君台観左右帳記
室町時代、足利義政東山御殿内の装飾に関して、能阿弥や相阿弥が記録したものの伝書
『君台観左右帳記』(くんだいかんそうちょうき)は、室町時代、足利義政東山御殿内の装飾に関して、能阿弥や相阿弥が記録したものの伝書。唐絵鑑定、茶陶を中心とした美術工芸史、茶華香道の基礎史料。内容は3部構成。第1部は六朝から元迄の中国画人の品評(上、中、下)と簡解、第2部は書院飾、第3部は「茶湯棚飾」、「抹茶壺図形」、「土物類」、「彫物」の図解。
概要
編集150を超える写本や刊本があるが原本はなく、能阿弥本と相阿弥本の2系統に分かれる。また、第1部のみを独立させたものや、関連した『君臺觀印譜』、座敷飾なども発刊され、室町期からの唐様文化の規範となった美術書の一つ。
諸本
編集- 能阿弥本
- 相阿弥本
上品画人
編集上品に格付けされた画人の作品(伝承作品含む)の多くが国宝、重要文化財の指定、重要美術品の認定を受けている。以下、その画人を記す。
- 徽宗皇帝
- 李龍眠(李公麟)
- 僧牧渓(牧谿)
全文
編集- ^ zh:八十七神仙卷
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- ^ 早春図
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書影
編集- ^ 能阿弥(撰述) (1898年). 塙保己一(編)、萩原宗固(筆写): “君臺觀左右帳記(群書類聚. 第三百六十一)”. 経済雑誌社. 2014年10月28日閲覧。コマ330-344.
- ^ 能阿弥(撰述) (1929年). 屋代弘賢所、塙保己一(集)、上田萬年(他監修): “君臺觀左右帳記(群書類聚:新校.巻第三百六十一)”. 内外書籍. p. 767. 2014年10月28日閲覧。コマ426-432.
- ^ 相阿弥(撰述) (1511年). “君臺觀左右帳記”. 有隣堂. 2014年10月28日閲覧。
- ^ “君台観印谱”. 百度 (1647年). 2014年10月28日閲覧。
脚注
編集- ^ 山田孝雄 (1934年). “典籍説稿”. 西東書房. p. 305. 2014年10月28日閲覧。コマ312.
- ^ “江戸時代が見た中国絵画(3) いくつもの「中国絵画史」へ:江戸の中国絵画研究”. 東京国立博物館 (2014年). 2014年10月28日閲覧。
- ^ “釈迦三尊像”. 東福寺. 2014年10月28日閲覧。『君台観印』には「釈迦ニ見ル」とある図に推定されるが、国指定文化財等データベースでは「伝呉道子筆」とは記載されていない