古生物
古生物(こせいぶつ、英語: Prehistoric life)は、地質時代(地球の誕生から人類の歴史以前の時代)に生存したと想定される生物の総称。次のように大別できる。
復元
編集過去に生存していた生物は、普通は化石によってのみ、その存在を知ることができる。ただし、化石からその生物のことがすべてわかるわけではない。化石等を元に、生物の生きていたときの様子を再現する試みのことを復元という。
しかし、化石に残るのが、その生物のごく一部分であることはごく普通で、運良く全身が残っていたとしても、そこからすぐにその生物のことがわかるわけではない。多くの場合、できる限りの証拠を集めて、その生物の生きていたときの様子を考えようとしても、様々な仮定の上に立ったものしかできない。新たな証拠が発見されることで、それまでの復元像が完全に改められる場合も多い。
有名な例として、化石が多いことで知られるハルキゲニアがある。全身が残ってはいたものの、各部にさして特徴が無く、どちらが前か、どちら上かも判断がつけにくい時期が続いた。初期の復元では体の細長い端を尾部とし、対になった棘を足のようにして立ち、背中から触手を伸ばす動物として復元された[1]。これは後に研究が進み、棘は背面から上に突き出し、背面の触手と考えたものが爪のある脚で、細長い端から頭部の特徴である口と眼が見つかり、上下・前後とも逆さまに誤解釈されることが判明した[2]。
また、断片が最初に発見され、それぞれ無関係の生物と誤解釈された例もあり、これはラディオドンタ類のアノマロカリス、ペイトイアとフルディアが代表的である。これらの古生物は全身を解明される以前では、歯(ペイトイアとフルディア)はクラゲ、前部付属肢(アノマロカリス)と甲皮(フルディア)はコノハエビ、胴体(ペイトイア)はナマコと考えられた[3][4][5]。
脚注
編集- ^ CONWAY MORRIS, S. 1977. A new metazoan from the Burgess Shale of British Columbia. Palaeontology, 20: 623-640.
- ^ Smith, Martin R.; Caron, Jean-Bernard (2015-07). “Hallucigenia’s head and the pharyngeal armature of early ecdysozoans” (英語). Nature 523 (7558): 75–78. doi:10.1038/nature14573. ISSN 1476-4687 .
- ^ Whittington, Harry Blackmore; Briggs, Derek Ernest Gilmor (1985-05-14). “The largest Cambrian animal, Anomalocaris, Burgess Shale, British-Columbia”. Philosophical Transactions of the Royal Society of London. B, Biological Sciences 309 (1141): 569–609. doi:10.1098/rstb.1985.0096 .
- ^ Collins, Desmond (1996-03). “The “evolution” of Anomalocaris and its classification in the arthropod class Dinocarida (nov.) and order Radiodonta (nov.)” (英語). Journal of Paleontology 70 (2): 280–293. doi:10.1017/S0022336000023362. ISSN 0022-3360 .
- ^ Daley, Allison C.; Budd, Graham E.; Caron, Jean-Bernard; Edgecombe, Gregory D.; Collins, Desmond (2009-03-20). “The Burgess Shale Anomalocaridid Hurdia and Its Significance for Early Euarthropod Evolution” (英語). Science. doi:10.1126/science.1169514 .