した[5]。なお16名の当選者はいずれもヤンゴン地域からの選出で、同地域のみでみた場合比較的善戦したと評価された。国民民主連盟がシンボルとして伝統的に採用していた農民笠(ခမောက်)を採用したことで、いくつか論争を巻き起こした[6]。
2015年の総選挙では275名を擁立したが、全員落選した[7]。
脚注
編集- ^ http://www.mizzima.com/political-pro/new-parties/ndf.html
- ^ a b 2010年7月11日付毎日新聞朝刊「NDFが政党登録 軍事政権、民主化勢力分裂狙い」より。
- ^ “軍政着々、民主化勢力は苦戦=スー・チーさんの支援得られず-ミャンマー” (日本語). 時事通信. (2010年10月7日) 2010年10月24日閲覧。
- ^ “ミャンマー:スーチーさん排除で国民の熱気うせ 総選挙” (日本語). 毎日新聞. (2010年10月13日) 2010年10月24日閲覧。
- ^ 初鹿野直美「20年ぶりの総選挙,7年半ぶりのスーチー解放 : 2010年のミャンマー」『アジア動向年報』第2011巻、日本貿易振興機構アジア経済研究所、2011年、表2「政党別議席数」、p.401、CRID 1390576535082566784、doi:10.24765/10.20561/00038403、ISBN 9784258010110、ISSN 0915-1109。「ZAD201100_020」
- ^ “アーカイブされたコピー”. 2010年8月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年8月16日閲覧。
- ^ “Parties”. The Myanmar Times. オリジナルの2015年11月17日時点におけるアーカイブ。 18 November 2015閲覧。
参考文献
編集- 工藤年博「ミャンマー総選挙とその後(4) 国民民主勢力の戦い」『アジアの出来事』、日本貿易振興機構アジア経済研究所、2010年11月、1-7頁、CRID 1390572176643331840、doi:10.20561/00049575、hdl:2344/00049575。