双方中円墳

古墳の一形式

双方中円墳(そうほうちゅうえんふん)は、古墳の形式の1つ。円形の主丘の前後両側に方形の突出部2つが接続する形式である。

双方中円墳の1つ。
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。

概要

編集

前方後円墳が円形の主丘前面に方形の突出部を接続する形式であるのに対して、双方中円墳は主丘の前後双方に方形の突出部を接続する形式である[1]古墳時代前期に見られる。前方後円墳では前方部前面が正面であると考えられているが、双方中円墳の場合は厳密にどちらが正面になるのか明らかでない[2]

この墳形はこれまで全国で4例が知られるのみで(2015年時点)[3]、そのうちでも櫛山古墳は片方の突出部が小さい規模をなす[1]。なお、弥生時代墳丘墓でも前方後円形や双方中円形を採るものが知られており、これらが定型化したものが前方後円墳・双方中円墳になると見られている[1]

一覧

編集
全ての座標を示した地図 - OSM
全座標を出力 - KML

参考

脚注

編集
  1. ^ a b c 双方中円墳(世界大百科).
  2. ^ 泉森皎 「櫛山古墳」『図説日本の史跡 第3巻 原始3』 文化庁文化財保護部史跡研究会監修、同朋舎出版、1991年、55ページ。
  3. ^ a b "稲荷山北端1号墳:全国4例目の双方中円墳 すべて石積み、讃岐の独自性 高松・21日に現地見学会"(毎日新聞、2015年11月14日記事)。
    "双方中円墳 国内4例目…高松市が確認、修正"(読売新聞、2015年11月14日記事)。

参考文献

編集
  • 「双方中円墳」『世界大百科事典 第2版』 平凡社(リンクは朝日新聞社「コトバンク」)