印環細胞癌
印環細胞癌(いんかんさいぼうがん、signet ring cell carcinoma)は上皮性悪性腫瘍(癌腫)の一種であり、印環細胞の組織学的形態をとるものをいう。また、稀に腸に出来ることもある
印環細胞癌 | |
---|---|
乳腺由来の転移性印環細胞癌。HE染色。 | |
概要 | |
診療科 | 腫瘍学 |
分類および外部参照情報 | |
ICD-O | M8490/3 |
MeSH | D018279 |
腺癌の組織型のひとつであり[1]、胃の腺上皮に最も高頻度に認められるが、体の他の場所からも生じることがある[2]。一部の(全てではない)症例については遺伝性であり、しばしばCDH1遺伝子の変異を来している[3]。
転移
編集胃の印環細胞癌は転移の仕方が腸型胃癌と異なっている。胃の印環細胞癌転移症例においては、腹膜播種、肺の癌性リンパ管症、クルーケンベルク腫瘍(英語版)などの形で進行する傾向にある[4]。
組織学的形態
編集粘液を貯留した巨大な小胞が細胞核を辺縁に圧排しているため、癌細胞が印環(印台リング)のように見えることから「印環細胞癌」という。
- 胃では、低分化型腺癌と印環細胞癌が混在することがしばしばあり、組織学的に por/sig と表記される。肉眼的には、linitis plastica やスキルス胃癌と呼ばれる形態がしばしばみられる。
ギャラリー
編集-
胃の印環細胞癌。HE染色。
脚注
編集- ^ el-Zimaity HM, Itani K, Graham DY (October 1997). “Early diagnosis of signet ring cell carcinoma of the stomach: role of the Genta stain”. J. Clin. Pathol. 50 (10): 867–8. doi:10.1136/jcp.50.10.867. PMC 500272. PMID 9462273 .
- ^ What is a Signet Cell Cancer? Cancer Research UK.
- ^ Office of Rare Diseases Research: Diffuse Gastric Cancer National Institute of Health.
- ^ “Patterns of metastases in intestinal and diffuse types of carcinoma of the stomach”. Science Direct (Elsevier) 12 (3): 237–242. (1981) April 13, 2012閲覧。.
関連項目
編集